■ストーリ
おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話が
ふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に
戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることの
できる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。
5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を
目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、
火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、
次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強く
たくましくなってゆく。
■感想 ☆☆☆*
物語は、主人公亘が幻界へ旅立つことを決意するまでの
現実世界での出来事を描く第一部とワタルが幻界で
運命を変えてくれる女神に出会うまでのたびを描く
第二部で構成されている。
約1000ページにわたる本の約2割が現実世界の
出来事に割り当てられ、亘が現実世界から逃げ出したいと
願った理由や運命を変えたいと思う気持ちが
丁寧に書かれている。
両親の離婚という子供にはどうしようもできない大人の事情。
大人でさえもどうしていいかわからない感情のもつれ。
そういった問題に直面した亘は
その問題に直面することも乗り越えることもできず
幻界を目指す。自分の運命を変えるため。
辛い現実をリセットするため。
第二部からはどっぷりとファンタジーの世界に
身をゆだねることができる。
幻界の入り口で道案内をするラウ導師。
優しさあふれるトカゲ男、キ・キーマ。
自分が大切にしているものを見失わないネコ娘、ミーナ。
女神に会うためには5つの宝玉を手に入れなければならず
ワタルはキ・キーマとミーナと共に旅を続ける。
設定はファンタジーの王道すぎて、少し戸惑うが
それでも読み始めると、この世界に引き込まれる。
現実世界で小学生だったワタルは
幻界に来てからも臆病で、どれが正しいことなのか
判断に迷ってばかりいる。
読みながらいらいらすることも多い。
「そうじゃなくって!」と思わずワタルに
こちらから助け舟を出したくなる場面も多い。
だが、ワタルは様々な人に会い、多くの困難を見て
徐々に成長していく。そして成長すると共に
幻界の問題にも気付き始める。
異世界は決してユートピアではないこと。
現実世界とまったく変わらない問題が渦巻いていること。
どこに逃げても同じなのだ。運命は変えられない。
変えるのではなく、変わらなければいけないのだろう
運命ではなく、自分が。
本当に辛いときは逃げてもいいと私は思う。
けれども、逃げて少し休んだら
どうせ、また戻って、問題と向き合わなければならない。
逃げても問題はなくならない。
そして、問題をひとつ乗り越えても
長い人生、また問題は勃発する。
そういう意味で、私たち自身も、
常に「勇敢」に人生に立ち向かい続けなければいけない
「ブレイブストーリー」の主人公なのだろう。
・・・・と、考えて少し恥ずかしくなった。
勇者の物語に毒されすぎかもしれない。
おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話が
ふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に
戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることの
できる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。
5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を
目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、
火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、
次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強く
たくましくなってゆく。
■感想 ☆☆☆*
物語は、主人公亘が幻界へ旅立つことを決意するまでの
現実世界での出来事を描く第一部とワタルが幻界で
運命を変えてくれる女神に出会うまでのたびを描く
第二部で構成されている。
約1000ページにわたる本の約2割が現実世界の
出来事に割り当てられ、亘が現実世界から逃げ出したいと
願った理由や運命を変えたいと思う気持ちが
丁寧に書かれている。
両親の離婚という子供にはどうしようもできない大人の事情。
大人でさえもどうしていいかわからない感情のもつれ。
そういった問題に直面した亘は
その問題に直面することも乗り越えることもできず
幻界を目指す。自分の運命を変えるため。
辛い現実をリセットするため。
第二部からはどっぷりとファンタジーの世界に
身をゆだねることができる。
幻界の入り口で道案内をするラウ導師。
優しさあふれるトカゲ男、キ・キーマ。
自分が大切にしているものを見失わないネコ娘、ミーナ。
女神に会うためには5つの宝玉を手に入れなければならず
ワタルはキ・キーマとミーナと共に旅を続ける。
設定はファンタジーの王道すぎて、少し戸惑うが
それでも読み始めると、この世界に引き込まれる。
現実世界で小学生だったワタルは
幻界に来てからも臆病で、どれが正しいことなのか
判断に迷ってばかりいる。
読みながらいらいらすることも多い。
「そうじゃなくって!」と思わずワタルに
こちらから助け舟を出したくなる場面も多い。
だが、ワタルは様々な人に会い、多くの困難を見て
徐々に成長していく。そして成長すると共に
幻界の問題にも気付き始める。
異世界は決してユートピアではないこと。
現実世界とまったく変わらない問題が渦巻いていること。
どこに逃げても同じなのだ。運命は変えられない。
変えるのではなく、変わらなければいけないのだろう
運命ではなく、自分が。
本当に辛いときは逃げてもいいと私は思う。
けれども、逃げて少し休んだら
どうせ、また戻って、問題と向き合わなければならない。
逃げても問題はなくならない。
そして、問題をひとつ乗り越えても
長い人生、また問題は勃発する。
そういう意味で、私たち自身も、
常に「勇敢」に人生に立ち向かい続けなければいけない
「ブレイブストーリー」の主人公なのだろう。
・・・・と、考えて少し恥ずかしくなった。
勇者の物語に毒されすぎかもしれない。