Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

ジェイク・ギレンホール②

2019-07-12 08:15:38 | 映画
初監督作でこのセンスのよさ、このクオリティに驚く。
演技派の代表格となった俳優は、パートナーとのコラボ脚本で、余韻にひたひたと浸れる映画を創り上げる。
モンタナ州の田舎町。
14歳の主人公は仲の良い父(ジェイク・ギレンホール)と母(キャリー・マリガン)のもとで、穏やかな日々を送っていた。
父が失業したことで、少しずつ夫婦にほころぶ。
突然、山火事の消火に行くと言い出した父。
「逃げてるだけ」と言い、濃い化粧をして出かけるようになった母。
変わっていく家族のなかで、次第に主人公にも変化が訪れる。
初めて自分でモノを作るように、丹念に大切に、自身の思いを1シーン1シーンに封じ込めたように感じる。
大切な空間のなかで、登場人物たちがしっかりと息づいている。
心は通じ合っているものの、なすすべもなく壊れていく夫婦。
その様子を見つめる主人公。
母の「女」の一面を見てしまった彼の戸惑いや嫌悪。
父の残念な一面を見てしまったときの静かな諦観。
14歳の少年の多感が画面から溢れ出る。
まだ30代の父と母もまた「心を燃やすなにか」を探す、大人になりきれない、そんな男と女。
それに気づいたとき、子は大人になっていく。
主人公が父に勧められたアメフトを辞め、街の写真館でアルバイトをはじめるくだりがいい。
おとなしく穏やかな少年が、自力で自分の居場所を見つけていく。