太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

紙の袋、紙の箱

2019-01-31 07:58:00 | 日記
ハワイでも昨年の7月から、買ったものを入れるプラスチックの袋は有料にすることが法律で決まった。

プラスチックは土に還らず、永久に漂っているだけ。

公害になるばかりか、それを亀や鳥が食べてしまい、多くの生き物が死んでいる。

たとえば私が、1ヶ月に25枚プラスチックの袋を節約したとすると、1年で300枚。

個人の力も、積み重なればきっと何かの役にたつ。

だから車にもバッグにもエコバッグを用意するようになったし、

プラスチックの袋は、猫がかじって穴をあけても持ち歩いて使いまわしている。



そういうわけで、我が家では新聞紙で簡単な袋を作って、常に20枚ぐらいストックしているのだが

これがたいへん便利。



ささっと折って、できあがり。


作り方はココにわかりやすく紹介してあるのを見つけた。(暮らしニスタさんより)


最初の目的は、猫のトイレの掃除だったが、いろんなことに使える。

これを2枚重ねて、底にペーパータオルを丸めたのを入れて、揚げ物をしたあとの油を捨てる。

せとものやグラスを割ってしまったとき、これに入れて捨てる(ハワイでは生ごみと一緒)。

生ゴミを入れる、大きなごみ箱にはどうしてもプラスチックのゴミ袋を使ってしまうけれど

洗面所に置くような小さなごみ箱には、これをセットしておいて、これごと捨てる。

庭になったライムなどをおすそ分けするときには、これに入れると、みんな興味津々。

「オリガミ!!」

日本人て器用だよねえ、となる。





新聞紙で作った袋を初めて知ったのは、20年前、姉が入院していたときだ。

病室で出るゴミを、看護師さんたちが折ってくれた袋に入れて捨てていた。

その袋はもっと大きくて、付き添いに行くと暇つぶしに折っていたものだが、折り方はもう忘れてしまった。

今、母が、デイサービスで教えてもらった紙の箱を、広告の紙で折っている。

ていねいに折り方を書いた紙を見ながら折るのだけれど、

新しい情報がなかなか定着しないので、すぐにわからなくなってしまう。

日本に行った時、私が横で教えながら折って、ひとつできるが2個目がまたわからなくなる。

そういう病気なのだから仕方がないのだが、私もつい「だからそれはこうだってば」という

言い方になってしまって反省する。

テーブルの上にできた、いくつもの紙の箱。

突然なにかがこみあげる。

「おかあさん、こんなの残してどこかにいっちゃいやだよ」

「何言ってンの、すぐには行かないよ」

さっきまで威張っていたのに、母がいなくなったあと、この箱を見るのは耐え難いと思ってしまう。

娘というのはまったく勝手なものである。















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母、あわや詐欺に合う

2019-01-29 07:48:29 | 日記
実家の母が電話を取ると、甥、つまり私の従兄弟のYちゃんだったという。

Yちゃんは私の父の会社を継いで、代表になっている。

どうしても明日までに200万用意しないといけなくなった、とYちゃんが言った。

その様子があまりにも必死で、打ちひしがれていたので、よほど困っているのだろうけれど

母一人ではお金をおろしに行けない。

そこに姉が帰ってきて、母が姉にお金をおろしてきてくれるように説明していたところに、また電話が来た。

母が出て、姉に代わった。

姉はYちゃんだと信じているので、Yちゃんの声にしか聞こえない。

それでも、母を頼る前に相談する人はいくらでもいるのだし、会社経営していて200万という半端な金額も

なんだか変だとは、頭のどこかで思っている。

きっとYちゃんが個人的にこさえてしまった借金なのではないか、とまで姉は考え、

母の代理では100万しか出せない、と言うと、あとはなんとかするからそれでいい、と言う。



姉はお金をおろして母に渡し、義兄とお昼を食べに出かけてしまった。

その間もずっと違和感はあって、お昼を食べている最中にポンとそれは弾けた。

「あれってほんとにYちゃんなの?」

食べかけのお昼をほっぽりだして、義兄とともに警察に電話しながら家に帰った。

会社に確認すると、ほんもののYちゃんがいて、まったくの詐欺だと判明。

家に戻ると、まだ母はお金を持っていて一安心。

「車の事故にあったので、代理の○○という人がお金を取りにいくっていうんだけど、

Yちゃんじゃなきゃお金を渡したくないねぇ」

と母が言っている。

そこに刑事も来て、母、姉夫婦ともに犯人の電話を待つ。

すんなりいくと思っていたのに、母がごねているので相手も何かを察したか、

「警察の人」が電話を代わった。

「警察の人」が、代理でお金を受け取るとかなんとか言っているようだ。

こっちにいる本物の刑事が、「これはニセの警察です、こういう手口なんです」とささやく。

姉はそうとうに混乱していて、この人もニセ警察じゃないか、などと思いはじめ(自分が呼んだのに)

いったい何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってきた。

母がつい「こっちにも警察がいるよ」と言ってしまったので、本物の刑事が電話に出て、

ニセ警察と、本物の警察同士でやり取りしたすえ、すんでのところで犯人を逃してしまった。

が、お金は無事だった。



という顛末。



これが世に言うオレオレ詐欺か。

「私がいながら・・・」と姉はしばらく落ち込んでいた。

すぐに会社に確認すればよかったのに、誰にも言えない個人的な借金だったら、などと

余計な推理をしてしまったのがいけなかった。

人は、いったん思い込んでしまうと、それを軸にしてストーリーを作ってしまう。

そこが相手の思う壷。

それにしても、こんなふうにしてお金を騙し取って平気でいられる人がいるのだなァ。

人は誰でも、自分が与えたものを受け取るようにできている。

その人達が受け取るものは、いったいどんなおどろおどろしいものだろうか。
















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かゆいところに手が届く

2019-01-28 18:32:12 | 日記
地球のいろんなところで、ここ数日は寒くなっているようで、ハワイも肌寒い風が吹いている。

ダウンジャケットを着ている旅行者もいる。

確かに肌寒い感じがするし、寒さに強い私も長袖のTシャツを着ているが、

日本の寒さに比べたら、暖かいもいいところだ。

あの、背筋が伸びるのを通り越して、背中が丸まってしまう冷たい空気。

ああ、日本は寒かったよナァー、と言いつつ、日本で毎日はいていたユニクロのヒートテックを

再び引っ張りだしてはいている。

ハワイに戻ってくれば、またしっかりこっちの気温に身体が慣れてしまうらしい。



さて、ファミリーフレンドの一人、リーが本土に引っ越すことになった。

最小限のものを持ってゆくため、物の処分に奔走している。

たかが4年しかたっていない我が家でも、物は増えるいっぽうなのだから

45年も住んだ家には、うんざりするほどの物があるに違いない。

リーが、日本の器とかこまごましたものがあるから、欲しいものは持っていって、

というので見に行った。

日本の絵付けのお皿や、急須のセット、お箸もある。

その中で見つけたのが、これ。




なんていう名前?

おろし器に残った生姜なんかを、こそげとるヤツ。

私は日本で買ってきた、セラミックのおろし器を使っているのだが、

真ん中のギザギザの間に、まだたくさん生姜やニンニクが残っているのに取りきれずにもったいない。

これをずっと探していたのだった。

まだ日本の店頭で売られていた状態のままになっていた。

「これ、なんだかわかる?」

と、リーに聞いたら、困ったような顔をして首をふった。

誰にもらったのかもわからないという。

私なら、よくわからない用途のものは捨ててしまうかもしれないのに、よくぞ捨てずにいてくれた。

こういう、かゆいところに手が届く商品は、日本の十八番。

ありそうで、ない。

ないから、作るのが日本。

なけりゃ、ないでなんとかなるからいいじゃん、ていうのがココ。


さっそく、生姜をおろして、ギザギザの間にたまった生姜をチョイチョイとこそげ出すと

ぞくぞく生姜が出てくる。

今回、日本で生姜をおろしたとき、それほど真ん中のギザギザに生姜が残らないことに気づいた。

日本で売っている生姜は、繊維が少なくてみずみずしい。

ハワイで買う生姜は、見た目は日本と同じだけれど、やたら繊維があってヒネているのだ。

ハワイの生姜こそ、これが必要。

貴重な刷毛の部分が折れないよう、細心の注意を払って大切に使っている。






















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お金、という名の。

2019-01-27 18:19:47 | 日記
3週間ほど前に、同僚に20ドルを貸した。

その同僚は大喧嘩の末、夫と住んでいた家を出たばかりで、一人で暮らしている。

夫から銀行から現金を出せないようにされていて、手持ちの現金がないのだ。

その後、私は日本に行き、戻ってきて、さらに1週間。

同僚は、いっさいそのことに触れてこない。

私の心が、ざわざわとする。




20ドル(2200円ぐらい)が戻ってこなくても、私は困るわけではない。

同僚のおかれている状況はわかるし、20ドルはあげたものと思えばいい。

仮に催促して、返したいのに返せないのだったら辛い思いをさせてしまう。

だからこのまま、なかったことにするのは簡単に思えた。

それなのに、どうにもすっきりしない。

私の本音はどこにある。


あまりにすっきりしないので、友人にメールした。

『うん、わかるよ。あんたは筋を通したいんだね』


それだ。

返せないのなら、それでも全然かまわない。

ただ、借りたことを忘れてないということを、私は知りたいのだ。

私が誰かにお金を借りたら、私はそのことを忘れない。

私だって忘れることがあるかもしれないのに、そういう傲慢な思いが、ある。

そういう自分の傲慢さを知りながら、それでもまだ「私の」筋を通したくてたまらない。


たかが、お金じゃないか。

それも2200円ぐらいの。

あげてもいいお金なら、べつにいいじゃないか。

お金をボールペンにたとえてみよう。

3週間前にボールペンを貸したけど、まだ返してもらってない。

私は同じようなボールペンを何本も持ってるから、それが戻ってこなくても別に困りはしない。

それがお金になるだけで、なぜ気持ちがぎくしゃくするのだろう。



迷った末、催促はしないことにした。

今どうしても私に必要なものでないなら、あげたことにして忘れよう。

そう決めた、そのあとで、私は同僚に聞いていた。

「あのお金、返してもらえたり、する?」

私が自分のめんどくささにげんなりするのは、こんなときである。





給料日前で返せない、と同僚は言った。

借金を申し込むのは勇気がいるだろうと思う。

返したいのに返せないときに催促されたら、とても辛いと思う。

そう思っていながら、自分の筋を通したい本音を抑えることができない。

こうありたい、こうあるべき自分より、こうしたい自分を選んでしまう。

さんざん、こうあるべき自分で生きてきた私が、である。



前述の友人が、こうも言った。

『借金をするのも、返さないでいるのも案外平気な人だっているんだよねー』

たぶんそうなんだろう。

私が相手の気持ちをどんなに忖度したところで、それは私の想像の域を出ない。

だったら、シンプルに自分がしたいと思うようにすればいい。

と、思うのだけれど、そして、時にはシンプルにそうすることもできるのだけれど

お金となると、グズグズと尾ひれがついてくる。





理想よりも、本音を採用することができるようになったのは私には喜ばしいことである。

けれども、ときに等身大の自分に複雑な思いがするのもまた、事実である。















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ユニクロハワイの盲点

2019-01-23 07:55:04 | 日記
ハワイに日本と同じようなユニクロができて、私は幸せだった。

リラコだってハワイで買える。

ああもうこれで洋服はユニクロだ、と思った。

ハワイ限定のワンピースも買ったし、夫もハワイ限定の北斎Tシャツを買った。

しかし。

盲点があった。

私が買ったのと同じワンピースを着た人を、3人見た。

夫と同じTシャツを着た人は、4人見た。

ユニクロの服は、かぶる、かぶる。

狭いハワイ、洋服がかぶるのはユニクロに限ったことではないけれど

ユニクロの服は目立つ。

買ったワンピースは着易いし、とても気に入っているのだが、

ホノルルには着ていけなくなった。

私が住む田舎では日本人も少ないし、まだユニクロの服だとわかるものを着た人に会っていないので

せいぜい出歩けるのは近所のショッピングモールどまりか、あとはハウスウェアである。

これじゃ、ユニクロで買えるのはキャミソールとか下着とか、パンツしかない。

今回日本で、ほんもののユニクロに行ったけれど、当然ながら冬物ばかりで買うものがない。



ハワイにユニクロができて、私は幸せだった。

ああ、それなのに、ユニクロで買った服を着てゆく場所がない。















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