五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログももう何年目?
山梨に住む新しモノ好きのオヤジが自分の趣味や日々の暮らしをつづります。

ワニと決断

2017年03月11日 | 日々のつれづれに
2010年11月のある日、34年間務めた会社を辞めようと思いました。
まあ理由は今となってはいくらでもつけられるのですが、半分は衝動的な理由だったでしょうか。

それはともかく、

会社に辞表を出して半月ほど経った12月の半ば、夫婦で伊豆に小旅行しました。
一年365日勤務の管理職だったせいで、有給休暇を消費する目的ではありませんでしたが、何か辞める前にのんびりしたいと思ったのです。

よほど疲れていたのでしょうかね。


泊まったのは熱川の安いホテル。
部屋からの見晴らしが良く、夕食も値段の割に美味しいと評判の宿でした。
一度しか泊まらなかったそのホテルからは、今でもDMのメールが届きます。

ホテルに泊まる前か、翌日だったのかも忘れてしまいましたが、近くのバナナワニ園というところに行きました。
そこで家内が買ってくれたのが写真のワニのアクセサリーです。

家族にもいろいろお土産を買ったはずなのに、今覚えているのはこのワニと天城で食べたわさびアイスのふたつだけ。

それにしても、家内はどういう理由でワニを買おうと思ったのでしょうか?
今さら聞いても「覚えていない」と言うに決まってますから敢えて聞こうとは思いませんけど。

このワニも、私の肩かけバッグに付けていたのですっかりくたびれ果てた形になっていますが、いまだにその時の思い出として私の作業場の机のそばにぶら下がっています。


この旅行の時には、会社を辞めて山梨に戻って何をしようという計画はありませんでした。
地元に帰れば何とかなるだろうという軽い気持ちもありました。

「仕事なんかいくらでもある」

そんな気持ちも確かにありました。
まさかそれから三か月後に未曾有の大地震が起こり、県内の就職事情が一変してしまうとは思ってもみませんでしたから。
思えば大きな決断をした、という実感もないくらいの軽い気持ちだったかもしれません

でも、

あのとき、地震が起こっていなかったら...。
あのとき、フツーに就職できていたら...。

きっと今とは違った人生を歩んでいたかもしれません。
おそらく午前中の会合の場所にも顔を出していなかったでしょうし、そうであれば今の仕事にも就けなかったわけですし。
そんなことを考えながら、役場のサイレンに合わせて黙とうをしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする