松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

伝統楊式が始まりました

2006-03-02 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
昨日から伝統楊式が始まった。
今期の専科は水曜は伝統楊式、土曜は孫式と、
曜日によって内容が異なる。

初めての伝統楊式を練習してみた感想は、
まずは、ああビックリ。
まったくもって24式とは違う~。
動作というか型は知っているものが多く、
初めてでも先生の動きを目で追いながら
最後まで何とか動くことはできた。

その時点での印象は、やはり長いということ。
でも、嫌になるような長さではなく、
初めての割には心地よかった気がする。
このあたりは孫式の伝統式でも
同じような感触だった。

自分達は伝統楊式を
108の動作に分けて練習するが、
同じ伝統楊式でも型の数え方で
85式になったり118式になったりするそうだ。
このあたりも、以前から教わってきた
「はじめから終わりまでが一つの動きになるように」
ということを思い起こす。
一つの型をどこからどこまでの動きとしてとらえるかで
型の数は変わってくる。
起勢から收勢までがひと連なりの流れになれば、
85式でも108式でも118式でも何ら変わりはないこと。

初回でとくに印象に残ったのは
予備勢(無極)、太極起勢(開太極)を
厳密に意識して行うこと。
いままで以上に
陰陽を意識していくことになるなと思った。
陰陽が生じることで太極起勢になるわけだから、
予備勢とはまだ陰陽もない無の状態になる。
無になっているかどうかを意識しながら練習していた。
いつもの準備勢はここまでしてなかったと反省しきり。

今回は予備勢、太極起勢、攬雀尾までの
三動作だけだったけれど、
この最初の動作に
楊式太極拳のエッセンスみたいなものが
込められているような気がした。
なぜならば先生が細かく丁寧に解説し
動作を見せてくださり、
何度もみんなの姿勢をチェックしていたから。

そういえばこれまで練習してきた套路のうち、
例えば陳式でも孫式でも
起勢から三動作くらいまでというのは、
その流派の真髄を表すような動作が多い。
看板動作というのかなあ。
だから楊式もおそらくこのあたりに
エッセンスが込められているんだろうなと、
後で気づいたのだった。気づくのが遅いな~。
でも、リストで確認してみると、
いわゆる24式の攬雀尾に該当するところまでが
最初の看板動作かもしれないから、
まだちょっと間に合うかな(笑
とはいえ、練習中は
とてもそんな余裕はなかったなあ。
文字通り足の先まで意識することを要求されていたから、
これまで培った意識を総動員している感じで
いっぱいだったもの。
ま、これが自分の身の丈ってことなんでしょう。

それともうひとつ。
いまちょっと思い返してみると
自分の動きには波があったみたい。
一定じゃなくてやや“ためっぽい”所作があったと思う。
これって陳式の名残り?