特に私を騙そうとする。
御しやすいと思っているのだろうか。
彼女の虚言は、たいがい未明に放たれる。
そう、私が酔っ払ってお帰りあそばした際である。
愛想よく出迎えてくれる彼女。
ひとしきりピョンピョン跳ねて飛びついてくれた後、
ご飯スペースに直行である。
で、「あたし、ご飯まだなの。可哀相でしょ」ビームを発射なさる。
で、ゴキゲンなあたしゃ、
「おお、そうか、そうか。可哀相になあ」とフードをくれてやるのでありますが、
そりゃ、真っ赤なウソ。
私の数倍ちゃんとしている奥さんとチビ。
ご飯を忘れるわけがありません。
実に嬉しそうである。
で、こやつがズルイのは、
泥酔して帰った際は絶対に出てきませんね。
ムチャされるのがわかるんだろうなあ。
まったく冷たい野郎である。
でも、酔っ払うと犬を触りたくなるんだよなあ。
お星様になってからもう五年ほど経つ、
奥さんの実家で飼ってたゴールデンのメリー。
バブーだったチビ、そしてお義父さんである。
農機具を置く長屋に犬小屋があったんだけど、
こいつがまたイイ奴でねえ。
仕事を終え、
大酔っ払いで奥さんの実家に帰ったあたしゃ、
メリーをだっこしたまま、よく犬小屋で寝てました。
40キロ近くあったメリーは温かくて幸せだったなあ。
で、その度に、
「HAPPYMANちゃん、
人間はおうちで寝なさい」と起こしてくれたお義母さん。
いやあ、申し訳ありませんでした(笑)
そうだ、今日はホワイトデーだ!