太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ミカエル

2016-05-31 08:57:16 | 不思議なはなし
職場で、毎週月曜日に私の絵を売り始めた。

記事にもしたけれど、月曜に来るマイクというアーティストが強く勧めてくれて、

彼の作品と並べて売ることができるようになったのだ。

大きなキャンバスのオリジナルを、プロ仕様の写真に落とし、それを

プロ仕様のコピーで好きな大きさにコピーする。

それをギャラリーに持っていって、厚紙のマットを作ってもらう。

工程は簡単だが、写真もコピーもホノルルにあり、日曜が休みなので、

平日休みの火曜日にしか作業ができない。

写真は翌日にはできるけれど、火曜日に写真屋に持っていったら、翌週の火曜日にしか受け取れない。

と、亀の歩みで準備をして、ようやく先週から並べることができた。



横が25センチぐらいの長方形と、15センチぐらいのものと2サイズ用意して、

どれも花を題材にしたものにした。

水彩ではなく、コラージュばかりなので、コピーするとどうしても、

コラージュの持ち味である凹凸のある感じとか微妙な色の重なったところとかが

オリジナルのようには出てこない。

1ヶ月に1枚売れれば御の字だろうと思っていたら、

早速、初日に1枚売れて、今週も1枚売れた。

びっくりした。

しかも、先週末に両親宅でBBQをしたとき、友人の誕生日にあげたいといって

買ってくれた人がいた。


私が生み出したものに共感してくれる人がいるだけでも嬉しいと思うのに、

お金を出しても欲しいという人がいるということに、感動した。

マイクに言われて作品の裏に貼った、写真つきのプロフィールの重さを、

手を離れてみて改めて感じる。



マイクがいなかったら、こんなふうに売ることもなかっただろう。

売りたくないと思っているオリジナルは手元にあって、

一日中はりついていなくても誰かが売ってくれて、

それでいて売るところを自分で見ることができて、

めんどくさいことが嫌いな私には、都合のいいことばかりだ。


マイクの本名は Michaelで、ミカエル とも読める。

もしやマイクは大天使のミカエルか!!!

(・・・いや、ミカエルにしちゃぁ調子のいいおじさんすぎる)




昨日、夫の両親が職場にやってきた。

前の職場にいたときも、何度か来たことがある。

授業参観のような気分だけど、ちょっと嬉しい。

「ここにしてよかったわね。あなたが前のところより幸せそうだもの」

帰り際、シュートメがそう言って笑った。





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パジャマ考

2016-05-29 14:27:35 | 日記
映画をみていて、女性が寝るときに、何を着るかが気になる。


パジャマか、夏ならTシャツに短パン、あるいはコットンのパジャマ的なものなら

私も安心してそのシーンをみることができる。

しかし、ロマンティックな気分のときに着る、テロテロしたもの。

あれは、気分を盛り上げるためだけにあるのか。

あのまま寝たら、華奢な肩紐は動くたびに食い込み、そのうち切れるであろう。

長い裾はもたついて寝にくいだけでなく、温泉旅館の浴衣同様、

朝には全部まくれあがっているに違いない。



凝った作りの、派手なキャミソールぽいもの。

胸にワイヤーが入っていそうだから締め付け感があるし、

コットン素材とも思えないから、肌をチクチク刺して眠るどころではない。

朝、目が覚めた女性が、がちがちのキャミソール姿で

「うーん、よく眠ったわ」

なんて言う。ほんとかいな。




たとえば、アクション、アドベンチャー映画。

命からがら逃げ延びた主人公たちが、やっとホテルの部屋をとる。

するとバスルームでシャワーを浴びた女性が、あのテロテロの皺ひとつない白い長いドレスをまとっている。

その衣装は、いったいどこに入っていたのか。

ロマンティックな気分にさせたい相手もいない想定で、ではその衣装は自分だけのためなんだろうか。



今の夫と出会う前、恋愛成就でリーディングに通っていた頃、

おもいきりロマンティックなものを身に着けて寝る、という宿題があった。

それで、勇んで買いに出かけたはいいが、どれも熟睡できそうもないものばかりで

外側にレースが少しだけついているだけのパジャマを買った。

熟睡できなかったら美容に悪いし、これ以上容色が衰えたら元も子もない。

当時、成就したかった相手とはダメだったけれど、夫に出会えたのは、

ロマンティックなものを着て寝る以外のミッションを、私は相当熱心にやったからに違いない。



私が愛用しているパジャマは、数年前に友人からもらったVictria's secretのTシャツで、

七部袖、太ももがかくれるぐらいの丈がある。

これにコットン素材の部屋着用ズボンの裾を切って、くるぶしぐらいまでにしたものを合わせている。

Tシャツの下に着るキャミソールも、やわらかくて薄いコットンで、

数あるキャミソールの中から厳選された、寝る専用である。

四季がないので、年中同じものを着ていられるのはいいが、傷みも早い。

Victria's secretのTシャツも、袖の付け根がほころんできたのを縫ったりして、

さすがに新しいのを買わねばと思うのだけれど、困ったことにTシャツ素材は見栄えが悪いほど着やすくなるのだ。





ある友人は、何も身に着けずに寝ているという。

考えただけでスースーする、と言ったら

「私もやる前にはそう思ってたけど、一度やったら、もう何も着れなくなるよ」

と言う。

確かに、裸だったら何にも締め付けられず、肌触りも関係なく、

もしかしたら快適なのかもしれないとは思うけれど、

裸じゃないと眠れなくなったら、いつか病院でお世話になるときや、

誰かの家に泊まることになったときに困るのではないかと思ったりして、試さずにいるのである。






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ウィンストン誘拐事件

2016-05-25 21:40:02 | 日記
ウィンストンが誘拐された。

ウィンストンは職場で飼っている亀である。

体長45cmで堂々とした風格があるが、まだ10歳にもなっていない。

どれだけ長生きするか想像もつかない亀の10歳といったら、生まれたばかりといっていいかもしれない。

自然溢れる場所だから、ケージなどなく、建物の前の茂みの中で自由に飼っている。

毎日見ていると、情が湧くというのだろうか。

何を考えているのか読めない表情も、なんだか可愛くさえ見えてくる。

建物のメンテナンス雑用一切をやってくれるエリックがウィンストンの担当で、

餌は完全オーガニックの野菜や果物しかあげないというかわいがり方だ。


そのウィンストンがいなくなった。

時々茂みを出て、のんびり歩いていることがあるので、手分けして捜したが見つからない。

最後に見たのは私で、お昼頃には茂みの中にいた。

いないことに気づいたのは、午後の早い時間だったから、そんなに遠くに行くとは思えない。

私達が捜していると、お客様の一人が、亀を持っている人を見たと言う。

てっきりここの関係者かと思ったので、不審に思わなかったというのだ。

「誘拐だ……」

子亀の頃から育ててきたエリックの落ち込みようは見ていられなかった。

生き物を盗む人がいるなんて。

つぶらでシワシワの目も、ツヤのいい甲羅も、もう見られないなんて。

亀をかわいいと思ったことなんかなかったのに。

飛行機に乗せるのは手間がかかるから、旅行者ではないだろう。

ウィンストンは今頃どこでどうしているだろう。

新しい飼い主(誘拐犯だが)に大切にされているだろうか。

狭いところに入れられていないだろうか。

お腹がすいていないだろうか。

売り飛ばされていないだろうか。

そんなことをする人がいることにも、ウィンストンの身の上も、心が痛む。



誘拐犯に良心があって、そっと返しに来てくれることを祈る。




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隙間

2016-05-24 21:02:14 | 日記
車の、運転席とドアの隙間はブラックホールである。

うっかり手がすべって落としたものは、するりとその隙間に吸い込まれる。

しかも、なぜか落としたくないものに限って、そこに落ちる。

小銭、チケット、リップクリームの蓋、

イヤリングとか、ブレスレットとか、「あ!」と思ったときには既に吸い込まれたあとで、

気分は一気に落ち込む。

とりあえず、信号待ちのときに隙間をのぞいてみる。

うまくすれば、ドアのポケットに入っているかもしれない。


車を停めてから、しゃがみこんで手を座席の下に突っ込んでみる。

手がかりがなければ、

座席をできるだけ下げて、頭を突っ込んでみる。

出てくるのは埃と髪の毛。


気に入っていた、日本で買ったイヤリングが、とうとう出てこない。

掃除機を空にして吸い込んでみたが、それでも出てこない。

私はピアスではないので、イヤリングは日本で買ってくるしかない。

だから、金額ではなく、とても貴重なのだ。

ピアスのように見える、ノンホール式のイヤリングが好きなんだけれど、これが取れやすい。

使っているうちに、はさむ所がゆるくなるのか、弱ってくるのか、

ちょっと耳をこすっただけで取れてしまうことがある。

こうして私は何個のイヤリングをなくしたことだろう。



座席とドアの隙間がない車が考案される日が待たれる。







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スパム

2016-05-20 20:53:02 | 食べ物とか
ハワイのB級グルメといえば、スパムである。

コンビーフとハムを混ぜたような味の、合成ハムと思えばいい。

スパムをのせて海苔でくるりと巻いた スパムむすび は、いろんなところで買える。

日本から来る友人で、これが大好きな人がいて、

ハワイにいる間、毎日スパムむすびを食べている。


このスパム。

私は食べたことがなかった。

それは夫がスパムが好きじゃないからで、食べる機会がなかったのと、

「うえー・・」と眉をひそめる夫を見て、食べようという気持ちにならなかったのだ。


しかし、何かの折に、誰かがスパムむすびをくれたことがあり、

ためしに食べてみたら、これが美味しかった。

びっくりした。

とても懐かしい味だ。

幼稚園の頃のお弁当に入っていた、チーズ入りのハムに似ている。

スパムを照り焼き風のたれで両面焼いたのを、ごはんに乗せる。

ごはんとスパムをつなぎとめる海苔の風味も、いいハーモニーじゃないか。


なぜ今まで食べずにいたんだろう。

私にはそういうところがある。

そのときのパートナーが嫌いなものは、自然と嫌いになる。

パートナーが変われば、嫌いだったものが実は好きなことに気づく。

温泉卵もそうだし、ココナツもそうだ。

なんという主体性のなさ。

我ながら情けない限りである。


スパムは、缶詰めになって売っている。

缶詰めの肉といったら、やっぱりコンビーフ。

子供の頃、コンビーフの缶詰めの一箇所から、鍵状になったものを

缶に沿ってクルクルとまわして缶を開けるのが楽しかった。

一体スパムとは何なのか、スパムの缶にもあの金具がついているのか、

なぜ缶詰めなのか、スパムの謎を解明していく気満々である。




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