映画はただ見るものではなく、体験するもの。
いい映画であればあるほどそう思える。
そういう意味でも、「6才のボクが、大人になるまで。」は驚くべき映画。
これほど豊かな、しかもパーソナルな“体験”を実感させてくれる映画はこれまで見たことがない。
映画はそのまんますぎる邦題のとおり、1人の少年の12年にわたる成長を写しとっている。
ドキュメンタリーではなくドラマだが、画期的かつ奇跡的なのはこれが実際に12年の月日をかけて(毎年数日ずつ)撮影されているということ!
オーディションで白羽の矢を立てた少年エラー・コルトレーンがメイソンというキャラクターを演じ、そこには当然、エラー自身の成長やキャラクターが反映されている。
12年後にどうなるかなんて、撮り始めたときにはわからない。
ああ、こんなにリスクだらけの賭けに出るなんて。
なんて勇敢なクリエーターなんだろう。
2時間40分の間、ことさらドラマティックな出来事が起こるわけではない。
なぜなら、映画の主役は“時間”そのものだから。
離婚した両親に振り回されて理不尽な思いをしたり、喪失や孤独、初恋といった感情を知っていく。
そのささやかな瞬間瞬間の積み重ねが、見る者の心を震わせずにはおかない。
まるで自分のことのように体験する映画の時間は、またたく間に過ぎていく。
1年ごとに変貌し、顔つきも心も精悍になっていく少年の姿に、美しくも残酷な“時”をリアルに感じながら。
そしてこの映画は、少年の物語であると同時に家族の物語でもある。
父親と母親、姉にも等しく時は流れているから。
ひたすらガキっぽかった父は、父としてそれなりの成長を見せる。
イーサン・ホークの味わいは絶品。
一方でパトリシア・アークエットが終盤で吐露する母親の思いはものすごくせつなく、誰もが共感せずにはいられない。
そして人生は続く。
別の物語に、再び会える日が来ればうれしいと思う。
いい映画であればあるほどそう思える。
そういう意味でも、「6才のボクが、大人になるまで。」は驚くべき映画。
これほど豊かな、しかもパーソナルな“体験”を実感させてくれる映画はこれまで見たことがない。
映画はそのまんますぎる邦題のとおり、1人の少年の12年にわたる成長を写しとっている。
ドキュメンタリーではなくドラマだが、画期的かつ奇跡的なのはこれが実際に12年の月日をかけて(毎年数日ずつ)撮影されているということ!
オーディションで白羽の矢を立てた少年エラー・コルトレーンがメイソンというキャラクターを演じ、そこには当然、エラー自身の成長やキャラクターが反映されている。
12年後にどうなるかなんて、撮り始めたときにはわからない。
ああ、こんなにリスクだらけの賭けに出るなんて。
なんて勇敢なクリエーターなんだろう。
2時間40分の間、ことさらドラマティックな出来事が起こるわけではない。
なぜなら、映画の主役は“時間”そのものだから。
離婚した両親に振り回されて理不尽な思いをしたり、喪失や孤独、初恋といった感情を知っていく。
そのささやかな瞬間瞬間の積み重ねが、見る者の心を震わせずにはおかない。
まるで自分のことのように体験する映画の時間は、またたく間に過ぎていく。
1年ごとに変貌し、顔つきも心も精悍になっていく少年の姿に、美しくも残酷な“時”をリアルに感じながら。
そしてこの映画は、少年の物語であると同時に家族の物語でもある。
父親と母親、姉にも等しく時は流れているから。
ひたすらガキっぽかった父は、父としてそれなりの成長を見せる。
イーサン・ホークの味わいは絶品。
一方でパトリシア・アークエットが終盤で吐露する母親の思いはものすごくせつなく、誰もが共感せずにはいられない。
そして人生は続く。
別の物語に、再び会える日が来ればうれしいと思う。