65.RPG/宮部みゆき
■ストーリ
住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。その疑似家族が殺人に関わっているのか?虚実が交錯し、見えてきたものは・・・。
■感想 ☆☆☆
本棚を整理しなきゃ!と思い立ち、背表紙を眺め直して発見した本書。久々に読み返して、で、読み終えたら古本屋に売り飛ばすぞー!と心に決めてから読み返し。そっと本棚に戻しました。初めて読んだときよりも、今の方が胸に迫る内容でした。
なんで、今の社会はこうも「さびしさ」を抱えてる人が多いのかな。とやりきれない気持ちになりました。
66.さいごの冒険~ミス・ビアンカシリーズ7~/マージェリー・シャープ
■ストーリ
大使館での結婚式の前夜、花嫁の妹スーザンが姿を消してしまいました。捜索に加わったミス・ビアンカとバーナードは、大使館の地下室で意外な事件にまきこまれます。はたして彼らは式までにスーザンの行方をつきとめられるのでしょうか。
■感想 ☆☆☆
とうとうミス・ビアンカともお別れです。ビアンカは最後の最後まで優雅で雄々しく勇敢でした。そして、バーナードは愚直なまでにバーナードでした。ビアンカを思い続けるバーナードにわかりやすいハッピーエンドが訪れることを願ってやまないけれど、このふたり(二匹?)にとっては、こういう終わり方がベストなんだろうな、と納得しました。
67.からくりからくさ/梨木果歩
■ストーリ
祖母が遺した古い家に女が四人。私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどもたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
■感想 ☆☆☆
「お人形」をついつい擬人化してしまう私にとっては、実に衝撃的なクライマックスでした。切ないにも程があるし、まさかあの「りかさん」とこんなふうにお別れすることになろうとは。とショックが大きすぎて、思わず読み終えた後に呆然としてしまいました。
個性がありすぎるくらいある与希子、紀久、マーガレットの三人を見ていると、ヒロインであるはずの蓉子が一番淡泊だったなぁと思いました。彼女の穏やかさがこの作品を流れる張りつめた糸のような雰囲気をそっと優しく包み込んでくれていました。私のあこがれの女性像はまさに蓉子で、ずっとこんな女性になりたいと思ってたはずなんだけどな。なんでこんなに猛々しくなっちゃったかな。
68.原節子~あるがままに生きて~
■内容
経済的な事情から女学校を中退した原節子は、十四歳で女優の道を歩きはじめた。野心満々とは正反対だったが、やがて映画の魅力に憑かれ、『東京物語』など名匠の作品に出演する大女優になる。彼女が新聞・雑誌に残した言葉から、引退までの半生をたどる。デビューのいきさつ、黒澤明に怒鳴られ、大根女優と叩かれ落ち込む繊細さ、終戦直後にモンペ姿で一人で買出しに出かけるたくましさ、煙草やお酒、麻雀が好きという意外な一面など、「永遠の処女」の知られざる素顔に迫る。
■感想 ☆☆☆*
なんとなく「原節子」という女優に対して「奥ゆかしさ」とか「芯の強さ」とか古き良き時代の女性像の印象を抱いていましたが、実際には実に男らしいさばさばとした方だったのだな、と驚きました。そして、昭和の映画スターはスケールが違うな、と心の底から思いました。いろいろなエピソードが詰め込まれていたけれど、どれも「スター」のキラキラ感漂うエピソード。原節子の出演する映画を見たい、と思わせてくれる本でした。
69.きとこわ/朝吹真理子
■ストーリ
永遠子は夢をみる。貴子は夢をみない。葉山の高台にある別荘で、幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。ある夏、突然断ち切られたふたりの親密な時間が、25年後、別荘の解体を前にして、ふたたび流れはじめる。第144回芥川賞受賞。
■感想 ☆☆
・・・ごめんなさい。と思いました。
しょせん、私ごとき脳みそでは理解できないのですよ。純文学なんて。と思いました。強く。
文章がさらさらと流れていってしまい、私はその醍醐味をつかみ取ることができませんでした。残念です。とても残念。
なんとなくフレンチ女子を思い出させる空気感でした。おしゃれなカフェで臆することなくひとりの時間を楽しめちゃうようなこじゃれたジョシ。そんな空気感漂う小説でした。
70.わたしの出会った子供たち/灰谷健次郎
■内容
17年間の教師生活を通じて知った子供たちの優しさ、個性の豊かさ。どんな時も自分を支え、育んでくれた子供たちの持つ可能性の大きさと、人間への熱い思い。そして限りない感動に満ちた灰谷文学の原点。
■感想 ☆☆☆
「先生」をしている友人が多いので、実に興味深い内容の本となりました。時代は学校生活に、そして教育に、大きな影響を与えるんだな、と思いました。
71.あやし/宮部みゆき
■ストーリ
14歳の銀次は木綿問屋の「大黒屋」に奉公にあがる。やがて店の跡取り藤一郎に縁談が起こるが、なんと女中のおはるのお腹に藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは、二度と藤一郎に近づかないようにと店を出される。しばらくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ遣いを頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは・・・。(「居眠り心中」)
どうしたんだよ。震えてるじゃねえか。悪い夢でも見たのかい・・・。月夜の晩の本当に恐い恐い江戸ふしぎ噺。
■感想 ☆☆☆☆
久々に読み返した作品。面白かったー!宮部さんはどのジャンルの小説も見事なまでに面白いけれど、やはり私は時代小説が一番好きだな、と再確認。
72.こいしり/畠中恵
■ストーリ
「あのね、この子猫達、化けるんですって」お気楽跡取り息子・麻之助に託された三匹の子猫。巷に流れる化け猫の噂は、じつは怪しい江戸の錬金術へとつながっていた!?町名主名代ぶりも板につき、絶妙の玄関捌きがいっそう冴えながらも、淡い想いの行方は皆目見当つきかねる麻之助。悪友3人組が魅力満点の神田町名主・裁定帖第2弾。
■感想 ☆☆☆
「まんまこと」の続編。第一弾の「まんまこと」だって、十分に切ない恋の行方だったのに、第二弾では、ますます切なさ増量。「どうにもならないこと」だってあるんだな、と思いました。
73.魔女と暮らせば/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
両親をなくしたグウェンドリンとキャットの姉弟は、近所の魔術師たちの世話になって暮らしていた。グウェンドリンは将来有望な魔女で、自分でもそのことに自信を持っていたし、キャットはそんな姉に頼りきっていた。しかし、大魔法使いクレストマンシーの城にひきとられたふたりは、「魔法を使ってはいけない」と言われ、そんな暮らしにがまんできなくなったグウェンドリンは、魔法でさまざまないやがらせをしたあげく、ある日姿を消してしまう。やがて、グウェンドリンの野望の大きさと、キャットにしてきたひどい仕打ちが明らかになる事件が発生する。
74.キャットと魔法の卵/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
次代のクレストマンシーとして城で教育を受けているキャット少年は、ある日、近くの村に住むマリアンという少女と知りあった。マリアンの一族は代々続く魔女の家系で、一族の長であるマリアンの祖母は最近、近隣の別の一族と対立しているらしい。キャットは、マリアンの祖母の屋根裏に長年置かれていた卵を譲ってもらうが、その卵から現れたのは思いがけない生き物だった。
75.魔法使いは誰だ?/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
このクラスには魔女がいる。謎のメモに寄宿学校は大騒ぎ。魔法は厳しく禁じられ、見つかれば火あぶりなのに!続いて、様々な魔法が学校を襲い、魔法使いだと疑われた少女ナンたちは、古くから伝わる、助けを呼ぶ呪文を唱えた。「クレストマンシー!」すると現れたのは、とてもおしゃれな大魔法使いだった。
76.トニーノと魔法の歌/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
魔法の呪文作りで名高い二つの家が反目しあうイタリアの小国カプローナ。両家の魔法の力がなぜか弱まり、カプローナは他国に侵略されそうな危機に瀕す。大魔法使いクレストマンシーは両家の大人たちに「危機は邪悪な大魔法使いのせいだ。」と忠告するが、彼らは聞く耳を持たない。そんなとき、両家の子どもたちトニーノとアンジェリカが、「呼び出しの魔法」に惑わされて行方不明になる。
77.魔法の館にやとわれて/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
山麓の町に暮らす十二歳の少年コンラッドは、魔術師である叔父から「高地の貴族の館にいる人物を倒さないかぎり、おまえの命は長くない」と言われ、魔法の渦巻く館に従僕として奉公に行く。同じ日に従僕としてやとわれた、少し年上の少年クリストファーも、やはり別の目的を持って館に来ていた。きらびやかな館の中でともに苦労しながら働くうちに、実はクリストファーは、別世界からやってきた強大な魔法使いだということがわかるが・・・。
78.魔法がいっぱい/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
クレストマンシー城に、変わった魔法の力を持つイタリア人の男の子、トニーノがやってきた。今まで城じゅうでいちばん年下で、みんなに面倒をみてもらっていたキャットは、自分より年下のトニーノが気に食わない。でも、元・クレストマンシーのゲイブリエル老人を訪ねた帰り、悪の大魔法使いにさらわれて、記憶を奪われてしまった二人は・・・?「魔女と暮らせば」の主人公キャットと、「トニーノの歌う魔法」の主人公トニーノが、力を合わせてがんばる「キャットとトニーノと魂泥棒」ほか、大魔法使いクレストマンシーをめぐる四つの短い短編。
■感想 ☆☆☆☆*
面白かったー!!どれも大魔法使い「クレストマンシー」シリーズの作品。単独でも十分に楽しめる作品でした。
79.ツナグ/辻村深月
■感想 ☆☆☆☆
直木賞作家、辻村さんの作品を読み返しました。実に久々。この秋、映画化される作品です。主人公の祖母を樹希キリンさんが演じられるそうです。ぜひ見たい。
人生に一度だけ、死者と連絡を取り合える「ツナグ」という制度。その制度を利用する人たちと、その制度の管理人のような役回りを担当している高校生をめぐるお話。死者との最後の「ほんのひととき」はどれもこれもすごく切ないものでした。
■ストーリ
住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていた。その疑似家族が殺人に関わっているのか?虚実が交錯し、見えてきたものは・・・。
■感想 ☆☆☆
本棚を整理しなきゃ!と思い立ち、背表紙を眺め直して発見した本書。久々に読み返して、で、読み終えたら古本屋に売り飛ばすぞー!と心に決めてから読み返し。そっと本棚に戻しました。初めて読んだときよりも、今の方が胸に迫る内容でした。
なんで、今の社会はこうも「さびしさ」を抱えてる人が多いのかな。とやりきれない気持ちになりました。
66.さいごの冒険~ミス・ビアンカシリーズ7~/マージェリー・シャープ
■ストーリ
大使館での結婚式の前夜、花嫁の妹スーザンが姿を消してしまいました。捜索に加わったミス・ビアンカとバーナードは、大使館の地下室で意外な事件にまきこまれます。はたして彼らは式までにスーザンの行方をつきとめられるのでしょうか。
■感想 ☆☆☆
とうとうミス・ビアンカともお別れです。ビアンカは最後の最後まで優雅で雄々しく勇敢でした。そして、バーナードは愚直なまでにバーナードでした。ビアンカを思い続けるバーナードにわかりやすいハッピーエンドが訪れることを願ってやまないけれど、このふたり(二匹?)にとっては、こういう終わり方がベストなんだろうな、と納得しました。
67.からくりからくさ/梨木果歩
■ストーリ
祖母が遺した古い家に女が四人。私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどもたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。
■感想 ☆☆☆
「お人形」をついつい擬人化してしまう私にとっては、実に衝撃的なクライマックスでした。切ないにも程があるし、まさかあの「りかさん」とこんなふうにお別れすることになろうとは。とショックが大きすぎて、思わず読み終えた後に呆然としてしまいました。
個性がありすぎるくらいある与希子、紀久、マーガレットの三人を見ていると、ヒロインであるはずの蓉子が一番淡泊だったなぁと思いました。彼女の穏やかさがこの作品を流れる張りつめた糸のような雰囲気をそっと優しく包み込んでくれていました。私のあこがれの女性像はまさに蓉子で、ずっとこんな女性になりたいと思ってたはずなんだけどな。なんでこんなに猛々しくなっちゃったかな。
68.原節子~あるがままに生きて~
■内容
経済的な事情から女学校を中退した原節子は、十四歳で女優の道を歩きはじめた。野心満々とは正反対だったが、やがて映画の魅力に憑かれ、『東京物語』など名匠の作品に出演する大女優になる。彼女が新聞・雑誌に残した言葉から、引退までの半生をたどる。デビューのいきさつ、黒澤明に怒鳴られ、大根女優と叩かれ落ち込む繊細さ、終戦直後にモンペ姿で一人で買出しに出かけるたくましさ、煙草やお酒、麻雀が好きという意外な一面など、「永遠の処女」の知られざる素顔に迫る。
■感想 ☆☆☆*
なんとなく「原節子」という女優に対して「奥ゆかしさ」とか「芯の強さ」とか古き良き時代の女性像の印象を抱いていましたが、実際には実に男らしいさばさばとした方だったのだな、と驚きました。そして、昭和の映画スターはスケールが違うな、と心の底から思いました。いろいろなエピソードが詰め込まれていたけれど、どれも「スター」のキラキラ感漂うエピソード。原節子の出演する映画を見たい、と思わせてくれる本でした。
69.きとこわ/朝吹真理子
■ストーリ
永遠子は夢をみる。貴子は夢をみない。葉山の高台にある別荘で、幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。ある夏、突然断ち切られたふたりの親密な時間が、25年後、別荘の解体を前にして、ふたたび流れはじめる。第144回芥川賞受賞。
■感想 ☆☆
・・・ごめんなさい。と思いました。
しょせん、私ごとき脳みそでは理解できないのですよ。純文学なんて。と思いました。強く。
文章がさらさらと流れていってしまい、私はその醍醐味をつかみ取ることができませんでした。残念です。とても残念。
なんとなくフレンチ女子を思い出させる空気感でした。おしゃれなカフェで臆することなくひとりの時間を楽しめちゃうようなこじゃれたジョシ。そんな空気感漂う小説でした。
70.わたしの出会った子供たち/灰谷健次郎
■内容
17年間の教師生活を通じて知った子供たちの優しさ、個性の豊かさ。どんな時も自分を支え、育んでくれた子供たちの持つ可能性の大きさと、人間への熱い思い。そして限りない感動に満ちた灰谷文学の原点。
■感想 ☆☆☆
「先生」をしている友人が多いので、実に興味深い内容の本となりました。時代は学校生活に、そして教育に、大きな影響を与えるんだな、と思いました。
71.あやし/宮部みゆき
■ストーリ
14歳の銀次は木綿問屋の「大黒屋」に奉公にあがる。やがて店の跡取り藤一郎に縁談が起こるが、なんと女中のおはるのお腹に藤一郎との子供がいることが判明する。おはるは、二度と藤一郎に近づかないようにと店を出される。しばらくして、銀次は藤一郎からおはるのところへ遣いを頼まれるのだが、おはるがいるはずの家で銀次が見たものは・・・。(「居眠り心中」)
どうしたんだよ。震えてるじゃねえか。悪い夢でも見たのかい・・・。月夜の晩の本当に恐い恐い江戸ふしぎ噺。
■感想 ☆☆☆☆
久々に読み返した作品。面白かったー!宮部さんはどのジャンルの小説も見事なまでに面白いけれど、やはり私は時代小説が一番好きだな、と再確認。
72.こいしり/畠中恵
■ストーリ
「あのね、この子猫達、化けるんですって」お気楽跡取り息子・麻之助に託された三匹の子猫。巷に流れる化け猫の噂は、じつは怪しい江戸の錬金術へとつながっていた!?町名主名代ぶりも板につき、絶妙の玄関捌きがいっそう冴えながらも、淡い想いの行方は皆目見当つきかねる麻之助。悪友3人組が魅力満点の神田町名主・裁定帖第2弾。
■感想 ☆☆☆
「まんまこと」の続編。第一弾の「まんまこと」だって、十分に切ない恋の行方だったのに、第二弾では、ますます切なさ増量。「どうにもならないこと」だってあるんだな、と思いました。
73.魔女と暮らせば/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
両親をなくしたグウェンドリンとキャットの姉弟は、近所の魔術師たちの世話になって暮らしていた。グウェンドリンは将来有望な魔女で、自分でもそのことに自信を持っていたし、キャットはそんな姉に頼りきっていた。しかし、大魔法使いクレストマンシーの城にひきとられたふたりは、「魔法を使ってはいけない」と言われ、そんな暮らしにがまんできなくなったグウェンドリンは、魔法でさまざまないやがらせをしたあげく、ある日姿を消してしまう。やがて、グウェンドリンの野望の大きさと、キャットにしてきたひどい仕打ちが明らかになる事件が発生する。
74.キャットと魔法の卵/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
次代のクレストマンシーとして城で教育を受けているキャット少年は、ある日、近くの村に住むマリアンという少女と知りあった。マリアンの一族は代々続く魔女の家系で、一族の長であるマリアンの祖母は最近、近隣の別の一族と対立しているらしい。キャットは、マリアンの祖母の屋根裏に長年置かれていた卵を譲ってもらうが、その卵から現れたのは思いがけない生き物だった。
75.魔法使いは誰だ?/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
このクラスには魔女がいる。謎のメモに寄宿学校は大騒ぎ。魔法は厳しく禁じられ、見つかれば火あぶりなのに!続いて、様々な魔法が学校を襲い、魔法使いだと疑われた少女ナンたちは、古くから伝わる、助けを呼ぶ呪文を唱えた。「クレストマンシー!」すると現れたのは、とてもおしゃれな大魔法使いだった。
76.トニーノと魔法の歌/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
魔法の呪文作りで名高い二つの家が反目しあうイタリアの小国カプローナ。両家の魔法の力がなぜか弱まり、カプローナは他国に侵略されそうな危機に瀕す。大魔法使いクレストマンシーは両家の大人たちに「危機は邪悪な大魔法使いのせいだ。」と忠告するが、彼らは聞く耳を持たない。そんなとき、両家の子どもたちトニーノとアンジェリカが、「呼び出しの魔法」に惑わされて行方不明になる。
77.魔法の館にやとわれて/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
山麓の町に暮らす十二歳の少年コンラッドは、魔術師である叔父から「高地の貴族の館にいる人物を倒さないかぎり、おまえの命は長くない」と言われ、魔法の渦巻く館に従僕として奉公に行く。同じ日に従僕としてやとわれた、少し年上の少年クリストファーも、やはり別の目的を持って館に来ていた。きらびやかな館の中でともに苦労しながら働くうちに、実はクリストファーは、別世界からやってきた強大な魔法使いだということがわかるが・・・。
78.魔法がいっぱい/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
■ストーリ
クレストマンシー城に、変わった魔法の力を持つイタリア人の男の子、トニーノがやってきた。今まで城じゅうでいちばん年下で、みんなに面倒をみてもらっていたキャットは、自分より年下のトニーノが気に食わない。でも、元・クレストマンシーのゲイブリエル老人を訪ねた帰り、悪の大魔法使いにさらわれて、記憶を奪われてしまった二人は・・・?「魔女と暮らせば」の主人公キャットと、「トニーノの歌う魔法」の主人公トニーノが、力を合わせてがんばる「キャットとトニーノと魂泥棒」ほか、大魔法使いクレストマンシーをめぐる四つの短い短編。
■感想 ☆☆☆☆*
面白かったー!!どれも大魔法使い「クレストマンシー」シリーズの作品。単独でも十分に楽しめる作品でした。
79.ツナグ/辻村深月
■感想 ☆☆☆☆
直木賞作家、辻村さんの作品を読み返しました。実に久々。この秋、映画化される作品です。主人公の祖母を樹希キリンさんが演じられるそうです。ぜひ見たい。
人生に一度だけ、死者と連絡を取り合える「ツナグ」という制度。その制度を利用する人たちと、その制度の管理人のような役回りを担当している高校生をめぐるお話。死者との最後の「ほんのひととき」はどれもこれもすごく切ないものでした。