さて、最近,東京新聞をまずは3ヶ月だけ購読し始めた私。今朝の見出しに驚きました。
「密室」実務者協議15回 議事録非公開…国会素通りの安保大転換 政府3文書改訂で自公合意(*クリックで東京新聞のデジで見られます)
確かに、今の岸田政権は、国葬にしても、反撃能力も、軍事予算拡大にしても、拙速で強引。その酷い決め方は、安倍政権の時とまったく同じ。いや、それ以上。危険極まりない!と、STOPをかけたいと、ずっとこのブログで書いてきました。
でも、一応国会では話しているようだし、相変わらずの「丁寧でない説明」には呆れかえりながらも、「密室」「非公開」「国会素通りの安保大転換」の文字が飛び込んできた時には、はっとし、心から驚きました。(そこまで、ひどかったのか?!!)
読んで、聞く耳どころか、そんなに一部の人間でどんどん決めて動かそうとする、何と怖い時代になってしまっていることか。にもかかわらず、テレビのニュースも危機感や大騒ぎは一時、どんどん危機感も薄れてしまって。
そもそも、世のマスコミは、統一協会問題もだんだん追求の手が薄れ、救済法ができたことで、一頓挫してしまったと思っているのか、(火事や、スケート、某保育園の虐待事件、子どもの声を騒音とクレームが出て公園廃止の問題、NISAの緩和で投資しやすくなる・・・? )などの問題を話題にする傾向が強い。政府のかかえる大きな闇を追いかける雰囲気は、影を潜め、細田議長も萩生田氏も、平然と活動。あの井上議員は謝罪していまはどうしているのか? ニュースは追うこともない。
もし、クロアチアに日本が勝ってベスト8に進んでいたら、きっと今頃はマスコミはサッカーの話題で埋まっていたと思われる。正直、日本がベスト8にでられなかったのは残念だが、日本にとっては、マスコミが「日本にとって将来にわたり重要な問題」を再び扱うようになるには良かったと思う私がいました。
日本の「専守防衛」「防衛費GDP1%」の体制が、大きく崩されようとしているのに、危機感がないマスコミ。
東京新聞の見出しには、私の危機感以上のド迫力に目が釘付けになり、勇気づけられました。さて、他のマスコミも、少し変化してきただろうか?
いつもの「6紙比較」をしてみることにした。
伝えることが、6紙で様々なのに驚くだろう。あなたの購読している新聞はどれですか?
日経新聞・・・「つみたてNISA3倍 一般型は倍増 生涯投資枠1800万円」 中を開くと、「大坂万博 未来を拓く」に2面が割かれていた。広島の「国際賢人会議」にはふれていたが、核兵器のない世界を目指すと言いつつ、現実の状況に照らして抑止力強化の必要性から、核兵器の役割拡大の局面に入ったという慶大の准教授のコメントを出し、被爆国としては核弾頭数の増3文書、加を防ぐ発信を続ける必要があると言及するに留まる。「防衛3文書、対中国を全面 『懸念』から『挑戦』に上げ 自公合意 反撃能力保有を明記」は、政府発言を丸投げで読者に伝えただけ。
産経新聞・・・1面は字の大きさは日経に負けず「NISA投資1500万円まで 生涯上限2制度を一本化 税制改正大枠固まる」グッと小さめに「安保3文書 自公合意 週内閣議決定反撃能力明記」 もう、政府の言ったまま「自公のWT(実務者ワーキングチーム)が、~幅広いテーマについて計15回の協議を重ねてきた」とあっけらかんとご報告。ただ、自民党の中で閣内不一致で波紋があり「防衛財源・増税方針を表明 高市・西村氏 首相に異論」というのが大きく5面で扱われ、3面では「防衛費増 財源は3税目 法人 復興 たばこ」と与党の説明に大きく紙面を割いて、負担感を小さくと財務省が苦慮したことも報告、自民党内の安倍派には法人税の引き上げには慎重論が多いなど、党内の説明が多い。
読売新聞・・・1面は大きく「自衛隊施設に建設国債 防衛予算方針を転換 1.6兆円充当へ」と着々と政府が防衛力の抜本的強化に向けて財源を考えて動いていることをそのままご報告。2面では 「空港 F35発着備え 改修 先島諸島 政府調整 与那国護衛艦接岸可能に」と政府がどんどん台湾有事を見据えて動いている様子を沖縄の地図入りでご報告。勇ましい(?)「防衛財源11.1兆円確保 政府計画5カ年で是意外収入や余剰金」と財源計画も順調を思わせる書き方。さらに「3文書改定案 自公合意 反撃能力『トマホーク』導入」と合意した文章の説明をして、中国の軍事動向に関し「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけた改定案をそのままご報告。 軍備強化が国民にもたらす財政面の負担や問題、反撃能力への疑問などまったくない。政府の広報紙のよう。
朝日新聞・・・1面は、意外にも朝日新聞だけ大きく「新津波想定 広がる浸水域 被災3県 悪条件前提に『東日本』超える試算」を報じていて、やや小さめに横に自民党議員・薗浦氏の政治資金パーティーの政治資金規正法違反(不記載など)問題を取り上げている。3面では防衛財源で、閣僚らから異論が噴出する自体となっている自民党内部の軋みについて書いている。でも、2面は津波への備えの記事が大きい。何だか、朝日はこの防衛予算増大に対して、大きく取り上げていない感じがする。12月13日に関しては、肩すかしの内容だった。
毎日新聞・・・1面は「安保3文書 自公が合意 16日にも閣議決定」「防衛財源 復興所得税検討」とまずは、政府がどう言っているかをご報告。2面では大きく「防衛財源は増税 首相揺らぐ足元」として、自民党内部の増税などへの反対論を扱い、「NISA拡充 生涯1500万円」。3面では1面でも扱っていた統一協会問題の解決のための「救済法」成立に「維新」が自民と立憲の間を取り持ったが、これから維新が統一地方選挙で候補をたくさん立てようとしていて、自民が維新にすり寄ろうとしている。その政治的動向に注視した記事。5面の萩生田氏の訪台湾記事では後継をアピールしたとあり、自民党内部や野党の立ち位置の記事が多かった。
東京新聞・・・やっと辿りつきました。最初に私に衝撃を与えた東京新聞の1面についてです。正直、他の5紙にも、少しは東京新聞のような、閣議決定に持ち込む政府の秘密主義や、酷さに対する記事を期待していたのだが、産経、読売、日経辺りは、書いてないだろうと思っていたものの、朝日、毎日の記事に、東京新聞にあるような「反撃能力」や防衛予算の無茶苦茶な拡大への危機感がないことに危機感を持ちました。
「敵基地攻撃能力」と最初言いだし国民の大反発を受けて「反撃能力」に変えたり、まさかの防衛費の大幅増(以前は1%を天井と定めていたGDP内の防衛予算を2%にする!?)、さらに財源をどこからもってくるか?復興予算から?増税!!! そこまでは、私も危機感を共有していたので、朝日、毎日にも、そのような記事は当然あるとおもったのに、肩すかしでした。
一方で、東京新聞は私の予想を上回る危機感で記事を書いているのがビンビン伝わってきた。
テレビのニュースでも、なかなか決まらなかったが、公明党との調整が済んで、何だか分からないが、閣議決定に持って行って決まってしまいそうか?・・・でも、野党は反対はしている。また、自民党内からも反対の声がでて~とか、何だか不明瞭な説明に、こんなことが決まっていいのか?日本の将来が今の軍拡に進めば平和から遠のいていくという恐ろしさへの警告と自民党の今の決定の仕方の非民主主義的なことを、一挙に暴いてくれていた。
全て、ココの東京新聞の記事を見て頂いても早いかもしれないが、私も説明しておこう。1面にでていた、下の表からみてほしい。
そもそも、敵基地攻撃能力や防衛費拡大はイージスアショアの欠陥が分かった辺りから、ピンチをチャンスにというトンデモない展開で、安倍政権が進め始めたもの。 それを、岸田政権がさらに急速に突っ込み出したのは、自民党の根幹を揺るがす統一協会との関係が暴露され、組閣しようにも、統一協会との関係がクリーンな議員などおらず、(何としてでも国民の目をそらし、一刻も早く忘れてもらわねばならない!)という要請からだろう。
もともと、ウクライナ侵攻を利用して、国民の防衛意識を煽ろうとしたところへ、北朝鮮の続けざまのミサイルがさらに有り難い助け船となり、中国の台湾への圧力も国民の不安を増し、台湾有事が迫っているとアメリカに軍拡を迫られ、その対処として「防衛費を増大させる」のを急務としていた自民党。またもや、ピンチを絶好のチャンスにしようとしているのだ。
岸田首相にとっては、統一協会問題で自民党が滅茶苦茶なことを国民が早く忘れてくれるために、サッカーのワールドカップでも、何でも目をそらしてほしい一心。しかも、首相は、すでに国会で議論する前にバイデンにお約束をしてきてしまっているのだから、このチャンスはのがせないとの判断だったのだろう。
最初の有識者会合は1月から7月まで17回、非公開で実施し、事後の内容説明もなかった。今月1日に公表された「要旨」は計47ページで、政府の問題意識に対し、有識者の発言は「専守防衛」「防衛関係費」といったテーマごとに分類されて「主な意見」が箇条書きで記されている。元政府高官や自衛隊元幹部ら計52人の有識者が招かれたが、誰がどの会合で発言したかは全く分からない。
さらに、最終決定前になっても自党の名前が「自由」「民主」党というのに、自党内ですら発言が自由闊達に行われず、自公の実務者だけの議論で、「記録」も「議事要旨」すらも公表されずに決まった?
統一地方選挙を控え、しかも、党内での主導権争いもあり、党内での議論もなかったことから、いまや大混乱の様相を呈してきたが、一番大事なのは、自民党の中での争いではない。
自民党内部では、防衛費予算拡大は一致している。争いは、どう国民に飲ませるかの違いにすぎない。9条の戦争放棄なんて夢のような話。憲法改正して、なし崩しに日本を「強い国」にしよう。うっかり本音を言ってジェンダーだ自由だという人たちつつかれないようにしながら、でも、日本の伝統を重んじて家庭を中心に、自分の子ども達が安泰な生活ができるように選挙区を固めておこう。そんなところだろう。SDGsとか、偉そうに言っても、国民の生活なんて深く考えていないから、地震国で実際に故郷を失った人も生んだ原発事故の事実は無視。自分たちの利益になれば原発も再稼働、新増設もあり。軍備増強がSDGsと矛盾するなんて考えもしない。
そんな、自民党内のこぜりあいに紙面を使っている新聞、政府の話をそのまま伝えて「NISA投資が~」という新聞に、今の大きな日本の危機を救う気持ちなんか微塵もないようだ。全部、購読している訳ではないので12月13日の1日比較で言っている事は、大胆過ぎる面もあるが・・・。それでも、比較して見えてくることを語る価値は大いにあると感じて書いている。
今、明治維新から日本が原爆投下で終戦を迎えるまで77年だった。そして、終戦から77年を迎えたのが、2022年と言われている。戦争の記憶をもつ人々が高齢化し、戦争体験を、特に加害者としての体験を語る人はほぼいない。でも、唯一の原爆被害者の人たちは、きな臭さを日本に感じて、核兵器廃絶の運動に大きな力を与え、ノーベル平和賞を”I CAN"として受賞。 高齢にもかかわらず、世界にも出て活動してきた。
昨日の東京新聞は、1面も凄かったが、2面の下の記事にも感動した。
「軍縮こそ現実的な安全保障」 川﨑哲さんのコメントを大きく掲載していた。
ちょっと読みにくいと思うが、12月13日の東京新聞朝刊です。このような、日本の将来を見据えてしっかり主張のできる新聞が1つでもあることを私は大切にしたいと思いました。
ロシアのことを悪と決めつける考え方もある。当然、他国への侵略は許されない。でも、ちょっと待った!ロシアは、77年前の日本だ!!! それを忘れてロシアを語ることはできない。だからこそ、平和の道を歩んできたはずの日本が、戦争への道を「抑止力」「防衛」という言葉で歩みはじめていいのか? 核兵器禁止条約にオブザーバー参加もしない日本。戦争を繰り返さないために、戦争放棄した日本が、世界の中でどのような道を生きるのか。
あなたの購読している新聞。何となく選んで読んでいて、ほんとうに大丈夫ですか? 過去の戦争で、戦争推進に組みして歩んだ新聞社。反省を込めて、戦争への道を2度と歩まないように、真っ当な報道をしていますか?
平和を愛している。人間が憎み合って闘って得るものは何もない。それを骨の髄まで理解していますか。
敵基地攻撃という先にも家庭があり、人々が生きている。ウクライナの戦場をみて、ロシアが悪というだけで済ませてはいけません。
今の日本の選択が、自分たちの増強する武器の先にウクライナのような戦場を作るものであり、自分たちの国土もそうした戦場になる危険な選択であることを、もしあなたが実感できないとしたら・・・歴史は繰り返します。
その問題をまっとうに考え、紙面を作っている熱い思いを私は東京新聞に感じました。あなたの読んでいる新聞には、その思いが十分ですか? 戦争に突き進んでしまった後になって、新聞を読んでいたけれど、気づかなかったというのは許されません。日本では、正しい情報が、まだ制限は中国や北朝鮮やロシアのようにはされていない。あなたは、考えて選ぶことができる日本に今いるのですから。
しっかり、考えて下さい。戦後77年の平和を日本が、どうやってこれからの世界の平和を考えていくのか。あなたが、どうやって平和に貢献していくのか。「抑止力」が必要?「防衛費増大」が必要? そうですか?
国民の生活なんて、大事なのは「国体」といい放った稲田元防衛大臣や、法を軽視した法務大臣たち。まともに、今の政府の人たちがやっていること、裏で話していることに目をやれば見えてくるはず(これについては、参照:過去の法務大臣一覧)
「他の党よりよさそうだから」「何となくずっと読んでいる新聞だから」「いつも見てきた番組だから」そんなことを言っている場合ではなく、政府はどんどん危険な方へ、危険な方へと動き出していますよ。今、止めなくて、どうするんですか?
まずは、正しく情報をつかんで下さい。