太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

けものの気配

2023-03-31 07:41:32 | 日記
帰宅後、キッチンで料理をしていたら、何かの気配を感じた。
誰かがこっちを見ている・・・
ふと目の前の窓の外を見たら、イノシシ🐗がこちらを見ていた。
それも、まるまる太った巨大なやつ。
1月にイノシシの兄弟を見たけれど、あんなの小物だ。


あの兄弟の親か。
それとも、あの兄弟がここまで育った?
とにかく、突然のことで呆然としたまま、その巨大なイノシシとしばらく見つめあって、ようやく我に返って

「シュー!!!!」

と言ったらジャングルに去っていった。

この「シュー!!」は日本語だと「シッシッ」なのだが、なぜかここでは「シッシッ」と言うより「シュー!」のほうが通じる。
イノシシも英語圏イノシシなんだろうか。
家の中にいたからよかったようなものの、庭にいるときに出会ったら、さすがに怖いだろうなあ。
そのぐらいの迫力があった。
向こうも、人がいるところには出てこないだろうけど。
イノシシ界の小錦、今頃仲間に、

「なんか変な動物と目が合っちゃってビビったよぅーーー」

なんて話しているかも。



「LION」

2023-03-29 08:03:59 | 勝手な映画感想
映画を観て泣いたのは久しぶりだ。
夫が泣いているのをみたのは、もっと久しぶり。
悲しい涙は好きじゃないが、感動の涙なら泣くのもいい。


「LION」は2017年公開のドキュメンタリー映画だ。
DVDのカバーを見ると恋愛ものに見えるけれど、そうではない。


インドの片田舎に住む、母親と、息子二人と娘一人の貧しい母子家庭。
母親は石を運んで生計をたてている。
長男グッドゥが汽車に乗って仕事に行くのに、次男サルーはどうしても着いていくと言い張る。
グッドゥは16歳ぐらいで、サルーは5歳。
幼すぎるからダメだと言うグッドゥに、サルーはすがりついて、渋々連れていくことにする。
目的地に着いても、サルーは眠くて起き上がれず、仕方なしに駅のベンチにサルーを寝かせたまま、「この場所を絶対に離れるな」と言い置いてグッドゥは仕事に行く。
夜中に目が覚めたサルーは、グッドゥを探して誰もいない駅のホームを歩き回り、ふと乗ってみた止まっていた無人の汽車が走り出した。
汽車は延々と走り続け、カルカッタでようやく停車した。
人でごった返すカルカッタに、5歳のサルーは一人きりで放り出された。
紆余曲折あって、サルーはオーストラリアの夫婦の養子となる。


これは、サルー本人が書いた本を映画にしたもの。
いろいろ書きたいけど、ネタバレになってしまうのでやめておく。
インドでは年間8万人の子供が行方不明になっているのだという。サルーはまだ40歳ぐらいで、この話もそう昔のことではない。
警官が、サルーに母親の名前を聞く場面がある。
「お母さんの名前は?」
「ママ」
住んでいた町の名前を言っても、誰も知らない。ずっとあとになって、耳で聞いて覚えた町の名前と、本当の名前が微妙に違っていたことに気づく。
5歳の子供が母親の名前を知らなくても、住んでいる町の名前を正しく言えなくても、無理はないと思う。


なんという人生だろう。
サルーを養子にしたオーストラリア人の夫婦。
世界には助けを必要としている子供たちがたくさんいて、彼らは自分たちの子供をもつことよりも、そういう子供を育てることを選んだ。
養母は、サルーが家に来た最初の日、お風呂に入っているサルーに向かって、彼のわからない英語で話しかける。

「あなたはとてもとても辛いことを体験して、ここに来たのよね。
いつか、あなたの準備ができたら、あなたに何が起きたのかを全部私に話してね。私はいつだってそれを待ってる」

私の身近にも、人種の違う子供たちを育てている人たちがいるけれども、私などには到底想像も及ばぬ種類の愛を持つ人たち。
養母はもう一人、インドから子供を養子にするのだが、彼はトラウマから精神が不安定な難しい子供だった。
無償の愛、というけれど、私にそんなものがあるのだろうかと思ってしまう。




しつこいリングワーム

2023-03-28 14:31:38 | 日記
リングワームでえらい目にあった。
最初に症状が出たのは1月半ばで、脇の下と太ももに輪ゴムのような形状に皮膚が少し盛り上がり、かなり痒い。
2月初めに主治医の予約を入れていたので、それまでに市販のクリームで凌いで、ひどいようなら皮膚科を紹介してもらおうと思っていた。
主治医に行ったとき、まだ残ってはいるが、ほぼ治りかけていて、これなら皮膚科に行くほどではないと医者も言った。

「どこからもらったのかわからないんだけど、なんで?」

そもそも、リングワームは外猫や土から感染するといわれているが、私には何の心当たりもないのである。
すると医者は

「あはは、そんなの、どこにだっていますよ。皮膚の上には常にいろんなのがあって、たまたまそれが集まっただけ」

と言って笑った。そんなものか。
このリングワーム、何が面倒といって、感染力が強いこと。  


1度でも手を通した服は洗う。
だから洗える服しか着られない。外出するのに着るような服は、ドライクリーニングしかできなかったりする。1度着ただけでクリーニングするのも面倒だ。私の場合、太ももと両脇なので、トップスとボトムの両方だ。
仕事から帰ってシャワーを浴びたら、いつもなら部屋着になるところを、着れば着るだけ洗い物が増えるから、即パジャマだ。


シャワーの際のバスタオルも、1度使ったら洗う。
だからバスタオルをやめて、フェイスタオルにした。
ちょっとだけ羽織ったものでも洗うので、洗濯物の量が半端ない。そこへきて、あのホテルのタオルのような無駄に分厚いバスタオルが1日に2枚加わるなんてとんでもない。
1回使ったら、洗う。週に1度か2度しか洗わないバスタオルより、よほど清潔だし、考えてみれば、子供の頃はフェイスタオルをお風呂上りに使っていたのだ。
そう思って、日本で買ってきた薄手のフェイスタオルを使ってみたら、洗濯物の嵩も増えないし、とてもいい。
実はこれは気に入っていて、今後も私はフェイスタオルにしようと思う。


トイレは使ったら必ず便座を消毒する。
これは夫に移さないためでもあるし、自分へのさらなる感染を防ぐためでもある。’


朝晩しっかりシャワーを浴びて、薬をたっぷり塗り込む。
私は朝シャワーの習慣はなかった。
夏の朝、よほどベタベタすると感じたとき以外は、顔をさっと洗うだけ。それが毎朝シャワーで昨夜塗った薬をしっかりと洗い流し、タオルで患部を拭くと他に感染する恐れがあるので、患部はドライヤーで乾かし、薬を塗りこむ。
塗り薬は、いろんな成分のものが売られているけれど、Clotrimazoleという成分が入ったものが効くと思う。
ただ、人差し指ぐらいの大きさのチューブで、1500円ぐらいする。
これを両脇と、両太ももの周囲全体に塗ると、ひどかった時には1日で1本使い切ってしまう。
いったいこの薬をいくら分買ったことか(怖)




さて、主治医に行ってから10日ほどで、すっかり元の皮膚に戻り、喜んだ私は、薬を塗るのをやめた。
そうしたら数日後、再び出てきた。それも前よりひどく・・・・・
症状はなくても、菌はまだそこにいたのだ。
また、同じことの繰り返し。
4月には旅行も控えており、なんとしてもそれまでには完治させたい。旅先で1度着たら洗うなんて無理というものだ。

そして3月の終わり。
リングワームは、ろうそくが消える直前にフッと一瞬強く燃えるように、治りかけに一旦ひどくなるみたいだ。
こりゃ皮膚科に行かねばなるまいか、と思った矢先、やっと症状が消えてきた。
しかし、今回は気を抜かずに薬を塗るつもり。
治りかけた今頃になって、Amazonで、私が使っていた薬の2倍の量のチューブが2個セットで600円ほどなのを見つけた。
なんでもっと早く探さなかったか。
もちろんオーダーして、旅行先にも持ってゆくとも。







会いたい人に会っておく

2023-03-28 09:03:42 | 日記
ファミリーフレンドの、ドッティとポールに会いに行った。
ポールは考古学者であり、牧師でもある。
ドッティはアーティストだ。
カイルアの、オロマナ山が見渡せる静かなところに、彼らの家がある。
4人の息子たちの、下の二人は夫と義兄の同級生で、小学校のある教会の牧師がポールだったから、45年来の友人である。

私がコラージュを始めたとき、コラージュをやるアーティストの集まりの中にドッティがいた。
ドッティは私がそれまでに出会った、どんな70代よりも素敵だった。
一言でいうなら、少女がそのまま年を重ねたような。
自然で、いつも楽しそうで、おもしろいことを探すのが得意で、さりげない思いやりに溢れている。
ハワイに来たばかりで知り合いがいない私に、時々電話をかけてきてくれたりした。

パンデミックで、コラージュの集まりもなくなり、ドッティとも滅多に会わなくなった。
ドッティが常に酸素補給が必要になり、ポールも激やせしたのだと聞いたのは数日前。
2人暮らしなので、義両親が野菜スープなどを作って先に会いに行き、私と夫は数日おいて、ドッティが好きな稲荷寿司をたくさんこしらえて会いに行った。

オロマナが一望できるリビング


酸素チューブをつけ、歩行器で現れたドッティはずいぶん痩せていたけれど、目はキラキラとしていた。
私が好きな彼女の作品

これはコラージュ。三頭のトラが隠れている。

私の作品をいくつか持参して、発表会。
「あー、これ見てるとコラージュやりたくなるー。やろうかな、フラダンサー作ってみたいわ」
私たちが行ったことで、創作意欲を刺激したのならよかった。
ポールの仕事でパプアニューギニアに住んでいたとき、ポールは家具作りに目覚め、家にある殆どの家具は手作り。

ドッティは86歳、ポールは84歳。
話していると、元気溌剌だった頃と何の変わりもない。ただ、身体が言うことをきかない。

「ハニー、この前のクリスマスの写真、見せたいから持ってきてくれる?」
ドッティがポールに言うと
「ちょっと待って、息を整えるから」
ポールがカウチに座ったままで、言う。
写真なんか、いい。ここでこうして顔を見て話せたら、それでいい。

「Life is short(人生は短いわね)」

浅い呼吸の合間に、突然ドッティがぽそりと言った。



私は自分の両親と、長いお別れができなかった。
特に母とは、2年近く会えないまま、パンデミックで死に目にも会えなかった。
だから私は、会いたい人に、会えるうちに、会っておきたい。

ドッティ

ポール


4月の初めに、12年ぶりにインディアナ州に行くことにした。
インディアナ州は義両親の故郷で、夫の叔父叔母や従兄弟たちがいる。
夫の1番のお気に入りの叔母であるキャロルは義父の姉で、自立して暮らしているが高齢でもあり、元気なうちに会いたいと思う。
あの時、会っておけばよかったと後悔しないように。
今は会おうと思えば会える状況にあるのだから。





お詫びと祝福

2023-03-24 07:59:51 | 日記
数日前の記事「うらしま度」で、大谷翔平さんのことをおおたにだと思っていたらおおやだった、と書きましたが、まったくの反対だったことに今朝気づいたのでお詫びします・・・(記事は訂正してあります)

さて、なぜ今日気づいたかというと、なんと日本野球が世界ナンバーワンになったというではないか!!!(たぶんこれも相当ズレているよね)
というのも、ためておいた新聞を今朝読んだから。
そしてそこにOOTANIと書いてあったから。
平日はテレビもあまりみないし、職場でも家でも話題にならないし、まったく知らなかった。
『野球はアメリカ発祥なのに、日本に負けた』と新聞には書いてあった。

なんか、すごいなあ!
世界一なんて。
いやー、日本、おめでとうございます!!!