数日前から、ハワイはぐんと寒くなった。
寒いといってもハワイだから、たいしたことはないのだが
日本の冬の寒さを忘れている身には寒いと感じる。
冬が来たのは気温以外でもわかる。
まず夫が、上半身裸だったのがTシャツを着るようになる。
氷の浮いたものではなく、あたたかい飲み物を飲むようになる。
ベッドのシーツとキルトのコンフォートの間に、コットンの薄いブランケットを追加する。
シャワーのあと、湯船に浸かることが増える。
冷たい豆腐サラダだったのが、湯豆腐になる。
昼間は夏ほどでないにしても、泳げるほどには暑い。
1番寒いのは晴れた日の朝方だ。
毎朝3時半に起きて、ベッドから降りると床がひんやりして「ひえっ」と思う。
そのまま歩いてバスルームに行くと、タイルがさらに冷たくて「ひえー」と思う。
あわてて室内履きをさがして履く。
トイレに座ると、便座が冷たくて目が覚める。
日本の便座暖房というのは、慣れてしまうと当たり前だけれど、あれは「さりげない愛」だったのだなあと思う。
満天の星空の下を、半袖Tシャツで歩き出すと、だんだん体があたたまってくる。
下り坂は少し走ったりする。
帰宅して、瞑想して、日本の両親にレイキを送って、ようやく5時ぐらいになり、40分ぐらい二度寝する。
猫がやってきて、膝の上あたりで丸くなって寝ると、そこだけ温かくていいのだが
足先だけがずっと冷えている。
若いころは手の先も足先も冷えるなんてことはなかったのに。
起き出して、お風呂にお湯をためる。
家を建てた時にTOTOの湯船を買ったのだが、日本のこじんまりしたアパートについている湯船ぐらいの大きさしかなく、
夫が入るとギチギチに体育座りをしなければならない。
でも、小さいからお湯がすぐにたまるし、夫よりも私のほうが数多く使うから問題なし。
少し熱めのお湯に体を沈めると、ものすごい幸福感で満たされる。
しばし目を閉じ、その幸福感に浸る。
朝風呂が贅沢で特別な感じがするのは、子供の頃からの体験によるものかもしれない。
我が家で朝風呂に入るのは、元旦だけと決まっていた。
見慣れた家や家族の顔も、元旦だけはどこか違って見えた。
外が明るいのにお風呂に入るという非日常に、子供はわくわくしたものだ。
そして朝風呂に入ると、私が歌う歌があった。
♪ おはらしょうすけさん なんで身上(しんしょう)つーぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで そーれで身上つーぶした♪
おはらしょうすけさんが誰なのか、もちろん子供の私は知らなかったが
いただきものの、おはらしょうすけさんの人形があって、徳利をもったしょうすけさんの頭を指でつつくと
ビヨンビヨンと上下する。
その歌は、誰が教えてくれたのかも忘れたが、なぜかその節だけを覚えた。
思い立って、おはらしょうすけさんについて調べてみた。
小原庄助
民謡「会津磐梯山」の囃子言葉に登場する架空の人物。
いっぽう、会津の商人説、武士説、塗り師説もあり、「会津塗り師久五郎」を本名とする墓もある。
なるほど。
あれは会津磐梯山という歌だったのか。
ハワイの我が家のTOTOのお風呂でも、私はやっぱりおはらしょうすけさんの歌を歌う。
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寒いといってもハワイだから、たいしたことはないのだが
日本の冬の寒さを忘れている身には寒いと感じる。
冬が来たのは気温以外でもわかる。
まず夫が、上半身裸だったのがTシャツを着るようになる。
氷の浮いたものではなく、あたたかい飲み物を飲むようになる。
ベッドのシーツとキルトのコンフォートの間に、コットンの薄いブランケットを追加する。
シャワーのあと、湯船に浸かることが増える。
冷たい豆腐サラダだったのが、湯豆腐になる。
昼間は夏ほどでないにしても、泳げるほどには暑い。
1番寒いのは晴れた日の朝方だ。
毎朝3時半に起きて、ベッドから降りると床がひんやりして「ひえっ」と思う。
そのまま歩いてバスルームに行くと、タイルがさらに冷たくて「ひえー」と思う。
あわてて室内履きをさがして履く。
トイレに座ると、便座が冷たくて目が覚める。
日本の便座暖房というのは、慣れてしまうと当たり前だけれど、あれは「さりげない愛」だったのだなあと思う。
満天の星空の下を、半袖Tシャツで歩き出すと、だんだん体があたたまってくる。
下り坂は少し走ったりする。
帰宅して、瞑想して、日本の両親にレイキを送って、ようやく5時ぐらいになり、40分ぐらい二度寝する。
猫がやってきて、膝の上あたりで丸くなって寝ると、そこだけ温かくていいのだが
足先だけがずっと冷えている。
若いころは手の先も足先も冷えるなんてことはなかったのに。
起き出して、お風呂にお湯をためる。
家を建てた時にTOTOの湯船を買ったのだが、日本のこじんまりしたアパートについている湯船ぐらいの大きさしかなく、
夫が入るとギチギチに体育座りをしなければならない。
でも、小さいからお湯がすぐにたまるし、夫よりも私のほうが数多く使うから問題なし。
少し熱めのお湯に体を沈めると、ものすごい幸福感で満たされる。
しばし目を閉じ、その幸福感に浸る。
朝風呂が贅沢で特別な感じがするのは、子供の頃からの体験によるものかもしれない。
我が家で朝風呂に入るのは、元旦だけと決まっていた。
見慣れた家や家族の顔も、元旦だけはどこか違って見えた。
外が明るいのにお風呂に入るという非日常に、子供はわくわくしたものだ。
そして朝風呂に入ると、私が歌う歌があった。
♪ おはらしょうすけさん なんで身上(しんしょう)つーぶした
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで そーれで身上つーぶした♪
おはらしょうすけさんが誰なのか、もちろん子供の私は知らなかったが
いただきものの、おはらしょうすけさんの人形があって、徳利をもったしょうすけさんの頭を指でつつくと
ビヨンビヨンと上下する。
その歌は、誰が教えてくれたのかも忘れたが、なぜかその節だけを覚えた。
思い立って、おはらしょうすけさんについて調べてみた。
小原庄助
民謡「会津磐梯山」の囃子言葉に登場する架空の人物。
いっぽう、会津の商人説、武士説、塗り師説もあり、「会津塗り師久五郎」を本名とする墓もある。
なるほど。
あれは会津磐梯山という歌だったのか。
ハワイの我が家のTOTOのお風呂でも、私はやっぱりおはらしょうすけさんの歌を歌う。
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