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スピルバーグ続き

2018-04-21 09:44:11 | 映画
何をやらしても、すごいの一言に尽きるスピルバーグ。
人気キャラクターがことごとく登場し、権利や契約は「どうなっているんだ?」的なことを解決できるのも、スティーブン・スピルバーグの偉大さを象徴する。
実績のない監督がこんな企画に手を上げても「お帰りください」と製作側からは拒絶されるのがオチ。
おまけに娯楽作品化と思いきや別では、ジャーナリズムの尊厳に迫った社会派「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を同時進行で仕上げてしまうのだから、その天才ぶりに目眩が起こりそう。
アーネスト・クラインが2011年に発表した原作小説「ゲームウォーズ」は、VR(仮想現実)ワールド内に隠された開発者の遺産を目指し、登場人物たちが争奪戦を繰り広げるデジタル時代の「宝島」。
しかし本作が最も衝撃的だったのは、世界の名だたるアニメやコミック、映画のキャラクターを一堂に集め、加えて有名映画やゲームの舞台までをも再現し「ポップカルチャー大集合」の狂騒をもたらしたところ。
映画と原作とでは出てくるキャラに異同はあるが、スピルバーグはそんなポイントを見事に踏襲し、誰もが実現不可能と思われた映像化を果たした。
とはいえ、キャラ大競演だけがこのSF超大作の本質ではない。
そこにはVRというオルタナティヴな世界に対する、スピルバーグなりの思想が太い幹としてある。
かつて「ジュラシック・パーク」(93)や「マイノリティ・リポート」(02)がそうだったように、氏は人為的な事象コントロールを是とせず、そんなテクノロジーの窪地に足をとられてしまう危険性に言及している。
だがいっぽうで、監督はVRの快楽性をノリノリの演出で魅せるのだから悪趣味だ。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンや「AKIRA」の金田バイクが入り乱れるドラッグレースは視覚的な興奮をビキビキに放っているし、そういう意味では笑いを標榜しながら、大スペクタクルを描くためにそれを放棄した戦争コメディ「1941」級にパワーバランスの崩壊した作品といえる。