太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

TAXシーズン

2022-02-26 15:40:38 | 日記
3月は、TAXシーズンだ。
日本で働いていた頃は勤め先がすべてやってくれて、還付金を受け取るだけで楽だったが、
アメリカは全員が確定申告しなくてはならない。

私は夫と連盟で申告しているので、毎年、二人で資料を持ってプロフェッショナルのところに出向き、書類を作成してもらっている。
オンラインで自分でやれば無料だが、専門用語がぎっしりの分厚い書類を見たら、そんな意欲はなくなる。
不備があれば差し戻されるし、そんなストレスを思えば3万円ほどの作成料はけして高くないと思う。


私の場合、それに加えて、絵を売って得た収入を別に申告する。
これはオンラインでフォームを印刷し、それに必要事項を記入して、小切手とともに郵送する。
ディダクションといって、経費でいくらか落とせるやり方もあるのだが、これはものすごく複雑でわかりにくく(先方は1ドルでも多く税金を払ってほしいからだろう)
どうせたいした金額でもなし、そのまま払っている。
5年ほど前には、1年に5万円ぐらいの収入だったのが、さっき昨年分を作ってみたら昨年は81万円にもなった。
パンデミックの間にオリジナル作成がはかどって、それが次々に売れたため。


絵の方の税金は今日終わって、今週には家計のほうの税金の予約がある。
夫が持っていたコンドミニアムを売ったお金を投資にまわしているので、
それが収入とみなされてしまい、毎年、1か月の収入以上の税金を支払う羽目になるので、TAXシーズンは楽しくない。
還付金ってなんだっけ?という気分。
そういえば昨年は、一旦支払った税金が、パンデミックのおかげで全額戻ってきた。
コロナも悪いばかりじゃないぞ。





自分が死ぬこと

2022-02-25 16:20:26 | 日記
両親を続けて送ったからだろうか。
年齢のせいだろうか。
自分の死について思うことが多くなった。
祖父母を送った時は私はまだ20代で、「人はいつか死ぬのだな」と思っただけだったが、
今はそれが「私はいつか死ぬのだな」に変わったから、やはり年齢なのだろうか。



私は、死んでも私という意識は残ると信じているので、死ぬことは怖くはないが、どうやって死ぬのかを思うと不安になる。
映画「グリーンマイル」のトム・ハンクスのように、大事な人を見送りつづけて一人になるのも怖い。

「死ぬことって怖いと思う?」

夫に聞いてみた。

「怖くはないけど、死ぬ過程が怖い」

夫は私と同じことを言った。

「眠っている間にスーっと死んだら、それが1番だよね」

夫が言う。
そりゃあ、ほとんどがそう思うでしょうよ。
私の母の祖母は、縁側で膝に猫を乗せたまま、
「あれれ、こんなんなっちゃうよ」
と言いつつ上半身が横に傾いていって、そのまま息を引き取ったという。


両親は、80の声をきくまではそこそこ元気にしていたのに、80を超えた途端に、いろんなことが少しずつできなくなっていった。
頭ではこうしたいと思っていることが、できなくなるストレスにさらされるのも、
人のお世話にならねばならないのも、辛い。

何年か前に、ハワイ州で「尊厳死」を認める法律ができた。
ようするに安楽死なのだが、その方法を聞いて私は大変驚いた。
私のイメージでは、病院で医師の元で点滴かなにかでというものなのだけれど、処方箋をもって薬局で貰ってきた錠剤を飲むだけらしい。
もちろん、尊厳死を認められる条件というのはあるのだが、なんだかこれはこれで勇気がいるような気がする。

子供がいない私たちは、何かがあったときに駆け付ける人がいない。
親を見送ったとき、私には夫がいたけれど、もし夫がいなくなったら私は独り残される。
大事な人を残していくのと、残されるのとどっちがいいかといえば、絶対に自分が先のほうがいい。
幸い、夫は私よりも8歳ばかり若いときている。

「体に気をつけて、1日、いや半日でいいから私より長生きしてね」

と私が言った(まるで『関白宣言』の歌詞)

「シロは優しいこというね」

思いがけずしんみり言う夫に、少しばかり罪悪感を感じたが黙っていた。







近道

2022-02-24 21:32:46 | 英語とか日本語の話
学生の頃、試験勉強をコツコツやった記憶がない。
小学校1年から高校を出るまでの12年間、夏休みの宿題を後回しにし続けたツワモノが、試験勉強だけは計画的にできるなんてことがあるはずがない。

一夜漬けや、試験のヤマをかける度胸はなく、たいてい3日漬けぐらい。
試験範囲の、まだ半分も見ていないのに既に夜中になり
「あー、明日東海沖地震がが来ないかナァ」
何度、真面目にそう思ったことか。
先に寝て、朝早く起きてからやろう、と思って寝過ごすこと数知れず。

1970年代から話題になっていた、『睡眠学習』の資料を取り寄せたこともあった。(その前に日頃からコツコツやれヨ)
深い眠りの時に記憶力が向上しているという研究結果から、覚えたいことをカセットテープに吹き込んで、枕の下に入れて眠るのだが、
これは既に学んだことの復習でなければ意味がなく、知らないことを睡眠中に聞いても、なんにもならないのであった。
寝ながら勉強ができたら、みんな秀才だわな。


英語の勉強では聞き流しというのもあった。
赤ちゃんが自然に言葉を覚えるように、英語のシャワーを常に浴びることで英語が話せるようになるのではないか、ということらしいのだが、
これには私は「NO」とハッキリ言える。
それを言うなら、10年以上365日英語聞き流し状態の私はネイティブ並みにペラッペラになってるはずじゃないか。
スポンジのようになんでも吸収してしまう子供の脳に比べ、覚えた先から忘れてしまう大人の脳じゃ、「自然に話せるように」なるわけがない。




職場のレジスターの隣にマグネットを売る一角があり、いろんな種類のマグネットが鉄製のパネルにくっついている。
物により価格が違うのだが、お客様はたいていそのパネルを指さして
「いくら?」
と聞く。
そこで私は、
「Price is on their back(値段は裏側についてます)」
と言うのだけれど、必ず聞き返される。
ジェスチャー付きで2回ほど言ってようやくわかってもらえる、の繰り返し。
「ンもう!最初からわかってよ!」
と思っていたのだったが、今日も同じ場面になったとき、

『もしや私の言い方がまずいのでは?(遅いだろ、気づくのが)』

と思い、

「どんなふうに言えばよかったの?」

とそのお客様に聞いてみたら、

「On the back」

と教えてくれ、
「あなたっておもしろいわねー」と笑った。
それらの裏側という意味で勝手に Their と言っていたのは、まったくの的外れではないにしても、不自然な英語だったようだ。


コツコツができずに、近道ばかり探してきた私。
英語しか使えないところに放り込まれても、やっぱり地道に勉強などせず、
英語しか話せない人のために、私が第二言語を使ってあげている、というメンタルを強くする方法で乗り越えてきたという始末。

私の英語は、人が言うのを真似たり、その場その場で体当たり的に覚えてきたものでできており、
移住した当初は話すより書く方がまだ得意だったのが、今ではまったく英文など書けなくなってしまった。
これは近道でさえもなく、行き当たりばったりとしか言いようがないのである。






他界した母からのLINE 種明かし

2022-02-24 12:43:13 | 日記
亡くなった母の名前でLINEが来た、という話の種明かし。(その記事はコチラ

私はただちに姉と妹にLINEを送り、二人とも「ひえーーーーーーー!😱」とおののいたのであるが、
ある友人から、

母が使っていた電話番号と同じ番号の携帯電話を契約した人なのでは?

という、至極冷静、まっとうな意見が返ってきた。
よく考えてみたら、そうかもしれない。
母の名前がついていたのは、私がその番号を母の名前で登録してあるからだ。
母だと思って「おかあさーーーーーん」というメッセージを送信してしまい(しかも泣きながらで赤っ恥)
そんなものを受け取ったどこかの誰かこそ、怖かっただろう。

携帯電話のアドレスブックの中の母の名前を消してみたら、LINEのプロフィールの名前が、どこかの誰かに変わった。
「おかあさーーーーーん」は既に読まれてしまっていたが、遅すぎるけど抹消し、その人の名前も消した。



姉も妹も一瞬、本当に霊界通信かも、と思ってしまったのは、母が不思議系の話が大好きで、オカルトな体験もあったりして、私もそれを受け継いでいるからだろう。

妹も、両親の番号を消せずに残してあると言っていたが、いつまでも残しておいても仕方がない。
潮時だと思い、母に続いて父の番号も抹消した。
これは単なる電話番号で、父も母ももういないのだから、と頭ではわかるのだけれど、大事な写真を焼いてしまったような寂しさはどうしようもない。









他界した母からのLINE

2022-02-23 08:00:07 | 日記
朝方、母の名前で、

Start catting with your new friend

というLINEが入っていた。

アドレスに電話番号が登録されている人の名前が、たまにアップされてくることが、あるにはある。
その場合、メッセージを送っても、先方はLINEをやっていないのか反応がないから、自動的なのだと思う。

でも、父の電話番号も残してあるのに、なぜ母だけが?
しかも、プロフィールの部分に何かの写真までついている。
それが何なのかは、小さくてわかりづらいのだけれど。

何でも知っている、イマドキの若者である姪っこに聞いてみた。
ああ、それはこうこうこうで、よくあることだよ、と説明してくれるのを期待していたら、

「え・・・・怖すぎない?凄いね、不思議!!!オープンチャットという機能もあるけど、それでもなさそう」

えー!アナタでも説明つかないの??
プロフィールの写真をスクリーンショットしてくれというのだけど、スクリーンショットとは何ぞや????(姪は早々に諦めた)




両親の電話番号を、いまだに消せないでいる。
新しい手帳に、年の初めに友人や家族の誕生日を書き込むとき、両親の誕生日も書いた。
亡くなった途端、命日が誕生日に取って代わるのはなんだか寂しくて、そうしている。


これは母からの、無言のメッセージなんだろうか。
生前は、メールひとつ打てなかった母が、魂だけになっていろいろとできるようになったのかも。



おかあさーーーーーん



チャットの初めに、空っぽの母の名前の画面にそう打ち込んでみた。
声に出して呼んでみたら、泣けてきた。