太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

裸足と地球

2018-07-31 18:49:30 | 日記
足の裏には、なにかエネルギーの穴みたいなものがあると思う。

裸足で地面の上に立って、足の裏に意識を集めてみる。

ギュイーン・・・と何かが入ってくる感じがわかるだろう。

ちょっと風邪気味、軽い頭痛ぐらいなら、裸足で地面の上を歩くだけでずいぶん良くなる。

土や草むらがなくても、コンクリートなら悪くはない。

我が家のドライブウェイがコンクリートで、そこを歩いてみた結果、そんな気がした。

通りに出て、アスファルトの道になると、ぐっと感度が鈍くなった。



海は、格別。

乾いた砂浜を歩くと、足が心地よい砂に包まれる。

波打ち際を歩くと、固くて優しい濡れた砂が、足の下でキュッキュと音をたてる感じがする。

寄せてきた波に足をくぐらせると、水の下になった砂がやわらかく足全体を抱え込み、

引く波とともに、足の指の間から砂がしゅるしゅると出てゆく。

そのとき、足の裏の穴(?)からも何かが出て行く。



夫の甥が小さかった頃、ハワイに遊びに来ていて風邪をひいた。

小児科医である、義兄の奥さんは熱っぽい子供を海に連れ出して遊ばせた。

波と遊んでいるうちに、甥はすっかり元気になった。

夫も、ちょっとしたことなら海で治る、という。

もしかしたら、それは本当なのかもしれないと思う。



海も、大地も、地球そのものだ。

裸足で地面に立つ時、足の裏が地球の核まで繋がってると想像する。

地球という星の海、山脈、河、大陸、大地に根を張る木々の隙間で、

私はひっそりと住まわせてもらっている。











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アーティチョークは何の味

2018-07-30 08:03:36 | 日記
ところ変われば食べ物も変わる。

アーティチョークは、日本にいた頃は食べたことはおろか、見たこともなかったものの一つだ。

ここでは、よく食べる。



見た目も不思議なら、食べ方も変わっている。

全体を蒸すか、お湯を張った容器にいれてレンジで加熱してから、

ガク(?)の部分を1枚ずつはがして、その根元のほうだけを前歯でかじり取る。

大きな花びら状のガクの根元の、食べる部分はほんの5ミリ。

いったい、どこの誰が最初に食べてみたのだろう、と不思議に思う食べ物は数あれど、

アーティチョークもそのひとつだ。



アーティチョークを食べるたびに、これは何の味に似ているんだろうかと考える。

なにかに似ているけど、思い出せない。

姉一家がハワイに来たとき、アーティチョークを生まれて初めて食べた義兄は大変気に入って

「これは茹でたとうもろこしの味だ!」

と言った。

近いが、ちょっと違うと私は思う。

そして昨日、アーティチョークを食べながらひらめいた。



茹でた里芋の味だ!



そう気づくと、もう里芋の味しかしなくなってくる。

他のみんなは、アーティチョークを何かの味のディップにつけて食べるけれど、

私はそのまま食べるほうが好きだ。

それもそのはず、味は里芋なんだから。

あの、ぽくぽくとした素朴な味と風味が懐かしい。

酢味噌なんかにつけてもいいんじゃないかと思う。






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モンステラの花

2018-07-29 12:41:14 | ハワイの自然
モンステラの葉は、ハワイのモチーフによく使われる。


こういう葉

ハワイのそこいらじゅうに群生していて、うちの庭にも山ほどある。

あまりに山ほどあるので、普段はまったく気にかけていなかったのだが、

今日、パパイヤを収穫した帰りにモンステラに花が咲いているのを見かけた。




カラーの花のような形だけど、すんごく大きいので驚いた。

どのぐらい大きいかというと・・・



私の手のひらよりもでかい。

花というより、ほら貝か、というほどでかい。

花の向こうにあるのはツボミだが、とうもろこし並の大きさ。

何年も気づかずにいたけど、モンステラってこんな花が咲くんだなあ。

しかし、花もこんだけ大きくなると、ちょっとグロテスクでもある。












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くたびれもうけ

2018-07-26 19:59:23 | 日記
アメリカの家の郵便受けには、赤い羽根がついていて

投函したい郵便物を入れて、その羽根を立てておくと、郵便配達の人が回収してくれる。

だから郵便物を出しに行くということは、あまりない。


先日、速達にするほどではないが急ぎの郵便物があった。

我が家に郵便配達が来るのは2時ごろ。

私はふと考えた。

郵便局の敷地内にあるポストなら、もっと早く回収するはず。

そこで私は、時間はなかったけれど、片道15分かけて郵便局まで行った。

郵便局に着き、郵便物を出す前にポストの集配時間を確かめてみた私は愕然とした。


PM5;00


そこにはたった1行そう書かれていた。



これじゃ、家の郵便受けに入れたほうがずっと早かったじゃないか。

日本の郵便局にあるポストなら、1日に何度も集配するのは当たり前なのに。



で、私はどうしたか。

郵便物を持って帰り、家の郵便受けに入れました。

帰ってきた夫に話すと、

「家の郵便集配が2時でも、それからいろいろまわって局に戻るのは5時ごろになるんじゃないの」

いやもう、グウの音も出ない。



くたびれもうけとはこのことである。




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できることに感謝

2018-07-26 07:43:20 | 日記
夫が突然スケートボードに懲りだした。

初めてのスケートボードは、8歳のときにお父さんが作ってくれたそうだ。

そのあと、兄のお古をもらい、バイトをするようになって自分で買った。

それが今、40も後半になって再びスケートボード熱が再燃。

インターネットでボードとマウスピース、ヘルメットや、手首や膝をガードするものとかを買って、

家の前で足慣らしをし、仕事の帰りにスケートボードパークに寄ったりしている。

変なターンとか、階段の手すり降りなんかしないでよ、と釘をさしてある。



今日、アーティスト仲間のマイクに会った。

日本に行くちょっと前に会って、それから1ヶ月もたってないのだけれど

待ち合わせの場所に杖をついて現れたマイクは、ひとまわりも痩せていた。

心臓のバイパス手術をしたのが昨年の8月、そのあと腰が悪くなり、最近は胃も悪くて、

6月に会った時には、鼻の頭に皮膚ガンができて取ったのだと、大きな絆創膏を貼っていた。

「だんだんバラバラに壊れてくよ」

マイクはそう言って笑ったが、私はうまく笑えなかった。

夫のスケートボード再燃の話をすると、

「いいなあ。ぼくも昔はスケートボードもローラースケートもよくやったもんだ」

小学校の教師だったマイクは、生徒達を連れて、よくローラースケート場に行ったのだという。

パラグライダーもサーフィンも得意だった。



「あの頃は、それができることを当たり前だと思ってたよ。

それがそうじゃなかったとわかるのは、いつだってそれができなくなってからなんだ。

○○(夫の名前)に、今できることを目一杯楽しんで、と伝えておいて」




風邪をひいただけで、風邪をひいていなかった時のことがありがたく思う。

怪我をすれば、怪我をする前のことがありがたく思う。

歯が1本痛いだけで、そのほかの痛くない歯に感謝することなく、痛い歯を呪う。

そんなことを何十年も飽きもせず繰り返し、結局なにもわかってはいない。



マイクと別れるとき、「まだ行っちゃだめだからね」と言った。

「どこに?」

「どこか遠く」

それはこの前、日本からハワイに戻ってくる時に母に言ったのと同じ言葉だ。

76歳のマイクに、両親に感じるのと同じ焦りを、私は感じている。

まだまだ彼のハチャメチャな、おもしろい人生の話をたくさん聞きたい。

日本人に近い心をもった、この年寄りのガイジンが、私は好きなのだ。







立つ、歩く、走る、食べる、何の苦もなくできるそれらのこと。

今、できること。

やりたいのに理由をつけてやらないこと。

私は自分の、そんなことについて考えた。











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