迷える羊のメモ帳

こんな言葉 あんな花に癒されて生きる

メモ帳171ページ目 咄嗟の出来事    

2011-12-19 11:06:50 | 日記
先週土曜日、ほぼ満員の通勤電車内で、二人連れの大学生が
携帯電話を手にして笑いながら会話をしていた。

先頭車両が駅ホームに入った時、大学生の一人が突然何かを
わめきながら倒れ、体を硬直させ、白目を剥いて痙攣を起こし
始めた。
乗客の目線は、彼がわめいた時に集中状態にあり、ドサット倒
れた瞬間を目にして、おろおろするばかりだった。

その内、「緊急停止ボタン」を押して下さいと声が響いた。

その時でした、遠巻きにおろおろする人達をかき分けて、赤ちゃん
をおんぶしたお母さんが、「待って」と叫ぶ、この車両は4号車、
ホームに入るまで何秒も掛からないのでホームに入ってから押し
ても同じ事ですと言い切った。

彼女の瞬時の判断は、連れの学生に家族への連絡と病歴を聞い
て下さいと指示するが学生寮に住んでいて、家族の連絡先が解か
らないと云う。では頭を静かに横にしてあげてという、意識はあるの
で身体を揺すらないでとも言った。
今、私達に出来る事は側にいてあげる事しか出来ないのですから・・

「緊急停止ボタン」が押され、インターホン越しの会話が始まった。
押した人も責任上あらかたの説明をしてくれ、的を得てて乗客の心
をも包み込む様な暖かなものだった。その後は彼女の言葉を代弁
する状況だった。特に医療関係者には見えなかったが、逞しいお母
さんの大きな優しさと勇気ある行動に、パニック状態の乗客も救わ
れた思いだった。咄嗟の出来事に何も出来ない不甲斐なさを改めて
知った日でした。

自分は健康であると信じこんで、通勤電車に乗っているが、いつも
独りである。万が一の事があった時は、このお母さんのような方に
側にいて欲しいと痛感した。


冬将軍の居座りで寒い日が続いている。2011年も残り僅かになりま
した、サービス業で働く私は大晦日まで出勤する約束を交わした。
去り行く落ち葉のごとく、今年を無事に終わらせたいと願っている。





コメント (2)
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