浦安中年期外伝

カミさんを師匠に修行中の週末の料理やポタリング、読み散らしてている本の事など

ようこそ、おいでいただきました。

歳をとると日々が過ぎて行くのがどんどん早くなっていきます。ブログの更新がやや散漫になりつつありますが、しっかり元気でやっております。
いろいろなジャンルの本を読み漁り書き散らしてきたウェブサイトは今年で20年を迎えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 浦安中年期外伝(読書編)
最近新設したページ
2024年度第4クォーターのレビューのページを追加しました。

2011年の大津波による海岸被害と被災を免れた神社

2011-09-06 22:33:00 | 出来事
公益社団法人 日本河川協会主催の講演会を拝聴してまいりました。テーマは「2011年の大津波による海岸被害と被災を免れた神社」。講師は財団法人土木技術センター常務理事・なぎさ総合研究室長の宇多高明氏でした。

震災直後から岩手から茨城までの海岸線に実地調査に入り被災状況を調査した結果と、被災を免れた神社の存在をリボートしてくれています。

テーマから是非聞きたいと思っていたものですが、実際の内容は期待以上に濃厚で緻密。地道に足で調べた結果に基づく素晴らしい内容になっておりました。


そして被災地に入ると、小高い丘の上に鎮守の森に守られるような形で被害を免れた神社があちこちにあることに気がついたという。


岩手県
①山田湾大沢地区 魚賀波間神社
②大船渡野々田地区 加茂神社
③末崎地区  八大龍神社
宮城県
④菖蒲田海岸 五社神社
⑤磯浜漁港  名称不明の神社
福島県 
⑥豊間海岸薄磯地区 薄井神社
⑦小浜海岸 那智神社
茨城県
⑧大津漁港  名称不明


東京湾中等潮位(T.P.)基準でみると津波被害は北に行くほど高い。津波被害を免れた神社の立地も南に下るほど低い立地に建てられていたそうだ。

確認するかぎり神社で津波被害にあったのは少なく、被害にあった神社は比較的新しい時代、大正以降に建てられたものである模様なのだそうだ。

こうした津波被害を免れた神社は建てるときに過去の、伝説的な過去も含めてここならきっと大丈夫だろうといった見地に基づき立地を選ばれている可能性があり、これは伝説・伝承的な意味も含めて場所が決まり建てられたものではないかと宇多氏は推察する。

宗教・信仰というよりも経験則としてというわけだ。

そして万が一の場合にはこの場所に逃げ込めと。多くの神社は無人でおそらくはちょっと不便な場所にありながら、立派な参道を備えていた。


また海岸の砂の質によっても被害の規模が段違いになっており、

極粗粒砂 very coarse sand 2~1mm
粗粒砂 coarse sand 1~1/2mm (1,000~500μm)
中粒砂 medium sand 1/2~1/4mm (500~250μm)
細粒砂 fine sand 1/4~1/8mm (250~125μm)
極細粒砂 very fine sand 1/8~1/16mm (125~62.5μm)
粗砂(2~0.2mm)と細砂(0.2~0.02mm)に分ける場合もある。
粒径が2mm以上のものを礫、1/16mmより小さいものを泥(粘土とシルト)という

粒度が細かい砂で構成されている海岸の砂ほど今回の津波で持っていかれた傾向があり、細かい砂は内陸に運ばれ地層のように広い範囲でばら撒かれた。

一方で粒子の大きな砂で構成された海岸は津波被害の影響がない、或いは復元力があって直後から回復してきている。この違いは後々二次災害的な影響として顕著になってくるだろう。

などという行ってみないとわからない。専門家でない限りそんなことは知りえないというような内容に満ちており、とってもレベルの高い講演となっておりました。


すごく勉強になりました。また宇多氏の話はもっともっと詳しい話を聞きたいと思うようなすてきな内容になっておりました。

すばらしい夜をありがとうございました。

昨日は時間がなかったので書き足らない部分が多々ありました。

まずは宇田氏による、「東日本大震災津波災害状況調査」のサイトはこちらです。

①山田湾大沢地区 魚賀波間神社


大きな地図で見る

②大船渡野々田地区 加茂神社


大きな地図で見る

③末崎地区  八大龍神社


大きな地図で見る

宮城県
④菖蒲田海岸 五社神社


大きな地図で見る


⑤磯浜漁港  名称不明の神社


大きな地図で見る


福島県 
⑥豊間海岸薄磯地区 薄井神社


大きな地図で見る

⑦小浜海岸 那智神社


大きな地図で見る


茨城県
⑧大津漁港  名称不明(→おそらく津之神社)


大きな地図で見る

徐々に書き足すことにさせていただきます。
書けるかな。

遡上高と浸水深

破堤被害




晴漕雨読

2011-09-03 19:03:00 | 自転車
台風12号(TALAS)の稀に見るどん亀ぶりな足取りに振り回され続けだ。ニュースで「なぜ台風12号はこんなに遅いのか」というタイトルが登るくらいなのである。

漸く少しスピードを増したといっても現在時速15キロ。TALASがマリアナ諸島で発生したのが8月25日でそれから今日の昼間までの時速は約10キロ。先週東京では毎日翌日の天気の予報が雨なのに降らずじまいの日々が続く事態となった。

そして今日土曜日、新浦安は終日雨の予報だったが、結局雨は一時小雨が降った程度となってしまった。


僕はもうすっかり調子が狂ってしまって、何を信じればよいのかもわからず、オロオロしてても仕方ないと諦め、朝からリビングのソファーで本を読んで過ごした。

雨の日は沢山本が読めて幸せなのだ。晴れれば自転車が漕げてそれはまた幸せ。晴漕雨読という訳なのだ。

しっかし、予報が外れて雨が降らなかったとなるとちと事情が違ってくる。

送信者 ドロップ ボックス


雨どころか青空まで見えてるじゃないか。道路を見下ろすと自転車で行き交う人の姿も。
むむむ。

どっちみち風が強くてコンディションは決してよくないハズ。強い南南東の風に押されて北北西の進路を飛ぶ旅客機などを眺めて写真を撮ってみたりして気持ちを慰める。

送信者 ドロップ ボックス


今日はだらだらと伊藤礼の「大東京ぐるぐる自転車」を読んだ。面白い。というか思いつきと手探り自転車を漕ぎ始め、距離を伸ばしてきたことや、これまでしらなかった近所の地形や歴史に目が向き始めていくこと。そして川筋を追って自転車をあちこちと走らせるというのは正に自分の姿に重なる部分が多くて、ついつい読んでしまうのである。

送信者 ドロップ ボックス


僕も子育てが一段落し、健康増進の一環ではじめて自転車で散歩に出た時は、それまでのあまりに長い期間の運動不足のつけが一気にまわり、ほんの短時間で疲労困憊。己の体の情けなさに愕然としたものでした。

それにしても78というお歳にして健在で自転車を走らせている伊藤氏はすごい。僕も死ぬまでは元気で晴れた日は自転車を漕ぎ、雨の日は本を読んで暮らしていければいいなと思う次第でありました。




8月の読書メーター

2011-09-01 06:13:00 | 読書
8月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3863ページ
ナイス数:225ナイス

アンダーワールドUSA 上アンダーワールドUSA 上
☆☆☆☆★ コインテルプロを出してきましたか。疾走するアメリカの暗黒史。
読了日:08月28日 著者:ジェイムズ・エルロイ
ブッダ (第7巻) (潮ビジュアル文庫)ブッダ (第7巻) (潮ビジュアル文庫)
いやはや想像を超えた登場人物たちのもつれ合い。この壮大、遠大さには恐れ入りました。
読了日:08月28日 著者:手塚 治虫
ブッダ (第6巻) (潮ビジュアル文庫)ブッダ (第6巻) (潮ビジュアル文庫)
スジャータの物語そしてブッタの覚醒。6巻は怒涛の展開です。
読了日:08月27日 著者:手塚 治虫
現代世界で起こったこと ノーム・チョムスキーとの対話 1989-1999現代世界で起こったこと ノーム・チョムスキーとの対話 1989-1999
☆☆☆☆☆ 1989年以降チョムスキーが対話を行ったものから編集されたものだ。この時点で彼が見通していた未来に今触れるとその冷徹なまでの予測の正確さがありありとわかる。国民のための施策を展開しようとすると投資資本が引き上げられるのだ。現在進行している米国債の格下げと株価の下落は正にそれを現実のものにしている。
読了日:08月24日 著者:ノーム・チョムスキー
三陸海岸大津波 (文春文庫)三陸海岸大津波 (文春文庫)
☆☆☆☆☆ 吉村昭は好きで何冊も読んでいたのに、本書は地震が来るまで知らなかった。そして東北人なのにも関わらず三陸にこんな何度も津波が来ていたことも全然知らなかった。本書はみんなで書き加えて次世代に引き継いでいくべき知の遺産です。
読了日:08月22日 著者:吉村 昭
宮部みゆきの江戸レシピ宮部みゆきの江戸レシピ
酒の肴をつまみながらの晩酌が何より大事な僕としてはたまらない一冊でした。
読了日:08月21日 著者:福田 浩,小澤 忠恭
着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS
家族全員でまわし読み。みんな見てるポイントが違うのがなんとも楽しい。それにしても知らないブランドがこんなに沢山あるとはびっくりだよ。僕の前にそんなカッコして出てきても、申し訳ないけど気づいてあげられないよ。
読了日:08月14日 著者:都築響一
ブッダ (第5巻) (潮ビジュアル文庫)ブッダ (第5巻) (潮ビジュアル文庫)
ますますすごい。やめられない。
読了日:08月13日 著者:手塚 治虫
ブッダ (第4巻) (潮ビジュアル文庫)ブッダ (第4巻) (潮ビジュアル文庫)
ますます深くて面白い。子どもたちも真剣に読んでくれています。
読了日:08月12日 著者:手塚 治虫
アメリカの暗殺者学校アメリカの暗殺者学校
☆☆☆☆☆ 南米の麻薬戦争は現地の農業と地域社会に壊滅的な打撃を与えるための口実に利用されていると!!
読了日:08月09日 著者:ジャック ネルソン‐ポールミヤー
アリの背中に乗った甲虫を探して―未知の生物に憑かれた科学者たちアリの背中に乗った甲虫を探して―未知の生物に憑かれた科学者たち
☆☆☆★★ とっても面白かった。リンネの逸話等これまで知らなかったことが沢山ありました。
読了日:08月07日 著者:ロブ ダン
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
☆☆☆★★ 数理・確率論にも哲学には何も物申せる能力はないんだけど、哲学の根底にある何かにどうしても合意できないものを感じる。
読了日:08月02日 著者:ナシーム・ニコラス・タレブ
ブッダ (第3巻) (潮ビジュアル文庫)ブッダ (第3巻) (潮ビジュアル文庫)
週一ブッタでこの夏を過ごそう
読了日:08月01日 著者:手塚 治虫

読書メーター