先程、ときおり愛読しているネットの【 マネーポストWEB 】の『暮らしのマネー』を見ている中、
『 年金の損益分岐点 95歳まで生きなければ元がとれない時代へ』と見出し記事を見たりした。
私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活の74歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして私たち夫婦は、お互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。
もとより年金は我が家の生活費の基盤であるので、
どのようなことですか・・と思いながら記事を精読してしまった・・。
この記事の原文は、『週刊ポスト』の2018年11月2日号に掲載された記事のひとつであり、
関連のネットの【 マネーポストWEB 】に10月30日に配信され、無断であるが転載させて頂く。
《・・年金の損益分岐点 95歳まで生きなければ元がとれない時代へ
年金の支給開始年齢を現在の「65歳」から「70歳」に変更するという、
年金制度の大改悪が水面下で着々と進んでいる。
間もなく訪れるそんな時代の到来で、受給者はどんな状況に置かれるのだろうか。
自分が生きているうちは、ずっと受給できる。
年金とは、そういう制度だ。
現役時代には、給料の18.3%の保険料を納付する「義務」を果たす代わりに、
リタイア後に、どれほど長生きしても決まった額の年金を受け取り続ける「権利」を得る。
保険料は年々上げられ、一方で支給額は減らされてきたが、それでも老後生活における年金への依存度は高い。
現実に、老後の定期収入のすべてを年金に頼る高齢者が大半だ。
政府(財務省、厚労省)が進めてきた年金制度改悪は、
「生きている限り払い続けなければならないなら、支払い開始を遅らせればいい」
という考え方に他ならない。
その結果、55歳でスタートした支給開始年齢は60歳、65歳と引き上げられ、
ついには「70歳」が決まろうとしている。
だが、いくら日本が高齢化しているとはいえ、年金制度に合わせて、人間の寿命も延びるわけではない。
支給開始が後ろ倒しされれば当然、受け取れる期間が短くなる。
それどころか、受給資格を得る前に、“お迎え”が来てしまう人も増えている。
ロシアではこの夏、男性の年金支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げた。
同国男性の平均寿命は66.5歳なので、保険料を納めても半数近くが、
1円も受給できないまま人生を終える。
そんなブラックジョークのような年金制度が、G8国家で現実になっている。
ロシアのケースは極端だとしても、70歳支給開始となれば、
日本でも「保険料の納め損」となる人は、確実に増加する。
「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏の協力を得て、試算した
〈以下はいずれも現在の制度に基づく。
平均的な厚生年金加入者(サラリーマン)をモデルとし、加入期間は21~60歳の40年間とした〉。
●現行の「65歳支給開始」の場合
納付した保険料は約3660万円(勤め先企業の負担分を含む)。
それに対して、年金受給額は年間約187万円(老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計)。
19年半以上の受給、つまり「85歳まで生きれば元が取れる」計算だ。
日本人男性の平均寿命が、81歳であることを考えれば、
すでに「払い損」の状態になっていると言える。
支給開始年齢が5歳引き上げられると、状況はさらに厳しくなる。
●今後の「70歳支給開始」の場合
単純に5年後ろ倒しになれば、損益分岐点も5歳高齢化するので、
元が取れる年齢は「90歳」の大台に乗る。
平均寿命をはるかに上回り、男性の場合は、ほとんどが「払い損」に、
女性も、約半数が損益分岐点をクリアできなくなる。
「政府が支給開始年齢を70歳に引き上げたい理由の一つが、
損益分岐点を、“支払う側に有利”に動かせるからであることが窺えます」(北村氏)
受給者側が、さらに不利益になる変更もある。
北村氏が続ける。
「70歳支給開始とセットの65歳雇用延長です。
これによって“年金保険料を65歳まで納める”流れが進み、5年分多く保険料を支払うことになるのは確実です。
一方で、在職老齢年金制度(※注)によって“年金カット”が行なわれている。
【※注/60歳以上の年金受給者が働くと、収入に応じて年金がカットされる制度】
このように納付額は増え、受取額は減る傾向が一段と強まっており、
損益分岐点は90歳では済まず、プラス5歳程度になるのは避けられません」
95歳まで生きなければ元が取れない――
年金人生で“勝ち組”になるための道程は何とも長く、途方に暮れてしまう。
それが「70歳支給開始」時代の現実だ。
政府は盛んに「人生100年時代」というフレーズを掲げているが、
本音は「年金の元を取りたければ、100年生きなさい」ということなのだ。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
私は民間会社の中小業のある会社に35年近く勤めて、2004年(平成16年)の秋に定年退職した身であるが、
この間、幾たびのリストラの中、何とか障害レースを乗り越えたりしたが、
最後の5年半はリストラ烈風が加速され、あえなく出向となった。
そして、私は出向身分であったので、リストラ烈風の中、
会社の首脳部が、社員を自主退職させる希望退職優遇制度などの免れたのも事実であり、
定年前にやむなく退社された同僚、後輩に少し後ろめたく、退職後の年金生活に入った理由のひとつとなった。
しかしながら根底の実情は、この当時は大企業も盛んにリストラが実施されている中、
たとえ私が定年後に新たな職場を探しても、これといった突出した技術もなく、
何よりも遠い勤務先の出向先で、私なりに奮闘して体力も気力も使い果たしてしまった。
このような拙(つたな)いサラリーマン航路である上、ときおり敗残者のように感じることも多く、
悪戦苦闘の多かった歩みだったので、せめて残された人生は、多少なりとも自在に過ごしたと思ったりした・・。
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、2人だけで第二人生の歳月を過ごすので、
結果としては定年後の長い人生は、お互いの趣味を尊重して、堅実な生活を過ごせば、
年金生活でも何とかなると、定年後に年金生活を始めたりした・・。
私は定年退職後に年金生活を始めたが、
1944年〈昭和19年)9月生まれであるので、この当時は満62歳にならないと
年金は満額(老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計)を頂けないので、
この間の2年間は満額の6割弱の片翼飛行のような、年金生活を過ごすことになった。
やがて私は満62歳となり、年金は満額となり、これ以降は水平飛行のように安定して、
何かしら定年までは悪戦苦闘が多かった為か、予測した以上に年金生活を安楽に過ごして、
今日に至っている。
我が家の生計は原則として、私たち夫婦はお互いに厚生年金とわずかな企業年金を頂いた範囲で、
日常生活を過ごすことを原則としている。
そして耐久品の購入、冠婚葬祭、或いは私たち夫婦の共通趣味の国内旅行に関しては、
程々の貯金を取り崩して、ここ丸14年近く過ごしてきた・・。
ここ10年は、一般民間会社の定年退職時は60歳より65歳となった後、
ここ数年は、年金の繰り下げ受給が希望者に応じて実施されているが、
何かしら年金受給の開始を遅らせれば、お得ですょ・・と公表されている。
過ぎし9月下旬に、65歳支給時と70歳支給時の対比記事、思い馳せたりした・・。
この記事の原文は、『週刊ポスト』の2018年8月17・24日号に掲載された記事のひとつで、
関連のネットの【マネーポストWEB】に2018年8月8日に配信され、無断であるが転載させて頂く。
《・・これから定年を迎える人、年金生活に入る人は、年金や資産を「貯めて残す」か、
「使って減らす」かの岐路に立たされている。
〈人生100年時代、65歳はもはや老後ではない〉
政府は今年2月に閣議決定した『高齢社会対策大綱』でそう宣言した。
それとセットで、年金の受給開始を遅らせる「繰り下げ受給」を奨励している。
65歳からの年金受給を70歳からにすれば、42%の“割り増し年金”をもらえる制度だ。
さらに受給開始を75歳まで延長して、「年金約2倍」にすることも検討している。
“定年後も働き続けて、年金受給を遅らせれば、
リッチな老後になる”という「年金我慢の奨励」である。
しかし、口車に乗ってはいけない。
それでは生涯、税金を搾り取られる暗い老後への一本道を進むことになる。
年金の「繰り下げ受給」を選んだAさんは65歳で再雇用の職場を退職した後、
5年間、コンビニの夜間アルバイトで、月に約20万円を稼いで、生活費をまかなってきた。
70歳を迎えた今年、ようやく念願の年金受給が始まった。
年金額は65歳で受給していれば、年間211万円(月額約17万5000円)の計算だったが、
5年間受給を遅らせたため、約300万円(月額約25万円)に増える。
「体力的にキツくなってきたバイトも卒業できる」
期待を込めて、妻とそんな話もした。
ところが初めて送られてきた年金通知を見ると、手取りは月20万円ほど。
想定より5万円も少ない。
税金や社会保険料をドーンと天引きされていた。
「5年間我慢してこの仕打ちか」
☆繰り下げで「年33万円」の負担増
だが、次の事実を知れば、もっと衝撃を受けるはずだ。
もし、Aさんが65歳から年金(211万円)を受給していた場合、
住民税と所得税はいずれもゼロ。
そのうえ、年金から天引きされる社会保険料(国民健康保険税と介護保険料)も、
はるかに少なくて済んでいたのだ。
繰り下げ受給を選んだことで、なんと税金と保険料を合わせて年間約52万円も徴収され、
負担が33万円も増えていたのである。
年金の受給を5年間我慢して額面では、42%(年間約89万円)割増しされたように見えても、
実際の手取りは、26%(年間約50万円)しか増えていない。
受け取らなかった5年分の年金の元を取るには、
現在の平均余命を上回る91歳まで長生きしなければならない。
☆取られるのは所得税・住民税だけではない。
Aさん夫婦が、子供に少しでも資産を残そうと繰り下げ受給を選択し、
年金からコツコツ貯金をすれば、最後は相続税でごっそり持って行かれる。
そのために政府は、相続税法を改正(2015年施行)し、課税の対象を大幅に広げて、
“財産をたっぷり残してください”と口を開けて待ち構えている。・・》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。
民間会社に勤めた多くの人は、定年退職後に何らかの形で第二の就職をされて、
年金(完全)支給時まで働いて、年金生活に入るケースが多いと思われる。
しかしながら年金(完全)支給時を過ぎて働く人は、
◎仕事大好きで、いきがいとされている御方。
◎老後資金に少しでも加算すれば、収入が増えて、年金生活が安楽にしょうとする御方。
◎家庭の事情で、収入が増やし、家庭安泰させる御方。
◎定年退職時までリストラに遭遇して、毎年の収入、退職金が激少して、不運な御方。
このように私は、友人、知人などから学んできた。
今回の記事で、年金支給時を65歳より70歳に延長して、
割り増し年金額は年間約89万円を得たが、税金と保険料を合わせて年間約39万円も徴収され、
実際の手取りは、年間約50万円しか増えていない。
こうしたケースに余りにも、体力が衰える中、奮闘した結果、
余りにもお気の毒と思い深めて、溜息ばかり重ねている。
もとより年金繰り下げ受給の決断は、人それぞれの選択であるが、
私の場合は年金(完全)支給時62歳であったが、諸事情により定年退職後の60歳より、
年金生活を始め、この後の2年間は満額の6割弱の片翼飛行のような年金生活を過ごしたので、
今回の難題は発言権がないかしら、と思い返したりしている。
このように学んできたことを思い馳せて、改めてこれから政府が70歳支給時と決定した時は、
年金生活をする御方は、人生の晩年期の資金に大きく影響するので、無力な私は溜息ばかりしている。