山行日:2020年3月7日(土)
天気:晴れのち曇り
CT:奥川並川出合6:05…安蔵山登山口6:28…467ピーク6:56…
安蔵山8:20…谷山9:57…左千方11:53~12:10…谷山13:30…八幡神社跡14:46…
安蔵山登山口15:17…奥川並川出合15:38
県道285号は余呉町菅並から先、
通行止めとなることが多いようなので今回もどこまで入れるか心配だったが、
予想に反してあっさり奥川並川出合まで入れてしまった。
ちょうど同じ駐車地に停めていた釣り師に後からお話を聞くと
この日はそのまま県道を北上し国道365号まで走れたそうだ。
準備をし奥川並川の林道へと進む。
最初の橋にはチェーン通行止めが施されていた。
467ピークを南側からぐるりと回りこむ。
山側に設置された鉄階段3つ目が安蔵山登山口だ。
一つ目二つ目の鉄階段は破損していて今は使われていないようだった。
ハシゴのような急な鉄階段を登りきるとズルズルと滑る足場の悪い急斜面。
階段跡のようなものが右手へと登っていくが藪、
倒木が酷いので適当に歩きやすいところを選びながら登っていく。
ひと頑張りすると467ピーク。
特に山名板とか目印はないが足元を見ると高時川ダム基準点No.8というものが埋まっていた。
円柱形のもので四等三角点みたいなようなものだ。
尾根通しは薮が酷くいきなり閉口したが、
辺りをよく見渡すと一段下がった東側に尾根を並行するように踏み跡があった。
尾根はそれほど急というところもなく登っていく。
しかし雪が全く見当たらない。
標高を上げていくとちらほら雪が残っていて、
標高630mを超えたあたりでうっすらとした雪が繋がった。
ふと見ると足元にトレース、単独者と思われるもの。
トレースは安蔵山まで続いていて心強かった。
辺りは広葉樹林でとても明るい。
巨木とまではいかないが大きなブナが出迎えてくれた。

(よく見ると二つのブナが密にくっついている)
樹幹から見える県境の山々はそれほど雪が付いているようには見えない。
安蔵山山頂はあまり展望が良くない。
それでもトレースの終点の樹林の間から真正面に見える山は上谷山。
このトレースをつけた登山者もこうやって雪の少ない上谷山を眺めたのだろうか?
この時期としては雪が本当に少なく山肌がまだら模様となって見えていた。
安蔵山の山頂付近はブナの巨木が点在していた。
どれも存在感がありこれを見に登るのは悪くない。
左千方へ向かう尾根は薮が酷くかき分けながらの歩行となったが
酷い藪はどうやら山頂付近だけで少し下ると藪が薄くなった。
雪は相変わらずの少なさで踝のラッセルといったところ、ツボ足で十分だ。
背中のスノーシューがやたら重く感じる。
道はないようだがとても歩きやすい。
時折現れる濃い藪はそれ度々長く続かなかった。
ここ辺りから谷山を越えたあたりまではブナの巨木が点在しており時折足を停めて見入った。
谷山の山頂台地へ登るといきなりの雪がどっと増えた。
少ないところでも20㎝、深いところでは50㎝以上あるようだった。
山名板のある所まではまだ距離があるようだったが
ツボ足ではキツイのでスノーシューを装着。
これなら吹き溜まりでも足を取られることがなく楽に歩行できる。
谷山を過ぎ左千方までの中間地点辺りから藪が酷くなってくる。
いつもこの時期はそうなのか、いやはや今シーズンはあまりの雪の少なさに
細かい藪が雪に埋もれず出てしまっているのかとてもうるさい。
足元もスノーシューを置きづらく進むにはジグザグになってしまう。
藪をかき分けるのに両腕を使うことが多く体力の消耗が激しい。
今回は計画の時間ギリギリか少しオーバー気味、
やはり雪の少なさに雪山登山というより藪山登山に近い感じとなっておりスムーズに進めない。
そうなってくると体力消費も増え、
気力の衰えも早く『撤退しようか?』と考えてしまうこともある。
左千方まで標高差250m程の所でリミットまで1時間半を切った。
まだまだ高い左千方の頂を見ると気力がそがれる。

(前方に見える左千方、目の前には藪が広がる。勿論、この後ろにも。)
藪はだんだんひどくなり傾斜もきつくなっていく。
木々との間が空いているところや笹が生い茂っているところは
それなりに雪があるのだが木々が密になっているところは雪がほとんどなくなっている。
細い木の幹を掴み、這い上がるように登っていく。
チラチラと腕時計の標高を確認しながら登る。
意外と早いペースで登っている。
禿げ頭のような頂が目の前に飛び込んできたときは嬉しいという気持ちそれだけだった。

(歩いてきた尾根を振り返る。右奥には日本海。)
山頂は以前来たときに比べて明らかに雪が少なく藪があちらこちら出ていた。
まさかまさかの三角点のてっぺんが出ており、
周りの雪をピッケルで掘ったらあっという間に姿を現した。

(上谷山)
この日の天気予報は下り坂で15時頃から雲に覆われるとのことったが、
12時現在ぐるっと一周雲は確認できず素晴らしい眺望だった。
横山岳や上谷山、三周ヶ岳はもとより琵琶湖や日本海、白山や能郷白山もはっきり見えた。
以前登った三周ヶ岳は岩が出ているところが多いようで全体的に黒っぽく見えた。
やはりそれだけ雪が少ないということなのだろう。
ひとしきり景色を楽しんだら下山することにした。
もっと山頂に留まりたい気分であったが、時間が押していた。
山頂からの下りも一苦労。
急斜面に藪、おまけにスノーシューが滑りやすく神経を使った。
谷山付近までは薮との格闘と緩くなった雪とで体力をさらに消耗してしまった。
計画ではピストンするつもりでいたので復路も安蔵山まで戻らなければいけない。
しかし810ピークと安藏山とのコルから標高差100m以上の上り返しがあることを考えると、
計画通りに進む気にはなれなかった。
急遽ではあるがルートを見直し、谷山から南へ延びる尾根を下り林道へ降りるルートへ舵を切った。
このルートは計画段階で情報を得ていたので、
谷山山頂で電波が入ったスマホで改めて確認して実行に移した。
このルートで何かあってはまずいので
一応ルート変更したことを山の会グループラインに報告しておいた。
このルートははじめ急な痩せ尾根だがその後一旦広く緩やかな尾根となる。
706標高点を越えたところで南南西へ向かい尾根に乗りさらに下っていく。
道はハッキリしているがうっすらついた雪が滑りやすかった。
痩せ尾根の部分は両側が切れ落ちており、滑りやすい道がヒヤヒヤを倍増させていた。
目印がしっかりつけられており迷うことはかかった。
標高650からは雪が完全になくなり乾いた落ち葉が堆積した尾根を下って行った。
尾根には堀上の道が付いていた。
最後は灯篭と“八幡神社”と彫られた石柱だけを残し本殿がなくなっていた神社跡に出た。
その辺りは古い石垣が残されていて集落があったのではないかと思わせる。
林道へはすぐに出た。30分ほど歩くと安藏山登山口、さらに20分ほど歩いて駐車地に着いた。
ちょうど釣り師も帰り支度をしていて厳しい釣りだったこと、
それでも何匹か釣れたこと、県道285号の状況など話を聞いた。
ここ最近体調がすぐれず、一か月ぶりの山行となったが天気に恵まれ、
ロングルートであったが足も攣らずに歩きとおすことが出来た。
県道285号が通行止めになっていなかったことも幸いだった。
おまけに普段日曜のみの休みだがこの週は土日休みになった。
すべてがいい方向につながり充実感ある山行となった。
ただ今シーズンは暖冬で雪が少なく藪が結構出ていたことが残念だったかな。
来シーズンは例年通りの積雪であってほしい。