ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」は映画公開が迫り何かと話題だが僕は未読だ。
しかし、ヘンリー・リンカーンの「隠された聖地―マグダラのマリアの生地を巡る謎を解く」は読んでた。しかし、こちらは小説ではなく、著者が調べた事実として書かれたものだ。
「隠された聖地」の方を概略すると以下の通りである。
フランスはラングドック・ルシヨン地方ピレネー山脈の麓にある小さな村レンヌ・ル・シャトーという村には、1059年に立てられたというマリア教会があった。
1885年この教会に赴任してきた若い神父ベランジェ・ソーニエールは教会の柱にあった隠し穴から新約聖書の一説が書かれた羊皮紙を発見した。
その羊皮紙に書かれているものは何故か中途半端な改行や奇妙なスペルの間違い・余計な文字の挿入があるばかりか、意味不明の図が書き込まれているものだった。
ソーニエールはこの羊皮紙をヴァチカンに持ち込み、地元に戻るがその後出所不明の大金を使って教会を大修復を行うのだが、出来上がった新しいマリア教会は、その発見された文書と同じ様に不可解な像や絵が飾られる謎の多いものになったのだった。
ソーニエールは一体何を発見したのだろう。そしてヴァチカンはどう関与しているのだろうか。
これに対し本書は明確な答えは提示しないものの、聖杯伝説や、イエスの子孫。はたまた異端カタリ派の隠し財宝。さらには風水のような超古代文明の存在すら示唆してくるのだ。マジかよ。
http://members.jcom.home.ne.jp/y-yseki2002/dokusho2.htm#ヘンリー・リンカーン
予想以上に壮大なスケールで仮説を展開する本書は大変に刺激的で読み出したらとまらない面白さだった訳だが、そのリンカーンがアイディアを盗用されたとして出版社を提訴したという。
両方読んでないから、「盗用」と云えるのかどうかは不明だ。
漏れ聴こえる情報では「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台もこのマリア教会であるらしいとか、主人公の名がソーニエールになっていたりするらしい。本自体かなり話題にはなりましたよね。
この教会の謎は地元では元々かなり知られた話だったらしいので、これをもって盗用はちと苦しいかなとは思う。
一方、解けない謎を抱える現実のマリア教会と、それに迫らんとする「隠された聖地」の面白さはフィクションでは越えられるハズもなく、ブームについては冷めて見ていたりしてた訳だ。
この時期に提訴なんてタイミングが良すぎじゃね~のと云う感じもしないではない。しかしあなたは、謎は謎としても、事実を知らないまま小説や映画だけで満足しますか?
しかし、なんて良い本読んでるんだろう、僕って。自画自賛。