Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

トゥ・ザ・ワンダー

2013-08-18 06:33:39 | 映画
手法にはいつも異質を感じる監督。
カムバック作「シン・レッド・ライン」そして「ニュー・ワールド」と、いっそう我が道を往く彼は、当り前の物語り術などには見向きもせずに、詩的映像へと観客を巻き込む体感映画を究めてきた。
2011年、カンヌを制した「ツリー・オブ・ライフ」に続く本作は、これを映画と呼んでいいのかと頭をもたげる正しいファンをねじ伏せる手をかけ驚かさせてくれる。
パリで生まれオクラホマで立ちつくす男女と、もうひとりの女の愛憎をみつめる映画は、愛の寄る辺なさを睨み、逝ったロマンス。
作家の芯に染みついた叙情性の輝きが、新世界アメリカ対旧世界、自然と文明、人と神といった命題を照らしもして有無をいわせぬ力をつきつけるのだ。
重力を超えた揮発性の、天上的な、浮力に満ちたヒロインといかにも異なるファム・ファタル、ロシア文学をも思わせるやっかいさで存在の耐え難い重さをつきつけ、そのくせくるくると愛のダンスのターンを決めるだけで日々の暮しを寄せつけない彼女の掴み所のなさ、身の裡の奥深くで静かに発光するような在り方を体現するオルガ・キュリレンコを得たことも新作の大いなる官能の要因として見逃せない。
ただし注意、興味の無い方は絶対に寝ますよ。