特別養護老人ホーム(特養)の定員58万人には及ばないが、
いずれ特別養護老人ホーム(特養)の入居者は、重度の低所得者に限定されそうなので、
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と並んで高齢者住宅の主役になるだろう。          

サ高住と「住宅型」は、いずれも介護保険施設ではない。
特養や「介護付き」は、介護保険の給付を得られる施設で、市町村の介護保険計画で、新規開設が限定される。

そのため制約のない、サ高住と「住宅型」が高齢者住宅のリーダーとなる可能性が高い。

(略)だが、「住宅型」と「介護付き」の違いは、あまり知られていない。
「介護担当の8人全員が退職」という報道内容からは、施設内に常駐する職員がいると思われかねない。
そうなると「介護付き」と同じように見えてしまう。

              

☆「住宅型」で受ける介護は、 自ら選んで自由に利用できる選択型

有料老人ホームといえば、マンションのような大きな建物に介護スタッフが常駐し、
食事をはじめ入浴やトイレ、着脱などの介助をしてくれる施設といわれる。
介護をすべて事業者に委ねる「お任せ型」である。

これが普通のタイプで、正式には「介護付き有料老人ホーム」とされ、
介護保険では「特定施設入居者生活介護」というサービス名になる。

入居者3人に対し職員1人以上の配置が必要など、介護保険の施設基準を求められる。
事業者は「特定施設」として得る介護報酬のほかに、別途利用料を自由に設定できる。

この点が、同じ「お任せ型」でも、社会福祉法人が運営する特養とは異なり、利用料が高額となる。

一方、「住宅型」は、その名の通り多人数の単なる「住まい」である。
自宅と同じ扱いだ。

必要な介護サービスは、ケアマネジャーを通じて、
地域の訪問介護事業所や通所介護(デイサービス)事業所を選んで、個別に受ける。
介護保険サービスを自分で選んで、自由に利用できる「選択型」である(図4)。