「メゾン・ド・ユーロン」
東京カレンダーによると、創業は1995年。
ヌーベルシノワの先駆けといえる中国料理店。
料理長 阿部淳一 氏は、「東京會舘」、「東京上海錦江飯店」、「オー・セ・ボヌール」を
経て、1995年 「メゾン・ド・ユーロン」シェフに就任。その後独立されたそうですが
2008年店舗リニューアルに伴い再び当店に招かれ、腕をふるわれるようになった
ということです。
場所は、東京メトロ銀座線、丸の内線「赤坂見附」駅
または千代田線「赤坂」駅、下車。
一ツ木通りに出ると中ほどぐらいに「モリバコーヒー」があり、正面のビル2階には
「赤坂喫茶室」 その脇の道を、道なりに上っていくと当店の前まで
たどりつくことができます。赤坂界隈の喧騒から離れ閑静な場所に位置していますので、
目的がないとこのあたりまで来ることはないでしょう。
入店すると、思ったほど店内は広くなかった。
個室もあるようですが、案内を受けたメインダイニングの窓際のテーブル席に着席。
白を基調とし、淡い色彩でまとめられた温かみのある店内には、目を引く
キャビネットがあり美しいグラスが並んでいました。
着席時には、卓上にランチドリンクメニューと爪楊枝しか用意されていませんでしたが
ランチコースをお願いできますかと、申し込んだところ、
フロアを担当しているお姉さんより「席の支度が整いましたので、どうぞ。」と
声かけがありました。
なるほど、コース料理の場合はテーブル・セッティングがなされるのだ。
テーブル・セッティングは、アンダープレート、ナプキン、箸置き、割り箸(縦置き)、グラス。
テーブルクロスは2枚重ね。
おしぼり用のトレー、爪楊枝はコースの席のもののほうが上ものだ。
料理は、Bコース@4,725を注文(2名様より)
前菜の盛り合わせ 三種
・醤油で味付けされたクラゲの冷菜
・紹興酒に漬けたホタルイカをスモークしたもの
・緑鮮やかなルッコラと干し貝柱の豆腐
中央には京人参。どれも品よく繊細な味付け。
アンダープレートは前菜ののちに片付けられます。
新じゃが芋とフカヒレのスープ
じゃが芋を使われているというお話ですが、少しもデンプン質からくるぽってり感はない。
生のものを丁寧に摩り下ろし濾されているのかな? さらりとした口当たりです。
素朴なイメージのあるじゃが芋もシェフの手にかかればすっきり垢抜ける。
嫌味のない味で、しっくりとスープに馴染み、フカヒレとのマッチングに違和感なし。
このあたりにも当店の実力の高さが表れているかと。
季節野菜と芝海老の岩塩炒め
シェフの炒め物には定評があり、「オーセ・ボヌール」時代から「炒めの達人」と
称されてらっしゃったとのこと。
季節野菜は、こごみ、黄ニラ、パプリカ、むらさき芋、マコモダケなど。
火入れも見事で、海老はぷりっと、野菜はしゃきっと異なる食感と素材の
持ち味を活かし一皿をまとめられています。油切れもよく美味い。
遊龍特製 牛肉の甘味噌炒め ~葱油餅と共に~
葱油餅(ツォンユーピン)とは、小麦粉で作った生地に油を塗り、ネギの細片を
具として巻き込んで焼いた中華料理。 -wikipediaより-
お姉さんのお話によるとクレープのようなものです。とのこと。
生地に強い葱の風味を残しているものではありませんでしたが
パイ生地のようにさくっとした歯ざわり。油っぽさのない軽い口当たりは洗練の極み。
こってりと甘い細切りの牛肉とキュウリを北京ダックのように包み込んで口に運ぶと
美味しさに思わず顔がほころぶ。
美味。コースにして良かったなという思いです。
本日のお食事
3種類からえらべましたが、坦々麺で。
炸醤肉(肉そぼろ)、刻みネギ、白ゴマ、松の実、クコの実。
芝麻醤の風味を感じますが、こってりしたものではなく、また、辛さは控えめ。
特筆すべきは、酸(すっぱい味)が効いていることだ。
それは、やたら酸っぱいというものではなく角がとれ、丸みのある旨味の酸だ。
スープも丁寧にとられているのでしょう。雑味がありません。
ヌーベルシノワの先駆け「メゾン・ド・ユーロン」に相応しいエレガントな坦々麺。
四川料理店の坦々麺とは一線を画する味わいです。
完成度が高く、最後の一滴まで飲み干しました。好みの味。
本日、当店の坦々麺に出会えてよかった。
デザート
杏仁豆腐、マンゴープリンから選んだのは
(ノブロー) 杏仁豆腐だで♪
食後のお茶はライチ茶。
杏仁豆腐は、とろっと柔らかな口当たりなのですが、時おりざらっとした舌触りが残る。
杏仁霜が溶けきっていないためだろうか?詳しくは不明。
(ノブロー) もう一つあるだよ。台湾高山茶だで。
今日のゲストさんが茶杯もらってくれたんだ♪
(みに) サイズが小さいから、キミたち飲みやすそうね。
味わいも台湾高山茶のほうが良いかも。
「メゾン・ド・ユーロン」 ミシュランガイド星獲得店。
今回お邪魔させていただいて、メゾン・ド・ユーロンでしか味わえない
「上海錦江飯店」の流れを汲んでいるという、
真っ黒な「遊龍特製フカヒレの姿煮」をきっちり食してみたくなりました。
これは、フカヒレをたまり醤油や老酒などで味付けをした一品で
シェフのスペシャリテと聞き及びます。
ディナーで必再訪。連れと相談します。
今回のランチコース、さっぱりとして口に優しく軽やかな後味。
美味しいお店は食後感が違うなあ。
中国料理満足度数は、★★★★☆ とってもお気に入りです。
メゾン・ド・ユーロン (酒家 遊龍 メゾンドユーロン)
東京都港区赤坂4-13-18
TEL 03-3589-3955
営業時間/ 月~金 11:30~13:30(L.O) 18:00~21:30(L.O)
土・祝 11:30~14:00(L.O) 18:00~21:30(L.O)
定休日 日曜
メゾン・ド・ユーロン (中華料理 / 赤坂駅、赤坂見附駅、青山一丁目駅)
昼総合点★★★★☆ 4.5