太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

頭のネジ

2015-09-30 15:38:55 | 日記
時々、ここがハワイだということを忘れる。

朝起きて、食事して、車を運転して仕事に行く。

やっていることは日本にいた時と変わらない。

景色も環境も仕事も、かかわる人達も、まったく違うのに

私はある時ふと、「あ、ここはハワイだったんだ」と思う。



時々、夫が外人だということを忘れる。

いや、忘れるというよりも、思い出すというほうが近い。

白人で、典型的なアメリカ人の容姿でありながら、

普段はその容姿も馴染みのある景色の一つになっているのだろう。

夕食のあと、遊ぶ猫を見ながら夫が、

「猫も、今から箱に入って遊ぼうかなとか、

お水飲もうっと、とか、2階に行こうとか思考して行動してるんだよね、きっと」

と言った。

それは私がかねがね思っていたことと同じで、

「外人でも同じことを思うのだなあ」と新鮮に思っている自分に驚いた。




いよいよ頭のネジが、緩んだかいな……

それよりもっと根本的なところに問題があるとか。



車を運転していて、ふとアクセルとブレーキがどちら側だったか失念するし、

さっきまで動かしていたワイパーの動かし方が「?」となることがあるし、

誰も私の車に乗ってくれなくなるので、人には言わないけど(怖!)

まあそんなことは今始まったことじゃない。

運転暦30年、無事故でいられるのは運がいいのだろう。




うまく説明できるかわからないが

私と、私を眺めている「わたし」がいて、

さらに私でも「わたし」でもない、なんでもない空間があって、

普段はそのどこかをふらふらしていて、

私にカチッとはまったときに、「ああ」と気づく。

「で、なんだっけ?」という感じ。




いずれにしろ、人には言えない話だ。




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テクノロジー

2015-09-29 22:51:04 | 日記
医療と同じで、テクノロジーも日進月歩。

職場でも、DSとかプレイステーションだとかWiiだとか売っているけれど

自慢じゃないが、一度も遊んだことがない私には、サーッパリわからん。

友人の子供が、私のスマートフォンにゲームを入れてくれたのだけど、2回ぐらいやってみただけで

放ってある。

根気も続かないし、一体いつこれで遊ぶのか、と思う。

ゲームに費やす時間が、私の生活には見当たらない。

好きじゃないってことなんだろうけど。



子供の頃、家にステレオがあった。

コンポなんてもんじゃなくて、木製で、やたら大きな、

まるで家具のように堂々としていた。

そのステレオのラジオから、好きな歌手の歌を録音するのだが、

テープレコーダーをスピーカーの近くに置いて、録音ボタンを押すという、

これまた恐ろしく原始的なやり方だ。

無論、その他の雑音も録音される。家族全員に沈黙を強いるのは至難の技で

「シーッ!シーッ!」

という自分の声が一番邪魔になるのだった。

太田裕美の、木綿のハンカチーフなんか録音してたなあ。

その後、コンポが出てきて、これは黒くて、ずっとコンパクトで

シーッ!と言わなくても、きれいに録音もできるようになった。

そうしてウォークマンが出てきた。

家にいる時じゃなくても好きな音楽が聞けるなんて、すごいことだった。


私は思うのだけれど、私のテクノロジー度は、このウォークマンあたりで止まっている。

ただ、カセットテープよりもコンパクトディスクのほうが扱いやすいと思うけど。

ウォークマンは持っていたものの、あまり使わなかった。

イヤホンやヘッドホンを、長く耳につけているのが苦手で、すぐに取りたくなる。

それに、歩いている時や乗り物の中で音楽を聞きたいと思うことが、

私にはなかったというのもある。

今も、通勤の車の中は基本的には無音である。音楽は、たまに聞いたりするだけ。


Facebookも、本当によく聞かれるのだが(Facebookやってる?って)

6年ぐらい前、まだ日本にいたときに義姉に誘われて登録したけど、

とにかくめんどくさくってたまらない。

で、これも放ってある。

そんな私に、Twitterなどできるはずもなく、興味もない。



iPodもいらない、ゲームもしない、人と繋がるのも面倒、

おまけにテレビもない。

パソコンを何とか使っているのが不思議なぐらいだ。

こうやって、置いてかれるんだろうなあー、と他人事のように思っている。


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猫スピリット

2015-09-27 09:50:26 | 不思議なはなし
夫の両親が旅行に出かけていて、両親側の家はガランとしている。

両親の冷凍庫に氷がたくさん余っているので、昨夜それを取りに行った。

月明かりで足元は見えるので、照明はいらない。

冷凍庫内の明かりだけで氷をコンテナに移していたとき、

何かが動くのが視界に入った。

キッチンから居間に続く出入り口に、猫のお尻と尻尾がゆらりと揺れた。

ウチの猫たちは、両親側に入れないようにしているのだが、

私がドアをちゃんと閉めておらず、猫たちが入ってきたのかと思った。

見えた猫の色も、ウチの猫のガールの色に似ている。

冷凍庫を開けたまま追いかけたが、そこには何もいない。

夫を呼ぶと、2匹はバスケットの中で寝ているという。


私は確かに見た。

あれはサビ色の猫で、長い尻尾も体格も、ウチの猫にそっくりだ。

3匹目の兄弟なんだろうか。

ウチの猫たちは3匹で捨てられていたが、1匹は弱っていて、保護してまもなく死んでしまったという。

いつだったか、夫が3匹目の夢を見た。

外に出てしまった2匹を交代で中に入れていて、気がついたら3匹いた。

夜中に、寝ていた夫の足元に3匹目のシルエットが見えたこともあった。



ウチの猫たちを保護してくれたマークに、3匹目はどんな色だったか聞いてみた。

すると、ボーイに似たイエローだったという。

それじゃ、昨夜の猫は誰?

ここんちには、人間ぽいのもそうじゃないのもいるのはわかっている。

猫のスピリットもいるのか?しかも野良猫。

いてもおかしくないだろうけど。

時々、猫たちは何もいない宙をジーっと見ていることがある。

何が見えているんだろうなあ。


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気が長くなる話

2015-09-26 21:47:56 | 日記
まだ、右目の瞼に ものもらい をくっつけたままだ。

いい加減、ウンザリしてきた。

ものもらいにも、アメリカの医療システムにも。

私がかかっている眼科は一般眼科で、よってそこではできない治療がある。

歯医者も同じで、歯根治療となれば専門の歯医者というように分業化されている。

一般眼科で、4ヶ月も治らないなら手術するしかないね、ということになり、

手術できる眼科を紹介してもらったのが1ヶ月前。

すぐに予約を入れて、取れたのが1ヶ月後の昨日。

これで、かれこれ5ヶ月も瞼は腫れたままだ。


予約の日、手術するからには帰りは眼帯になるから、

夫が半日休んで一緒に行ってくれた。

2時15分の予約で、呼ばれたのが3時過ぎ。


まったく「悪びれずに」ナースが問診をする。

10分後、まったく「悪びれずに」ドクター爽やかに登場。


ところで、

この国の人達の「悪びれなさ加減」は、本当に見上げたものだ。

何年か住んでみて、多分日本人が悪びれすぎるのだと思うに至った。

私は日本で悪びれすぎ、悪びれすぎられることに慣れてしまったのだ。

それほど悪くなくても、悪びれておくのが日本の美徳なのだから、これは仕方がない。



さて、お待たせしましたでも何でもなく笑顔で入ってきたドクターは、中国系。

スリムで、ゆで卵のような肌の、まるでトニー田中にそっくり。

症状を診て、切開する方法とステロイドを注射する方法があると説明する。

ステロイドは嫌なので、切開で、と言うと、

「オッケー。それがいいと思います。じゃあ改めて予約をとってくださいね」

トニー田中はニコニコと爽やかに退場。

なんだ、今日じゃないのか。

それで、とれた予約が1ヶ月後。


ヤレヤレ。


夫がついてきた意味なーし。

どうしてこうも、アメリカの病院はめんどくさいんだ。

次の診療までに、治っちまうワ。

ここで暮らすと、気が長くなる。



ナースが、コンプレスの方法を教えてくれた。

コンプレスは、熱いタオルで瞼を温めて、瞼の裏にできた

ニキビ状の突起の中身を出すというもので、

この5ヶ月、私は毎日、濡れタオルをレンジで加熱して瞼に乗せてきた。

ものもらいを温めて治すなんて聞いたことがなかったけれど、その話を友人にしたところ

友人のおばあさんが、竹の物差しを畳にこすりつけて、摩擦熱で温かくなった物差しを

瞼に当てると言っていた、と言う。

恐るべし、おばあちゃんの知恵袋。



しかし、ここで教えてもらった方法は、生米とソックスを使う。

清潔なソックスに生米を入れてレンジで1分。

それを15分、瞼に乗せる。

一般眼科で聞いたのは、長くて5分。でも濡れタオルはすぐに冷えるから、

結局数分しか乗せていなかった。

早速、その夜に生米ソックスをやってみた。

翌朝、目の周りにすごい目ヤニがカビカビについていた。

中身が出たのか?

その割には見た目は変わってない。

あと1ヶ月、生米ソックスをやったら、ほんとに治るかも。





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「嫌な女」

2015-09-25 22:01:37 | 本とか
毎日欠かさず本を読んでいるけれど、

本の記事は久しぶりだ。



この頃ずいぶん若いアイドルやタレントか出てくるなあと思っていたら、

ただ自分が年をとっただけだと気づいた時はショックだった。

そのアイドルの親の年齢を知ったときのショックよりは、いくらかマシだったけど。

同じことが、作家にも言える。

私より同年代か若いような作家が、次々といい小説を書いている。

目に付くのは女性が多くて、辻村深月や柴田よしきも気になるが、

桂望実もその一人。

故 山崎豊子のような社会派バリバリの骨太さはないけれど

下地の良さに加え、読者を引き込んでゆく文章力があると思う。



小谷夏子という天才詐欺師と、その遠縁にあたる弁護士の石田徹子。

夏子はトラブルにあうたびに、徹子に頼り、それが何十年にも及ぶ。

これは終始、徹子の目線で語られていく。

二人は主人公でありながら、小谷夏子が表に出てこない構成も新鮮だ。

不器用な徹子の生き方と、調子のいい夏子の生き方と、二人は対照的だけれど

二人は同じぐらい深い孤独を握りしめている。

470ページの長編だが、ペースを落とすことなく読み終えてしまう。





「嫌な女」 桂望実 光文社文庫



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