のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

臨場

2010年07月06日 23時06分50秒 | テレビ鑑賞
■臨場
■のりぞう的2010年度春クール2位
■水曜21時 テレビ朝日放送
■出演
 内野聖陽、高嶋政伸、松下由樹、渡辺大、平山浩行

■感想 ☆☆☆☆
 昼ドラ「娼婦と淑女」に翻弄されてしまった今クール。
 昼ドラなんて見ちゃうと、他のドラマを見る余裕がまったくないことに
 気がつきました。なんせ、昼ドラは毎日ですから。

 それでも見たドラマのひとつがこれです。
 とにかく、倉石がかっこよかった!
 前作が好評だったようで、満を持してのシリーズ化。
 シリーズ化の良いところは、偉大なるマンネリとなるところ、
 安心して見られるところ、そしてキャラクターがどんどん根付き
 深彫りされていくところです。「臨場」の倉石も、前作以上に
 活き活きと破天荒なキャラクターとして確立されていました。

 「毎回、同じパターンなのね。いい加減、みんなも倉石の言うことを
  信用して、一番に意見を聞けばいいのに。」
 とは母上の弁です。うん。気持ちは分かるかな。

 毎回、刑事さんたちの捜査は真相とは見当違いのところを右往左往し、
 倉石が「俺のとは違うなぁ。」と嘯く。部外者の勝手な発言に怒る刑事たち。
 「見立てが違っていたら、責任を取ってもらうからな。」と
 脅す上層部。でもって、そんな圧力をものともせずに、マイペースで
 真相に迫っていく倉石。

 ほぼすべての話がこんな感じ。でも、この流れだからこその「臨場」です。
 基本的に1話完結なので、ストレスなく見ることができて、なおかつ
 各話、しっかりとした構成で見ごたえがある。非常に贅沢なドラマでした。
 主人公のスタンスは若干「相棒」と似ていないこともないかもしれません。

 それにしても、内野さん。
 腕をまくりあげている姿が色っぽかったです。かっこいいなぁ・・・。
 次のシーズンも楽しみにしています。

娼婦と淑女

2010年07月06日 22時03分28秒 | テレビ鑑賞
■娼婦と淑女
■月曜~金曜13時半
■脚本:野依美幸
■出演
 安達祐実、鳥羽潤、石川伸一郎、木下あゆ美、岸博之
 久保山知洋、魏涼子、谷川清美、越智静香、野村宏伸、赤座美代子

■ストーリ
 身分の格差がまだ根強かった昭和12年。貧しい家庭に育った山田紅子は
 ある日盗みに入った別荘で自分と瓜二つの子爵令嬢・清瀬凛子と出会い、
 仲良くなる。しかし家督争いのさなか、凛子は毒死してしまう。
 紅子は凛子と兄妹同然に育てられた久我山真彦に、死んだ凛子の身代わりに
 なるべく自分を買ってほしいと願い出る。真彦は凛子を死に追いやった
 犯人に復讐するために、それを受け入れる。

 紅子は清瀬家で凛子として生きる中で、自身の出生の秘密を知る。真彦との
 禁断の愛。義理の弟、太一の策略。凛子殺害の容疑による紅子の逮捕、など
 怒涛の展開の第1部。第1部から4年後、刑務所を出所した紅子が山田家を
 切り捨てた清瀬家への復讐を果たす第2部。さらに6年後、麗華の息子、
 眞一のために娼婦となった麗華を連れ戻そうと紅子も娼婦となる。
 異母兄で娼館のオーナー、康助、死んだと聞かされた妹、藍子、死んだ
 はずの真彦と瓜二つで記憶を失くした青年、陽平などの出現により運命が
 大きく変わる第3部の全3部構成。

■感想 ☆☆
 いやー。安達さん主演ということで、うっかり見てしまった昼ドラ。
 本当にうっかり。安達さんが好き、というだけで見続けてしまった昼ドラです。
 初の東海テレビ系列の昼ドラ。真珠婦人で有名になったドロドロ愛憎系の
 昼ドラです。・・・濃いわー。

 でもですね。最初は面白かったんです。
 ワタクシ、安達さん大好きですけど、いくら俳優さんが好きだからといって
 面白くないと、やはり見続けられないのです。すっぱり諦めてしまうほう
 なのです。それが第1部はスピーディすぎる展開、怒涛の展開で
 まったくもって目が離せなくなってしまいました。
 「え?!え?!もう、そこまでいっちゃう?
  そんなに話、展開しちゃう??大丈夫?まだ話、始まったばかりよ?
  そんなに展開しちゃって、この後、どう話を続けるの?」
 とハラハラしながら見ておりました。

 はー!そうきましたかー!!
 と、話の展開にうっかり唸っていました。やるな、と感嘆しちゃいました。
 それにね、やはり安達さん。演技がうまいなー、とも思ったのです。
 なんだろう。啖呵の切り方とか、声の出し方とか好みでした。
 でもって、あの童顔にクラシカルな昭和初期のワンピースがとっても
 映えるんです。とっても似合ってました。思わず見とれました。何度も。

 と、そんなこんなで「東海テレビ」らしさを楽しんでいた第1部。
 それが第2部から、話が変な方向へ蛇行。蛇行に次ぐ蛇行。
 登場人物全員がいい人なんだか、悪い人なんだか、よく分からない。
 キャラクターが一致しない。「私が悪かった・・・」とはらはら涙を
 こぼすかと思えば、その3日後には「あんたのことだけは許さないからね!」
 と啖呵を切る始末。あれ?と肩透かしをくってばかりの展開です。
 でもって、お約束のように人がひとり死に、ふたり死に、三人死に。
 これまた怒涛の展開。
 でもでも、ここまでこじれきってしまった話に決着をつけるには
 こうするしかないだろうなー、と納得できる展開ではあったのです。
 ここまでは。

 それが第3部にもなると、もう何がしたいのやらちんぷんかんぷん。
 誰が何をしたいのか、誰が誰を好きなのか、どこかに誰かの幸せが
 あるのか、皆目検討がつかない展開となりました。検討がつかない
 どころか、出口が見えない。出口も見えなければ、光も見えない。
 この世の中、みんな悪い人、身勝手な人ばかり。そんなアンニュイな
 気持ちにさせてくれるドラマでした。
 ヒロイン紅子は、一番、共感させてくれてもよさそうなのに
 あの人にふらふら、この人にふらふら、そっちの人にふらふら、と
 弱っているときに傍にいる人についつい心を許してしまうという
 ある意味、非常にリアリティのある役柄で、見ていてイライラ・・・。

 けれど、登場人物全員が壊れていて、壊れきっていて、コメディと
 割り切って見るならば、非常に面白いドラマでした。
 コメディにしか見えないドラマでした。
 なんせ妹が姉を罵倒する台詞が「このトカゲオンナ!」でしたし。
 牧師が半裸で地団太を踏んでましたし。お約束のように紐で
 縛られて「あなたは私の犬なのよ。私がご主人様なのよ。」
 などと奥様に言われてましたし。
 もう何がなんだか・・・・。思わず声出して笑ってしまいました。

 最終回。
 ラジオから流れる覆面歌手の歌を聴きながら
 「なんでだろうねぇ。この唄を聴くと、懐かしい気持ちになるんだよ。
  紅子さんを思い出すねぇ。」
 と言い合う登場人物たち。

 ・・・「なんでだろうねぇ」って、その声が紅子さんの声だからだよ!
 あんなに親しかったんだから、紅子さんの声にぐらい気付いてあげて!
 またもや笑っちゃったよ。最後の最後まで大笑いだよ!
 楽しませてもらいました。

 あぁ。めっちゃ濃厚なドラマだったけど、濃厚すぎて、
 見ていない人にこのドラマの独特の空気感は伝わらないと思う。
 でも、見てよかったかと言われると・・・うーん。
 東海テレビ系列のドラマはワタクシ、肌に合わないな、としみじみ思いました。
 といいつつ、結局のところは目いっぱい楽しんだわけですが。