今日は、I CAN(核兵器禁止条約キャンペーン)でノーベル賞を受賞した川崎哲(あきら)の話を聞いてきました。気持ちでは分かっていたが、言葉でしっかり表現できるまでは自信を持てていなかったことが、今日の川崎さんの話でスッキリと分かってきました。
自分が忘れないように、そして会場に行けなかった方にシェアするために、要点をここに書いておきます。参考にして下さい。
I CANは530のNPOなどたくさんの団体からなり、自分の属すピースボートもその1つの団体である、と同時に10のキャンペーン運営団体の1つとなった。戦後74年、冷戦時代からも30年、今の若い世代が戦争について実感がないのは当然と思う。そういう若い人にも共感してもらえる「今の問題」としてI CANの核兵器反対の運動、平和運動を進めていく必要がある。
運動は、2010年4月の赤十字国際委員会の声明から始まった。日本では当たり前だが、他の国は「核兵器の非人道性」というものへの認識が十分なかった。赤十字が口火を切ってくれたことで、次々と「核兵器の非人道性」への声明が広がって行った。
「核兵器の非人道性」 核兵器は放射能汚染をもたらし、広島・長崎で救援などで爆発後に入ったものも被爆被害に遭った。福島原発事故でも津波被害者を退去命令が出た地域に助けにいくことができなかった。核兵器を使った側も、地球の他の地域にも長く過酷な被害をもたらす。人道に反する、使用してはならない兵器である。これを、他の兵器とは違うものとしてしっかり確認すること。
*これについては、125カ国が署名(核の傘:ノルウェー、デンマーク、アイスランド、日本)日本は2013年10月。「核の傘」依存政策をとる国オーストラリアも、声明を出した(これについて、参照ココ)。
これらの運動が広がって、2017年7月7日の国連での採択につながった!
重要1: 「核兵器の非人道性」から、全面的な完全な禁止。例外はない。核兵器の開発、生産のほか、核兵器を使った威嚇も禁止。廃棄の検証措置も盛り込んだ。
重要2: 核兵器禁止条約が、理想だけれど~と受け取られがちだが、「私たちは理想ではなく、唯一の理性的な選択を示している」 という考えで、核兵器禁止条約が成果を生み出すように1歩ずつ確実に努力する。
1:核の抑止力の考えの間違い=抑止力の考えこそ理性的でない
核兵器保有国または「傘の下の国」がそういうが2つ問題がある。
1)「核は本当に使用する気なのか」⇒核戦争に勝者なし<これが冷戦の終結にも繋がった考え>。インドとパキスタンが使用したシミュレーションで、その場で死者が出るだけでなく、グローバルな環境汚染につながって農作物などに影響がでて核による飢餓が起きる。
2)「本当に使われないのか」⇒ 本当に使うつもりがなくても、原発事故がそうであったように、偶発事故。テロ(サイバーテロを含む)、など核の脅威が使われなくてもある。誤解や情報錯そう・・・。核兵器の老朽化。
3) 抑止力になっているという事実が示せない。貿易や交流で他国と依存していることの方が、抑止力になっている。北朝鮮に対して、核の傘が抑止力になっているというが、「核の抑止力」の考えは、アメリカの銃規制の問題と同じ。銃を禁止しない限り、銃社会で安全を得ようと銃が広がり、銃の乱射事件で子どもたちが銃規制のために立ち上がっている。
・抑止力の考えは、他の国にも伝染する!だから、抑止力の考えでは核兵器の拡散を招き危険を広げるばかり。この考え方では、安全な世界にはつながらない。
・日本国憲法の9条に戦争のことだけでなく「武力による威嚇又は武力行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とありますが、「核の抑止力」を平和の手段として日本が使うのは、「武力による威嚇」に当たり憲法違反ではないか。(川崎さんのこのコメントには、心から「そうだ!」と思いました)
2:抑止力の考えから、核保有国を核兵器廃絶に向かわせるには・・・
<核兵器保有に対して圧力をかけ、これは考えても核兵器廃止の道を選ぶことが理性的選択に至らしめる>
政治的圧力ー新しく核兵器を作ろうとする国への経済制裁、他。冷戦後に核兵器の数は確かに減ってきた。現在米ソの保有が大半で、14000あると言われている。だが、その傾向はINF条約の期限が近づいていて、中距離の戦略兵器の全廃、長距離の削減を目指してきたものがそのまま更新されずに、また後戻りしていく可能性もある。政治的にそういう動きに圧力がかかるようにする。
経済的圧力ー使わない兵器に投資する無駄。核兵器製造企業が25社ほど世界にある。そこへの投資の引き揚げの運動が始まっている。金融業界で日本でも「りそな」がSDGsへの取組も加えて積極的な姿勢を見せていて評価されている。他の銀行へ波及させるように働きかけるのは国民の声。
社会的圧力ーこれまでは、核保有が「力のシンボル」だったが、「恥のシンボル」になりつつある。価値の転換には、宗教界が大きな役割を果たしている。世界の人々の価値の転換が大事。
3:「社会は変えられる」
以前には、煙草は身体に悪いと言われつつ、皆が吸っていた。でも、今は、オリンピックを前にレストランでの禁煙なども加速されていて、随分煙草に対する人々の認識も変化した。児童虐待も、昔は「しつけ」で通されてきたものが、今は暴力でしつけをすることはいけないという認識が広がってきた。セクハラ、パワハラに対しても、昔と違い被害者の立場にたって考えられるような認識が広がりつつある。
核兵器禁止条約は、2017年3月から米ニューヨークの国連本部で制定に向けた交渉が行われ、7月、交渉会議に出席した124カ国中122カ国という圧倒的多数(全体の3分の2)の賛成により採択された。その9月から署名手続きが開始され調印した国は2019年4月11日時点で70か国、批准したのは23か国。批准国数が50カ国に達してから90日後に発効するということになっているので、50国になるのを待っている状態。核を保有する国は、この採択には日本を含めて欠席しましたが、煙草や、ハラスメントの問題と一緒で、条約からそれが本当に社会で実行されるまでには時間がかかるが、社会はそれらが解決への道を歩んだように、変えられていく。 事実、クラスター爆弾を禁止する法律の後、使われなくなっている! 被爆者も高齢化し、戦争を知る者が少なくなる前にこのように法規範を作っておく意味が大きいと思った。法規範が、若い人の世代になった時に、法が機能して安全を保障してくれるからだ。 やがて、理性が勝つ時になって振り返れば、あの時代には「核の抑止力」と言って、核が保有されているバカな時代があったと言われる日が来る。理性的に考えるほど、おかしなことだからだ。 核兵器の唯一の被爆国日本の被害以外にも、被爆被害に遭っている人たちがいる。核実験による被害者など。 オーストラリアのウラン鉱山の地に住む先住民が、採掘に反対運動を起こしているが、日本のウランもオーストラリアから来ている。 いろいろな立場の人たちと手を結んで、核兵器のない世界に1歩でも近づけるように努力する! *小さな1歩から、まず自分の銀行が核兵器を作っている会社に投資していたら、それについて抗議する。**自分の選挙区の議員などに核兵器についてどう考えているか確認。反対の声を上げてもらう(簡単な方法:スマホで「議員ウォッチ」を検索して、議員に「ヒバクシャ国際署名」に「賛同」のクリックしてもらう。市町村に日本が核兵器禁止条約に加わるよう声明を出すよう働きかける) 結論は、いつも同じ。気づいた人から、1歩ずつ前へ進んで努力すること!
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