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老人ホームから「退所を言い渡される」4パターン、80歳の私は学び、悲嘆させられて・・。

2025-01-04 13:35:04 | 傘寿からの思い

『 終身契約のはずが・・・年金16万円の80代男性、
    1ヵ月の入院で「老人ホーム」から追い出された「まさかの理由」』
と見出しされた記事を見たりした。

統計 調査 老人ホーム選びの失敗

老後の住まいに対して、持ち家だろうと賃貸であろうと、不安を抱く人が多いようです。
そんな不安を払拭する解決法のひとつが「老人ホーム」。

看取り看護もOKというところであれば、最期まで安心して入居できるでしょう。
しかし、その安心が100%とはいえないようです。みていきましょう。
終身契約のはずが…年金16万円の80代男性、1ヵ月の入院で「老人ホーム」から追い出された「まさかの理由」


☆持ち家でも、賃貸でも…老後の住まいに「不安はかなりある」

株式会社AlbaLinkが行った『老後の住まいに関する意識調査』によると、
「老後の住まいに、不安があるか?」の問いに対して、
持ち家の人で「かなりある」と回答したのは38.0%、賃貸の人は49.3%。

賃貸暮らし人のほうが、老後の住まいに危機感を抱いていることが分かりました。

持ち家の人が、将来の住まいに対して不安を抱く理由、
そのトップは「維持管理が大変」で52%。
「住めなくなった際の手続き」20%、「住宅ローンを完済できるか」17%、
「年をとると暮らしにくそう」16%と続きます。

一方、賃貸の人が、将来の住まいに対して不安を抱く理由、
そのトップは「家賃を払い続けられるか」で46%。
「賃貸に住み続けられるか」35%、「持ち家に住み替えるべきか」16%と続きます。

老後の住まいを考えると、年を重ねるごとに「賃貸契約」が難しくなるという事情があります。
貸す側は「もし孤独死されたら・・・」と、高齢者を避ける傾向にあるからです。

そのような事情もあり、高齢になるほど持ち家率は高くなり、
60代以上だと8~9割近くが、持ち家となります。

しかし前述の通り、持ち家は、持ち家で不安もいろいろ。
「住み続ける」ということが、いかに難しいことなのか、
現役世代の人でも、よく知っているようです。

・収入がなくなって年金生活になったとき、
 「家の管理」、「外壁」、「リフォーム」などにお金をかけられるか不安です(40代 女性)

・3階建ての2階リビングなので、将来足腰が弱ったときに不安(30代 女性)

・駅から遠いので、高齢でも歩けるのか不安(50代 女性)

40歳前に家を建て、60代で、さらに高齢になっても、
快適に住めるようにバリアフリー対応のリフォームを行う・・・
持ち家の場合、そんなパターンが多いでしょうか。

ただ設備的には快適でも、それだけで一生涯通して住み続けられるか、
といえばそうとは限らないでしょう。

たとえば、長年連れ添ったパートナーを亡くしたら・・・
1人で住むには広すぎる家に、深い孤独や不安を感じるケースも珍しくはありません。

☆妻を亡くした80代男性…終の棲家を求めて「老人ホーム」に入居したが

自宅での生活に不安を感じる高齢者。
10年前に妻を亡くしたという80代男性もその一人。

足を骨折したことを機に移動が不自由になり、外出機会がほとんどゼロに。
下手をすると1日、誰とも口をきかない日が多くなっていくことに
危機感を抱いていたといいます。

――このまま死んでも、誰も見つけてくれないんだろうな

そんな不安から、自宅を手放し、老人ホームに入居することに決めたといいます。
男性が決めたのは「看護師在籍」と高らかにうたう有料老人ホーム。
看取り介護にも対応し、終の棲家として十分という点も気に入ったといいます。

費用に関しては、少々高め。
入居一時金は1500万円、月額利用料は月28万円。

それに対し、男性の年金受給額は月16万円ほど。
利用料外の費用を月2万円ほどとしても、月14万円は、貯蓄を取り崩さなければ対応はできません。
1年で170万円、10年で1700万円の出費。

入居一時金を合わせると、3000万円ほどの余裕がほしいところです。
そこでホームに入居後、しばらくしたら自宅を売却して、
老人ホーム費用をまかなうことにしたといいます。

ホームへの入居後に自宅も売却でき、10年、
さらにはそれ以上も入居できそうなほど、予算的には余裕があったといいます。
これでめでたし、めでたし・・・とならないのが、難しいところ。


男性は、誤嚥性肺炎で1ヵ月ほど入院し、喀痰吸引が24時間必要に。

退院後は、ホームに戻ることを希望しましたが、
「いま、うちでは対応できなくて・・・」と、ホームを退去しなければならなくなったといいます。

男性が入居したころは「看護師在住」と声高らかにうたっていたものの、
その後、常駐の看護師が、数名退職。

欠員を補充できずに、現在、看護師がいるのは日中のみで、夜間は看護師は不在に。
24時間喀痰吸引が必要な男性を看ることができないというのです。

――看取り看護対応で、終身利用が可能って聞いていたのに

そうは言っても、24時間看護が不可能な施設に、男性は戻ることはできません。
結局、男性は老人ホームを退去し、病院で入院を続けているといいます。

 

☆老人ホームから「退所を言い渡される」4パターン

看取りに対応していて終身利用可という老人ホームでも、
施設の規定などにより、退所せざるを得ないケースがあります。

老人ホームには「退去要件」でよくあるのは、
「①長期入院した場合(90日程度の施設が多い)」

「②身体状況が変わり、施設での対応が難しくなった場合」

「③費用の支払いが難しくなった場合」

「④他の入居者、スタッフへの迷惑行為があった場合」の4つ。

前出の男性の場合、②にあたります。

 

①の場合、入院中も老人ホームへの管理費などの費用を支払わないといけません。
   老人ホームへの支払いに加え、病院への支払いも加わり、経済的な負担は二重に。

   もし初めから入院が長期となることが分かっているなら、
   早めに退去を検討したほうがいいでしょう。

 

④は、認知症患者によるものが多く、認知症も対応可という施設でも
   度を過ぎた場合「うちの施設ではお手上げです」と判断されることがあります。

 

「退去してください」と要請があったら、すぐに退去しなければならず、
宿無しに・・・そんなことはないので、そのあたりは安心を。

多くの施設が90日程度の猶予期間を設けているので、
その間に新しい施設を探すなど、対応を講じることになります。

 

せっかく入居した老人ホームからの退去要請。
頻繁にあるものではありませんが、珍しいものでもありません。

万が一、退去せざるを得なくなった場合のことを考えて、
マネープランは、余裕をもってシミュレーションしておきたいものです。

 

[参考資料]

株式会社AlbaLink『老後の住まいに関する意識調査』

総務省『2022年平均 家計調査 家計収支編』  ・・ 》

コメント (6)
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