ゆく年くる年
いよいよ大晦日ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今年はほんとうに大変な年でありました。
自分自身この一年を振り返るとやはり東日本大震災のあの日が先ず念頭に浮かびます。
大きな悲しみを抱えている方々も大勢いらっしゃると思います。
改めて心よりお見舞い申し上げます。
また、この地震を契機に福島の原子力発電所がメルトダウンを起こし、漏れ出した放射能の被害がどの程度のものになっているのか、相変わらず不透明なままであります。
そして政府や東京電力の信頼が瓦解し、主要メディアも彼らの片棒を担いでいたことがあからさまになりました。
こんな事態になってもまだ代表取締役会長の座に座り警察に守られて要塞のような家に住まう勝俣恒久をはじめ、上場企業でありながら国の援助を浴びるだけ浴びる一方で電気料金の値上げは権利だとか、原発がなくなったら停電するなんていうでたらめなことをのたまう神経を持っている人たちが企業の上層部にいることは忘れてはならないことだと思います。
また、そんな大災害のなか、松本龍のようなヘンテコな人が政治家になっている例が実は沢山あることや、東海テレビのように今回の事態が他人事に過ぎないと思っている人も沢山いるのだということが明らかになったという点で、日本という国は、とか日本人とは、といったことを改めて考えるよい機会であったと思う次第であります。
海外に目を向けると、今年はオサマ・ビンラーディンがアメリカの特殊部隊によって処刑されたという出来事がありました。事前通告なしにパキスタンの国内にステルスヘリを使って攻撃を加えたというこの行為はどう考えても、ならず者、ギャングのような行為だった訳ですが、日本政府も含め国際的な反応は奇妙なものがあったと思います。
先日はイラン国内の原子力発電所施設を偵察中のアメリカCIAの無人偵察機が撃墜され機体がイラン政府に渡る事態となりました。驚いたことにアメリカ政府は国家機密が流出するので機体を返還しろと要求しているという。厚顔無恥も甚だしい話であります。他人の国に勝手に侵入しておいて、壊れたから返せと。どんなお人よしでも普通は返さないと思うけども。
イランの原子力発電所にはスタックネットとか云われるサイバーテロ攻撃も行われており、ウィルスに感染したコンピュータによって原子力発電所が制御不能に陥るような事態になったことも報じられておりました。攻撃しているのは誰かは不明ですが、どこぞのオタクが個人でやっている訳ではないことは明らかです。
アメリカ政府の身勝手な行動は近年どんどんとエスカレートしてきている訳ですが、国際社会はこれを牽制することが出来ずにいるというのが今のこの状況なのだと思います。ここにきて北朝鮮の金正日が死去したというのも大きなニュースであり、今後の情勢は注目していく必要があると思います。
日本政府はこんなアメリカ政府に安全保障を引き換えとして様々な取引をしようとしているわけで、正直で誠実なよき隣人であることを前提に無防備に手を結べば、身包みはがれかねないという点で大変懸念をしている訳ですが、どじょう野田政権は泥濘のなかで全く聞こえないし見えないかのようでじりじりと近づき続けています。
今日のニュースでは消費税増税の件も着々と前進しており、段階的増税なんて準備からして面倒くさくてとても付き合いたくない話が現実になろうとしております。
国内の事件としては大きな犯罪こそあまりありませんでしたが、大王製紙の前会長井川意高がギャンブルに使うために勝手に会社の金を165億円も引き出していたとか云うバカみたいに華々しい事件が起きる一方で、幼児虐待や老人の孤独死など、家族が家族を死傷させたり家庭を崩壊させるような内輪の事件が目立ってきたように思います。
こうした事件の背景にはじわじわと広がる格差社会のひずみがあると思うのですがいかがでしょうか。子どもを育てて若者を自律させられない社会は衰退していくばかりであるわけでもとからお金持ちのお年寄りがタンス預金的に蓄財を増やしている一方、お金がない人たちは全世代にわたって増えているというのが現在の日本の姿であると思います。
兎年だということから大きく跳ねる年になるのではないかといわれて開けた2010年でありましたが、ぐっと膝を折ってしゃがみこんでしまった状態で年を越えようとしているかのようであります。
僕ら市井の人々の意見によって原子力行政の方向性を大きく舵切りさせることができたことは、大きな不幸のなかで得られた成果であると思います。
単なる情報収集のためではなく、意見を同じくする人々が仮想空間に集い声を上げることで政府や企業の行動を牽制できるということがわかった。
自分達が持っている力が実は相当におおきなものになりえる。こうした力をうまく使うことで人々を支援したりすることもできるということがわかったということは
とても素晴らしいことだと思います。
原発の火を消せた我々市井の人々はそのマンパワーを忘れず、これからもずっと政府の横暴と企業権力と戦っていかなければならないと思います。
いよいよ明日からは2012年を迎えます。竜はまた天に駆け上る姿が想起されますが、ぐっと膝を折って溜め込んだエネルギーで天を向かうのは結構ですが、方向性は誤らないようにしたいところです。
そのためには僕達普通の一般市民が目を光らせて、おかしなことがあればきちんと反対の意見を表明し、行動に移していく必要があります。
そうすることで2012年という新しい年が過去を払拭してよい方向へ上昇していく良い年になればいいと思います。
皆さん力を合わせてがんばっていい年にしていきましょう!