《・・
- 新緑(しんりょく)の候=新緑の季節となりましたが
- 若葉(わかば)の候=若葉の季節となりましたが
- 青葉(あおば)の候=青葉の季節となりましたが
- 薫風(くんぷう)の候=風薫る季節となりましたが
- 緑風(りょくふう)の候=青葉を吹き渡る快い風が吹く頃となりましたが
「新緑のみぎり、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申しげます。」
■4月下旬~5月初めの「晩春の候」「残春の候」「惜春の候」「葉桜の候」「麗春の候」
四季はそれぞれ「初」、「仲」、「晩」に分かれています。
暦のうえでは、立夏の前日(5月4日頃)までが春なので、
5月初めは「晩春」(二十四節気の清明と穀雨の期間)にあたり、春の終盤という扱いになります。
- 晩春(ばんしゅん)の候=春も終わりの時期となりましたが
- 残春(ざんしゅん)の候=春も残り少なくなりましたが
- 惜春(せきしゅん)の候=過ぎ行く春が惜しまれる頃となりましたが
- 葉桜(はざくら)の候=桜の花が散り葉桜の時期となりましたが
- 麗春(れいしゅん)の候=麗春花(ひなげしの花)が咲く時期となりましたが
「惜春の候、ますますご清栄のこととお慶び申しげます。」
■5月上旬~中旬の「立夏の候」「初夏の候」「薄暑の候」「軽暑の候」「新茶の候」
- 立夏(りっか)の候=暦の上では夏となり、夏の兆しがみえる頃となりましたが
- 初夏(しょか)の候=初夏の頃となりましたが
※「初夏」は二十四節気の立夏と小満の期間をいいます - 薄暑(はくしょ)の候=少し暑さを感じる頃となりましたが
- 軽暑(けいしょ)の候=少し暑さを感じる頃となりましたが
- 新茶(しんちゃ)の候=新茶の季節となりましたが
「立夏の折、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
■5月下旬の「小満の候」「向暑の候」
- 小満(しょうまん)の候=万物が生長し天地に満ち始める頃となりましたが
※「小満」は二十四節気のひとつで5月21日頃~6月4日頃 - 向暑(こうしょ)の候=だんだん暑さが増す頃となりましたが
「小満の候、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
5月の季節の挨拶/口語調の時候の挨拶「プライベート」編
「風薫る季節となりましたが」は、話し言葉でやわらかな口語調の時候の挨拶
■上記「ビジネス」編で紹介した漢語調の「○○の候」の意味を表す文は、口語調の時候の挨拶として使えます。
- 過ぎ行く春が惜しまれる頃となりましたが
- 初夏の頃となりましたが
- 暦の上では夏となり、夏の兆しがみえる頃となりましたが
- 新緑の季節となりましたが
- 若葉の季節となりましたが
- 風薫る季節となりましたが
- 新茶の季節となりましたが
■その他にも、この時期の情景を綴って挨拶することができます。
5月に出回るカーネーションを取り入れてもいい
- 「八十八夜の別れ霜と申します。これからますます気候もよくなってまいりますね。その後お変わりございませんか。」
- 「大空を泳ぐ鯉のぼりに、心も晴れ晴れとしてまいります。皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。
- 「端午の節句を迎え、お孫様のお健やかなご成長にお祝い申し上げます。
- 「昨日は菖蒲湯に入り、ささやかな季節の趣を味わいました。皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。」
- 「風薫るさわやかな季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。」
- 「新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。」
- 「すがすがしい若葉の季節となりました。皆さまお障りなくお過ごしのことと存じます。」
- 「青葉若葉を渡る風に夏の気配を感じる頃となりました。ご壮健にてお過ごしのことと存じます。」
- 「風清らかな初夏を迎えましたが、お変わりございませんでしょうか。」
- 「軽暑のひととき、皆さまお健やかにお過ごしのことと存じます。」
- 「初夏の日差しに青葉輝く季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。」
- 「今年も牡丹の花が咲き、麗しい季節を迎えました。皆さまお変わりございませんでしょうか。」
- 「母の日が近づき、色鮮やかなカーネーションが花屋の店先に並んでおります。皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。」
- 「走り梅雨に濡れ、木々の緑がいっそう色鮮やかになりました。お元気でご活躍のことと存じます。」
- 「木々の緑が日に日に濃さを増しておりますが、お変わりございませんでしょうか。」
5月の季節の挨拶/口語調の結びの挨拶「プライベート」編
新生活には慣れたかな……相手を思い浮かべながらことばを綴りたい
相手に合わせて挨拶の内容を考えてみると良いでしょう。
相手の趣味や嗜好に合わせた結びの挨拶、相手の体調を気遣う結びの挨拶、
参考にしてみてください。
■相手の趣味・嗜好・状況に合わせたの結びの挨拶
- 「新しい環境に慣れた頃かと存じます。お身体に気をつけて、ますますご活躍ください。」
- 「爽やかな好季節、ますますのご活躍を期待しております。」
- 「すがすがしい若葉の季節、大いに英気を養いたいものですね。」
■相手の体調を気遣う結びの挨拶
- 「過ごしやすい時季とはいえ、ご無理をなさいませんように。」
- 「季節の変わり目、くれぐれもご自愛くださいませ。」
- 「風薫る五月、お健やかな日々をお過ごしください。」
- 「梅雨も間近となりましたので、くれぐれもお身体にはご留意ください。」
- 「時節柄、体調を崩しませんよう御身おいといください。」
5月に使える季節の話題
5月ならではの季節の話題を紹介します。キーワードとして入れてみると、季節感が出ると思います。
■花や動植物・食べ物
菖蒲、花菖蒲、杜若、芍薬、牡丹、皐月、藤、躑躅、カーネーション、スイートピー、バラ、スズラン、マーガレット、ツバメ、
新茶、柏餅、ちまき、初鰹、きす、金目鯛、いさき、たけのこ、空豆、グリーンピース、新じゃが、わらび、うど、イチゴ
■風物詩や行事・イベント
ゴールデンウィーク、茶摘み、端午の節句、こどもの日、鯉のぼり、五月人形、菖蒲湯、母の日
■節気・時期
八十八夜、立夏、初夏、小満、走り梅雨
オリジナルの挨拶を入れることも考えてみましょう
そろそろお庭の藤は咲いたかな・・・相手の顔を思い浮かべてみると文章が浮かびます
下手でもいいので、素直に、自分の言葉で考えてみると、心に届く手紙になるでしょう。
- 「お孫さんの初節句はいかがでしたか? 賑やかな様子が目に浮かび、こちらも笑顔になります。」
- 「ゴールデンウィークが終わりましたが、活動的なあなたのこと、お疲れは出ていませんか?」
- 「走り梅雨の静かな午後、いかがお過ごしですか。」
- 「この時期になると、一緒に竹の子掘りをしたことを思い出します。」
- 「お庭の藤が見事に咲いている頃でしょうか。」 ・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。