待ち焦がれました。クリストファー・ノーランによる“バットマン”3部作が「闇」を見据えた物語だとすれば、“鋼鉄の男マン・オブ・スティール”のビギニングを描くこの映画は、「光」を見出す映画なのかもしれない。
異星クリプトンに生まれ、地球で育ったカル・エル／クラーク・ケント。
異性人だからこそ持ち備えた、特殊能力に苦しみ、なるべくなら人目を避けて生きてきた彼の幼少時代はアウトサイダーなのかも知れない。
そんな中でも地球での父母は慈愛に満ちた眼差しで彼の心の光絶やす事無く、クリプトン星の実父の想いもまた、彼の生き方に輝きを与えていく。
ラッセル・クロウ、ケビン・コスナーそしてダイアン・レインにおよぶ親達の豪華リレーに酔いしれる。
まさかの名演。
そして主人公の内面的な性格の根本に親の愛情を濃く反映させるあたり、製作のクリストファー・ノーランらしい緻密さを感じる。
このあたりが今までに無い切り口である。
あくまでもコレは序章。
こう言った生い立ちが描かれるからこそ、彼の思いがわかるような気がする、同化できる。
そして“内面の葛藤”を描くからこそ、映画の半分を占めるバトル・アクションもこれに連動し、“外面の葛藤”として怒濤の激しさを帯びていく。
これはザック・スナイダー監督の真骨頂。
とにかく速い。
瞬きする間に攻守がすっかり逆転する。
鋼鉄の男は希望を身にまとい死闘を繰り広げる。
さらに２倍３倍に映画オ見ている高揚感を維持するのはＢＧＭが奏でるシンフォニー。
躍動のリズムが、主人公の決断を力の限り後押しし、眼の前に広がるビジュアルをダイナミックに鼓動させていく。
この高揚をダークナイト以降に待っていた。
まさにヒーロー物の醍醐味。
スーパーマン誕生から75年。
前回の映画は２５年前。
歴史は古いが、アプローチは新しい。
ちなみの僕が一番興奮レッドゾーンに入ったのが、映画が終わってエンドロールに入る瞬間。
この映画が終わる時点で初めてタイトルが出てきて、ＢＧＭで盛り上げる。
もう～たまらん。
これぞスーパーヒーローの王道です。