■アンストッパブル/2010年米国
■監督:トニー・スコット
■出演
デンゼル・ワシントン、クリス・パイン、ロザリオ・ドーソン、ケヴィン・ダン、リュー・テンプル、デヴィッド・ウォーショフスキー
■ストーリ
2001年5月にオハイオ州で発生したCSX8888号暴走事故をもとに制作された映画。
ペンシルベニア州にある操車場で、最新鋭のディーゼル機関車「777号(トリプルセブン)」の牽引による貨物列車が操作ミスによって無人のまま、猛スピードで暴走を始めた。列車には19万リットルのディーゼル燃料、発火性の強い有毒化学物質が大量に積載されていることも判明する。このまま暴走を続ければスタントン郊外の急カーブで脱線し、搭載している可燃物によって大惨事になることは避けられない。
旧式機関車1206号で貨物輸送の勤務中だったベテラン機関士フランクと新米車掌ウィルは777号の状況を知り、追跡を始める。
■感想 ☆☆☆☆
これまた、普段だったらまったく選択肢に入らなかったであろう映画です。嫌いでも苦手でもないけれど、強いて見ようとはしないジャンルで、誰かと映画を見ると、こういう出会いがあるんだなぁ、としみじみ思いました。面白かった!息詰まる展開の中、登場人物ひとりひとりが自分たちの役割をそれぞれの場所で全うしていて、見終わった後、清々しい気持ちになりました。
デンゼル・ワシントンがとにかくかっこいい。年を重ねて、たたずまいや表情がますます素敵になっていく俳優さんだなぁ、としみじみ眺めてました。そして、ロザリオ・ドーソンが責任感強く、決断力あふれる女性をかっこよく演じてました。素早い決断力も、上司への忌憚ない意見の述べ方も、どれもこれも非常にかっこよかった!なおかつ、同僚へは温かみのある気さくな態度で接していて、こんな女性と一緒に働きたい、と強く思いました。
でも、実は登場人物でもっとも好きだったのは、普段はちゃらちゃらしているものの、事故について報告を受けた瞬間、自家用車で貨物列車を追跡し始めた溶接工、ネッドです。マッドサイエンティストみたいな風貌、軽薄な口調と誠実、真摯な仕事への姿勢のギャップが大きくて胸がときめきました。
機関車の暴走シーンの迫力がすばらしく、これは映画館で見たら更にこの映画の中の世界に呑みこまれたんだろうなぁ、とちょっぴり残念な気持ちに。テレビだとどうしても宣伝が入るため、高まる緊張が途中でぷつんと切れてしまうのです。もっとも、心臓がずっとドキドキしっぱなしだったので、定期的に心臓を休められることができてよかった、と言えないこともありません。
映画開始時、「この映画は実際に起こった事故を基にしている」というクレジットが表示されていたため、一体、どこまでが実話なのかしら?と気になり、いつも非常に頼りにしているうぃきぺでぃあ大先生に尋ねたところ、貨物列車に発火性の強い化学物質が搭載されていたところとか、危険地帯に入る前に脱線させて被害を縮小させようとしたものの、失敗したところとか、ほぼほぼすべて実話通りで、びっくりしました。すごい・・・。