太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

「行ってもいい」って

2022-11-05 12:15:30 | 英語とか日本語の話
Vitamin Shoppe(バイタミンショップ)は、サプリメントの専門店で、
島内にいくつか店がある。
私はサプリメントを習慣にできないタチなのだが、夫はさすがにアメリカ人だけあって、何種類ものサプリメントを摂取している。
それで定期的にその店に行くのだけれど、なぜかこの店の棚には英語とともに日本語が表示されている。

今日、久々に夫についてその店に行ったら、こんなものを発見。



行ってもいい

いや、これはあきらかに変でしょう。

Good to go を直訳したらそうなるけど、日本語として意味がわからん。
どう訳すのがベストなのかと言われたら、うーん・・・・・困る。
ここに並んでいるのは、プロテイン強化した飲み物とかで、よりよく活動できるとか、そういう意味。

以前、ファーマーズマーケットの中の店の試食コーナーに

自分を助けてください
(英語でご自由にどうぞ、は Help yourself)

と日本語で書いてあったときの衝撃には及ばないけども。

翻訳機能を使ったのだろうが、あれは信用できない。
確認できるネイティブスピーカーがいないときは、無理して他言語を使うべきじゃないなと思う。
私も職場でサインを作る時、迷うことがたくさんあって同僚に聞くが、
あるとき同僚が、
「ねえ、Glassの複数形ってGlassesで合ってる?」
と私に聞いた。
「なんで私に聞く」
「だよねぇ」
「合ってると思うけどね」
まあ私だって、読めるけど書けない漢字はたくさんあるのだから責められはしない。







教科書にない英語 ガレ・ゲレ

2022-10-31 13:32:21 | 英語とか日本語の話
当然だが、毎日毎日が英語漬け。
夫と結婚したとき、夫に言われた「アーユー シュア?」の意味がわからず、適当にごまかしておき、電話を切ったあとで辞書で調べていたような程度の英語力。
だからといって、試験はいつも一夜漬け、「こつこつ」という単語が人生に欠けている私が、その後真面目に英語を勉強するはずもない。
弁解すると、やる気だけはあった。単語本もフレーズ集も文法本も何冊も買った。
それらをマスターしていたら、ああ、どんなにかすばらしいであろうか。


そんな私の英語処世術は、自然と「聞いた英語を真似る」のがメインになる。
教科書にあるフレーズなんて、とうてい私には覚えきれないし、話し言葉にするとちょっと不自然になる表現が多いのも確か。
というのは半分勉強をしない言い訳でもある・・・・


日常で、とっても便利なのが、ガレとゲレ。
ガレ=Got it  ゲレ=Get it
長い説明をするより、例文を出してみよう。

出かけようとしたら、車の鍵がない。私を外で待たせて、夫が家の中を探している。
私「Got it? ガレ?(あった?)」
夫「No,」
しばらくして、
夫「I got it! アイガレッ(あった、あった)」


職場で、空の段ボール箱を潰して、捨てに行こうとしたら同僚が通りかかった。
同僚「I got it(私が持ってくよ)」
私「Thanks」


歩いていたら突風で誰かの帽子が飛ばされた。追いかけていって帽子を確保。
私「I got it!!(取った、取った!)」



買い物に行ったら、すてきな服を見つけた。
私「これいいねえ」
夫「いいじゃん、get it ゲレ(買いなよ)」


職場で、倉庫から せせらぎ(ゴのつく虫ね) が出て来て、同僚が追いかける。
他の同僚「Get it them! ゲラム (取っちゃえー)」




要するに、一つの表現でいくつもの意味に使える便利もの。
耳で覚えるので、ガレがGot it で、ゲレがGet it だとわかったのは後になってから。
図々しくよくやってるよな、と自分でも思う。
完璧だった日本語の単語も怪しくなってきて、宮尾登美子さんの小説は漢字が難しくて飛ばして読む箇所が多い。
それでも漢字を調べるでもなく、英語力を伸ばそうとするでもない私は、よほどの大物なのか、楽観的なのか、ただの怠け者なのか。




サーベイ

2022-10-21 15:35:59 | 英語とか日本語の話
なにかと怪しい電話が多くなり、心当たりのない番号からの電話は、用事があればボイスメールに入れるだろうから、基本的には取らないようにしている。
それなのに、うっかり取ってしまったら、保険会社のサーベイだった。
サーベイというのは、ランダムに選んだ人にさまざまな質問をして情報を集め、カスタマーサービスの向上や、ビジネスに活かす、いわゆるアンケートだ。
時間がないからといって断ればよかったのだが、数分で済むというので、つい受けてしまった。

家族構成や出身地、既往症や現在の健康状態など、名前を特定しないだけで、かなりの質問が次々出てくる。
その女性のキンキンした声が聞き取りにくいのと、電話に雑音が入るのと、受話器を通した英語に私の耳が慣れていないのとで、何度も聞き返さねばならないこともあって、
なんだか次第にその人が気の毒になってきた。
たまたま選んだ番号が、よりによって私だったとはスミマセンというしかない。
病名の専門用語がいくつも入った質問はお手上げで、そこで私は言ってみた。

「あのー、申し訳ないんで、もう切り上げて、次の人に電話してみたらどうでしょう?」

すると女性は気丈に言うのだ。

「いえ、これが私の仕事ですから大丈夫ですよ」

「でもねぇ、私の知らない単語を10回言ってもらっても、わかりようがないのよ。他の表現でもって説明してくれればわかることもあるかもしれないけど」

英語を母国語としない人と接し慣れていない人は、聞き返されたとき、同じことをひたすら繰り返すだけのことが多い。

たとえば、以前、保険会社に電話したとき、「ペイ スタブはあるか?」と聞かれたのだが、ペイ スタブという単語は聞いたこともなかったので、聞き返したら、
九官鳥のように、「ペイ スタブはあるか?」と繰り返すだけで、埒が明かない。
結局、連想ゲームの果て、ペイ スタブとは給与明細で、受取金額だけでなくて明細もついているか、という意味だということがわかったのだけれど、
ペイ スタブを知らないなら、ほかの言い回しで説明しよう、という発想にどうしてならないのか。
(自分の語彙力のお粗末さは棚の1番上)


そのサーベイは、数分どころか20分ぐらいかかった。
ものすごい疲れた。
担当の女性は、もっと疲れただろうけど。
もう知らない番号は取らない。
うっかり取ったのがサーベイだったら、双方の平和のために丁重にお断りしよう、と思う。





キッチンペーパー

2022-10-06 07:57:37 | 英語とか日本語の話
ロール状になった、紙ナフキンのようなもの。
日本に住んでいたとき、これは「キッチンペーパー」だった。
家族も友人も、みんなそう呼んでいたと思う。
試しに検索をかけてみたら、

ほらね、こんなにはっきり書いてあるから、静岡弁ではなく全国区で通用するということだ。

キッチンでよく使うからキッチンペーパーで明快、それはアメリカでも同じだと思っていたのだが、違った。

職場では、とてもよくこれを使う。
5,6年前になるが、同僚に、
「キッチンペーパー、取って」
と言ったら、ポカン顔をされた。
「今、なんて?」
「キッチンペーパーだってば。ほら、そこにあるやつ」
「キッチン、What?」
「ンもう!自分でとるからいいワ」
それを手にした私に、同僚は言った。

「ああ、ペーパータオルのこと?」

紙のタオルだから、ペーパータオル。
なるほど、言われてみればこちらも明快。

「ところで、さっき何て言った?」

「日本じゃキッチンペーパー、って言うのさ」

「へえー、不思議ー、英語なのに英語じゃない」

確かに。
半年ほどかけて、私はようやくキッチンペーパーと言わなくなった。



我が家にはティッシュペーパーがなく、代わりにペーパータオルである。
以前はティッシュペーパーを使っていたのだが、鼻をかむと細かい繊維の屑が出るし、強度も頼りない。
こぼしたものを拭く、ササっと掃除をする、食事の時に口や手を拭く、そういうときにはペーパータオルのほうが断然いい。
屋根裏には、出番のなくなったティッシュペーパーの箱がいくつもある。
腐るものではないけど、どうしたものやら・・・


英語だと思っていて、そうじゃなかったという言葉はけっこうある。
たとえば車のフロントガラス。
これも通じない。英語ではウィンドシールドという。

しかし、同じ英語でも、地域によって使う言葉が違ったりすることもよくある。
昨日、職場にかかってきた電話をとったら、
「Do you have interesting?」
何にインタレスティングなのかわからん。
何度も聞く。
「Interesting??」
「Yes」
ますますわからん。
近くにいた同僚に、
「What is interesting?」
同僚も、 interesting、 interesting・・と言いながら、

「あ!!Entrance?????」

「ああ!Entrance Fee????」

私が知っている単語は、Admission。
美術館などに入るのに払うお金のこと。
エントランス フィーもわかるけど、あまりここでは使わないので思い浮かばない。
それを早口で言うものだから、私にはインタレスティングに聞こえてしまうというわけ。
「ま、そう聞こえても仕方ないって、落ち込むなー」
同僚に慰められた。
英語は難しい。電話はもっと難しい。







故障中、と書きたかった

2022-09-23 10:17:52 | 英語とか日本語の話
職場の男子トイレの個室のひとつが壊れた。
すぐには修理というわけにもいかないので、

『Out of order ~Mahalo~』

と紙に書いてドアに貼った。

ようやく最近、ぽつぽつと姿を見るようになった日本からのお客様の中には、
意味を理解できなくてドアを開けてしまう方もいる。
そこで、英語の下に日本語で書いておくことにした。
こんなときこそ私の出番、朝飯前よ。

故障中、と書けばいいよね。

しかし、故障と書いたあとで、手が止まった。
コショウのショウは、こんな字だったか?

障 の字をじっくり眺めていたら、突然ゲシュタルト崩壊が起きた。


コザトヘンは合ってると思うけど、章って、こういう字だった?
そもそも、この組み合わせで合ってる?
眺めれば眺めるほど、確信がもてなくなってくる。

漢字を書く時、勢いで書けばいいものを、ゆっくり書いていると崩壊が起こる。
日本語を書かなくなった今、それは以前よりも簡単に起こる。
読むと書くでは大違い。

同僚が早速見つけた。

「日本語で書いたの?すごい!私には記号にしか見えないけど、こんなのが書けるなんていいねえ」

いやなに、それほどでも。
こっそり携帯電話で故障中の字を確認したとは誰にも言えまいよ・・・・