松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

理論講座 備忘録ー松(鬆)と静ー

2011-05-15 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
太極拳導引の運動理論は太極拳の基本要求に基づいてます。
要求内容への理解の深まりと内なる変化は
相互に影響しあいながら
やがて内外が協調し合う統一性を感じるようになります。
今回の理論講座は中級との位置づけで
意なるものがテーマとなっています。



■はじめに

求めるべきものは「バランス(平衡)」
平衡とは一方に偏ることなく
ある安定した状態を保っていること

空間的バランス
 →前後、左右、上下間における構造的バランス

時間的バランス
 →安定した運動(移動、変化など)のタイミング



【進化には段階がある】

初級段階は、外見、目で見てわかるもの(形・型)を
学ぶ(真似る)ところからのスタート。
正しい形・型への要求は外なる範囲にとどまる。

初級が外中心であったのに対し、中級以上は内中心に。
内は視認できないのでイメージ(意念)を用いることになる。
中級段階では、意なるものへの理解を深める(『用意不用力』の理解)
意は意念(イメージ)であり、
内なるイメージを表現として外へ表しているものの素

上級段階は神(jin)を目指す。
意をもって内外を調整し統一体観を満たす。




【松(鬆)と静】


松(鬆)→身体的要求

 筋肉をゆるめる…肉、筋、関節がゆるむ

 膨らむ(イメージ)
     …骨と骨、筋と筋、肉と内臓の間にすきまをつくる

 溶解する(イメージ)
     …形がなくなり密度だけになる、空気にとけ込む、境界がなくなる
       (体が軽くなるような感覚)


静→心的要求

 情緒を制御する(コントロール)
     …欲や焦りを生じない心理状態が目標

 集中する…音のない世界(真空)徒に動揺しない




コメントを投稿