怒涛の運転免許 ~仮免編~
怒涛の運転免許 ~路上試験1~
怒涛の運転免許 ~路上試験2~
怒涛の運転免許 ~路上試験3~
怒涛の運転免許 ~路上試験4~
怒涛の運転免許 ~路上試験5~
怒涛の運転免許 ~路上試験6~
3回の路上試験に落ちて、どん底だったのが1月23日。
1週間後の月曜は夫の父に用事があったので、さらに1週間後の今日、試験を受けた。
試験を受けるには、NETで予約する方法と、ウォークインといって、受けたい日にオフィスに直接行って、空いている枠に入れてもらうという二つの方法がある。
NETで予約すると2ヶ月先まで一杯なので、待つのが嫌な人はウォークインにする。そうすれば、NETだと一杯のはずの枠が、けっこう空いていて、大抵当日に受けられる。
もう4ヶ月以上もすったもんだしていて、またここで2ヶ月待つのは嫌だと思い、今朝6時半にオフィスに行った。
2回目の試験の時には7時に行ってビリだったので30分早く行ってみたのだけど、既に10人以上待っていて、6時半でもビリだった・・・
7時45分に係員が出てきて、今日が初めての人はいるかと聞くと、13人中、5人ほどが手を挙げた。
一人の派手なタトゥ女性が、「私の車は買ったばかりで、登録証明書のコピーしかないんだけど」と言うと、
「どの書類も、コピーは一切認めません」と鬼の係員。
「でも今月買ったばかりの新しい車なんだからしかたないじゃない!」
「新しくても古くても関係ありません。本物の書類しか認めないことになってるから」
タトゥ女性は、奇声を発し、暗いうちから並んだのに!と文句を言い、柱を蹴ってノシノシと帰って行った。
それを見た2人の人が、うなだれてそっと列を離れた。
ふ・・・ッ 素人めが。
夫の父の、任意保険の期限切れに当日気づいたとか、予約時間に夫の父が消えてしまい、頼みの綱のトム(父の隠居友人)も電話に出なくて、一人で困ったとか、
私も素人の頃はいろいろあったことよなぁ、と昔を振り返った。
こんなことで玄人になんかなりたくはないけども、3回も同じことをやっていたら、嫌でも慣れてしまう。
オフィスに入る前に3人が脱落し、受付をするところで更に一人が書類不足で脱落。
私の番になり、私は日本の車の免許と、パスポートを出した。こうすれば、いざ試験の時に同伴者が消えてしまっても車さえあれば大丈夫なのだ(学習した結果)
空いている時間を尋ねると、
「今、待っている時間があるなら待っててくれたら、順番で試験受けられるけど?」
要するに、今朝はほとんど予約が入ってない、ということなのだ。
試験時間の予約だけするつもりで来たから、靴じゃなくてビーチサンダルだけど、まわりを見ると全員ビーチサンダル着用なので、そのまま待つことにした。
受付まで一緒に待っていてくれた夫が、「GOOD LUCK」と言って仕事に出かけた。
そこへ夫の父が、ジーンズにサングラス、アタッシュケースといういでたちで登場。
「ハロー、ハロー。今日は試験日和だねぇー」
アタッシュケースを広げて、書類仕事を始めた夫の父の隣りで、今日はどの試験官かなーとか、どのコースかなーとか考えていた。
どの試験官も一癖あるし、もう誰でもいいや、と思っていると名前を呼ばれた。
2回目の時に試験管だった、唯一白人のハスキーオババだ。
2回目の時と同じコースだった。
ハワイでは、赤信号でも右折ができる。その際に曲がる円の直径が広すぎてチェックされた箇所を、小さく曲がる。
首をまわして安全確認しすぎる、と言われたから、最小限にする。
信号のない交差点を左折する時、交差点の真ん中でスピードが落ちてチェックされたので、勢い良く曲がった。
制限速度を1マイルほどオーバーしたと減点されたから、細心の注意を払う。
「このライトが点滅中は25マイル制限」というランプが点滅したので、35マイルから25マイルに減速。
縦列駐車は完璧だった。
でも、隣りでハスキーオババが、書類にしきりに何か書き込んでいる。
経験上、これは減点箇所を書き留めているのだ。ああ、今回もやっぱりダメなんだと確信した。
ハイウェイに合流する時に、もたついたのがダメだったのか、交差点でスピード落ちたのか・・・・・・
夫も朝早くから一緒に並んでくれたのに、また来なくちゃならないなんて悪いなぁ。運転教育、また受けないとならないかもなぁ。
「シロ、合格よ」
私は聞き間違いかと思った。3回目の試験で、左折、と言ったのを右折と聞き間違えた私の耳だ。
「エッ?」
「シロ、合格よ」 ハスキーオババは同じことを繰り返した。
「私、合格したってこと?」(くどい)
「そ、合格。オフィスの中で待ってて」
「あ、ありがとうございましたぁ!」
その場で写真を撮り、10年有効のライセンスが出来上がった。
毎回、免許写真撮るかもしれないと思ってお化粧して、顔が明るく見えるからと白い服を着てきたのに、今日はスッピンで、しかも紫のTシャツ。
「笑って笑って、もーっと笑って」
仮免の時はそう言われて歯を出して笑ったが、今日は言われる前から嬉しさのあまりに激しい笑顔。
なんか、すごい写真。
窓口の、「彼女は人生で笑ったことがないんだろうな」と思っていた女性が、私の免許を見てニッコリ笑った。
よほど嬉しそうに見えたに違いない。「よかったわね」と言った。
怒涛の運転免許話。
延々と続いた挙句、免許なんかいらない、という負け惜しみの終わり方をするのではないかと真剣に心配したけれど、ようやくこれにて最終回。
こうなると、鼻毛リックも、消えた夫の父も、電話に出なかった隠居爺トムも、ほんわかした思い出になるから不思議なものだ。
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3回の路上試験に落ちて、どん底だったのが1月23日。
1週間後の月曜は夫の父に用事があったので、さらに1週間後の今日、試験を受けた。
試験を受けるには、NETで予約する方法と、ウォークインといって、受けたい日にオフィスに直接行って、空いている枠に入れてもらうという二つの方法がある。
NETで予約すると2ヶ月先まで一杯なので、待つのが嫌な人はウォークインにする。そうすれば、NETだと一杯のはずの枠が、けっこう空いていて、大抵当日に受けられる。
もう4ヶ月以上もすったもんだしていて、またここで2ヶ月待つのは嫌だと思い、今朝6時半にオフィスに行った。
2回目の試験の時には7時に行ってビリだったので30分早く行ってみたのだけど、既に10人以上待っていて、6時半でもビリだった・・・
7時45分に係員が出てきて、今日が初めての人はいるかと聞くと、13人中、5人ほどが手を挙げた。
一人の派手なタトゥ女性が、「私の車は買ったばかりで、登録証明書のコピーしかないんだけど」と言うと、
「どの書類も、コピーは一切認めません」と鬼の係員。
「でも今月買ったばかりの新しい車なんだからしかたないじゃない!」
「新しくても古くても関係ありません。本物の書類しか認めないことになってるから」
タトゥ女性は、奇声を発し、暗いうちから並んだのに!と文句を言い、柱を蹴ってノシノシと帰って行った。
それを見た2人の人が、うなだれてそっと列を離れた。
ふ・・・ッ 素人めが。
夫の父の、任意保険の期限切れに当日気づいたとか、予約時間に夫の父が消えてしまい、頼みの綱のトム(父の隠居友人)も電話に出なくて、一人で困ったとか、
私も素人の頃はいろいろあったことよなぁ、と昔を振り返った。
こんなことで玄人になんかなりたくはないけども、3回も同じことをやっていたら、嫌でも慣れてしまう。
オフィスに入る前に3人が脱落し、受付をするところで更に一人が書類不足で脱落。
私の番になり、私は日本の車の免許と、パスポートを出した。こうすれば、いざ試験の時に同伴者が消えてしまっても車さえあれば大丈夫なのだ(学習した結果)
空いている時間を尋ねると、
「今、待っている時間があるなら待っててくれたら、順番で試験受けられるけど?」
要するに、今朝はほとんど予約が入ってない、ということなのだ。
試験時間の予約だけするつもりで来たから、靴じゃなくてビーチサンダルだけど、まわりを見ると全員ビーチサンダル着用なので、そのまま待つことにした。
受付まで一緒に待っていてくれた夫が、「GOOD LUCK」と言って仕事に出かけた。
そこへ夫の父が、ジーンズにサングラス、アタッシュケースといういでたちで登場。
「ハロー、ハロー。今日は試験日和だねぇー」
アタッシュケースを広げて、書類仕事を始めた夫の父の隣りで、今日はどの試験官かなーとか、どのコースかなーとか考えていた。
どの試験官も一癖あるし、もう誰でもいいや、と思っていると名前を呼ばれた。
2回目の時に試験管だった、唯一白人のハスキーオババだ。
2回目の時と同じコースだった。
ハワイでは、赤信号でも右折ができる。その際に曲がる円の直径が広すぎてチェックされた箇所を、小さく曲がる。
首をまわして安全確認しすぎる、と言われたから、最小限にする。
信号のない交差点を左折する時、交差点の真ん中でスピードが落ちてチェックされたので、勢い良く曲がった。
制限速度を1マイルほどオーバーしたと減点されたから、細心の注意を払う。
「このライトが点滅中は25マイル制限」というランプが点滅したので、35マイルから25マイルに減速。
縦列駐車は完璧だった。
でも、隣りでハスキーオババが、書類にしきりに何か書き込んでいる。
経験上、これは減点箇所を書き留めているのだ。ああ、今回もやっぱりダメなんだと確信した。
ハイウェイに合流する時に、もたついたのがダメだったのか、交差点でスピード落ちたのか・・・・・・
夫も朝早くから一緒に並んでくれたのに、また来なくちゃならないなんて悪いなぁ。運転教育、また受けないとならないかもなぁ。
「シロ、合格よ」
私は聞き間違いかと思った。3回目の試験で、左折、と言ったのを右折と聞き間違えた私の耳だ。
「エッ?」
「シロ、合格よ」 ハスキーオババは同じことを繰り返した。
「私、合格したってこと?」(くどい)
「そ、合格。オフィスの中で待ってて」
「あ、ありがとうございましたぁ!」
その場で写真を撮り、10年有効のライセンスが出来上がった。
毎回、免許写真撮るかもしれないと思ってお化粧して、顔が明るく見えるからと白い服を着てきたのに、今日はスッピンで、しかも紫のTシャツ。
「笑って笑って、もーっと笑って」
仮免の時はそう言われて歯を出して笑ったが、今日は言われる前から嬉しさのあまりに激しい笑顔。
なんか、すごい写真。
窓口の、「彼女は人生で笑ったことがないんだろうな」と思っていた女性が、私の免許を見てニッコリ笑った。
よほど嬉しそうに見えたに違いない。「よかったわね」と言った。
怒涛の運転免許話。
延々と続いた挙句、免許なんかいらない、という負け惜しみの終わり方をするのではないかと真剣に心配したけれど、ようやくこれにて最終回。
こうなると、鼻毛リックも、消えた夫の父も、電話に出なかった隠居爺トムも、ほんわかした思い出になるから不思議なものだ。
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