風がゴウゴウいっています。学童クラブの父兄のお迎えも今日は少し早いようです。支援員も帰り時間には、それぞれのスマホで天気予報をみています。ほかの方たちは車ですが、私は歩き。歩きは確実に現地につきますが、雪の中を歩かなくてはなりません。ああ、休めない・・・。
耳がちぎれるような冷たい風の吹く帰り道、着いたらまず温かいココアでも飲もう。最近、セーターの下にベストを着るといいことをお友達に教わりました。たしかに腕周りがきつくならず、温かいです。そうだ、あの人にも教えてあげよう。今日は向こうも雪模様なのだろうか・・・。優雅な主婦になりだしたら、そんな小さな思いが多くなりました。あの人は忙しいから、と伝えなかった一言を伝えるようになりました。
以前にも何回か書いた覚えのある向田邦子さんの「幸福」のなかにある一文。『素顔の幸福は、しみもあれば涙の痕もあります。思いがけない片隅に、不幸の中に転がっています。屑ダイヤより小さいそれに気づいて、掌にすくいあげることのできる人を幸福というのかもしれません』
あの人もひとり雪の中を車を走らせているのかもしれない。そんなことを思いやる、そのこころが、自分でも小さな幸せと思えるのです。そんな屑ダイヤを宝石箱(後の玉手箱)に集めて、二人で大事にしていけたらと思うのです。