ウイルスの恐怖映画といえば20年ほど前のダスティン・ホフマン主演「アウトブレイク」が有名。
それに比べると、ウイルスの致死率がより現実的な20~30%に設定された「コンテイジョン」は、スリリングというよりひたすら不気味な映画だ。
不気味さを増幅さすのにBGMは歌詞が無い。
スティーブン・ソダーバーグ監督はウイルスを“見せる恐怖”に興味はなく、“見えない”から潜在的に潜んでゆく、心理的な怖さを知っている。
ウイルスの世界的な進行を「発生×日目」というテロップ付きで仮想体験し、素っ気ないほど冷徹なタッチで映画の流れを血の通っていないような低温状態にする。
フリーランスのブロガーが発信する、出すぎた情報が事態の混乱に拍車をかける部分も、いかにも今風。
豪華キャストの上手い配し方にも感心させられた。
グウィネス・パルトロウ扮するアジア出張帰りのキャリアウーマンがいきなり発症し、病院で無残に開頭される描写には驚き。
マット・デイモン演じる夫が医師から妻の死を説明されてもまったく現実を認識できず、「で、いつ妻に会えるんです?」と聞き返すシーンが生々しい。
このグウィネス死亡の映画の始まり的な「つかみ」を、その後の感染経路特定のサスペンスに活用する構成が「次が早く見たい」というワクワク期待感へと高揚さす。
リアルで不気味さを増幅させる「うまさ」のおかげで、上映中には咳払いひとつさえ気兼ねするし、他人と同じ息を吸うのさえ、怖さを感じる錯覚にハマッテしまった。
それに比べると、ウイルスの致死率がより現実的な20~30%に設定された「コンテイジョン」は、スリリングというよりひたすら不気味な映画だ。
不気味さを増幅さすのにBGMは歌詞が無い。
スティーブン・ソダーバーグ監督はウイルスを“見せる恐怖”に興味はなく、“見えない”から潜在的に潜んでゆく、心理的な怖さを知っている。
ウイルスの世界的な進行を「発生×日目」というテロップ付きで仮想体験し、素っ気ないほど冷徹なタッチで映画の流れを血の通っていないような低温状態にする。
フリーランスのブロガーが発信する、出すぎた情報が事態の混乱に拍車をかける部分も、いかにも今風。
豪華キャストの上手い配し方にも感心させられた。
グウィネス・パルトロウ扮するアジア出張帰りのキャリアウーマンがいきなり発症し、病院で無残に開頭される描写には驚き。
マット・デイモン演じる夫が医師から妻の死を説明されてもまったく現実を認識できず、「で、いつ妻に会えるんです?」と聞き返すシーンが生々しい。
このグウィネス死亡の映画の始まり的な「つかみ」を、その後の感染経路特定のサスペンスに活用する構成が「次が早く見たい」というワクワク期待感へと高揚さす。
リアルで不気味さを増幅させる「うまさ」のおかげで、上映中には咳払いひとつさえ気兼ねするし、他人と同じ息を吸うのさえ、怖さを感じる錯覚にハマッテしまった。