知る喜びと、撮る喜びのつぶやき通信  (読める限り読み文章にする。 歩ける限り撮り続ける『花鳥風月から犬猫太陽』まで)

興味のあることは、何でも調べて文章にする。   写真は「光と影」と言われるが、この理解には、まだまだ、ほど遠い.

『江戸のUFO?「うつろ(虚)舟」(久し振りの夢のある話題?)』 ―この記事を読み、UFOの実在を信じられるかと思ったのですが?ー

2022-01-01 09:58:01 | 科学・数学・物理

      『江戸のUFO?「うつろ(虚)舟」(久し振りの夢のある話題?)』

  『この記事を読み、UFOの実在を信じられるかと思ったのですが?』

うつろ船に関する古文書・記録等は、すべて江戸時代のものですが、乗り物のデザインと描かれた人物の服装は、西洋人の女性に見えます。 

弘賢随筆に描かれた「うつろ舟」(国立公文書館所蔵)

ウエブ情報から引用

コロナ禍のもとで、久し振りに夢のある話題でした。 日経新聞文化欄(20201106付け)に田中嘉津夫氏(岐阜大名誉教授)のエッセイ『江戸のUFO?「うつろ舟」―茨城に残る美女が乗った漂着船奇談、文献探し当て謎に迫るー』が載っていました。 この記事を読み、いままで如何しても理解できなかった古代史の不思議なことに益々興味が湧いてきましたが疑問が残りました。 

先ずは、記事の抜粋・引用です。

『江戸の後期1803年のこと、常陸国(茨城県)の海岸に円盤状の船が漂着した。 その中には美しい女性がひとり乗っていた―――。 まるでUFO遭遇談のようなこの事件は「常陸国うつろ舟奇談」と呼ばれる。 現在までに11種14編の古文書で確認されており、いずれも現代のUFOそっくりの船の挿絵入りという特徴がある。

当時この事件の文献として判明していたのは「南総里見八犬伝」で有名な曲亭馬琴らが書いた奇談集「兎圓小説」(1825年)と長橋亦次郎の随筆集「海の塵」(1844年)の二つだ。 「兎圓」の記事には三角形や丸をかたどった謎の「宇宙文字」4文字も記されている。

「宇宙文字」4文字(この文字とカタカムナ文字がとてもよく似ている)

ウエブ情報から引用

カタカムナ文字(カタカムナ文字は少なくとも12,000年以上前に使われていた古代文字であり、現在では失われていて詳しい資料も残っていない。)

ウエブ情報から引用

うつろ舟はうつぼ舟」とも呼ばれ各地に漂流伝説が残る。 柳田国男は1925年に論文「うつぼ舟の話」で「兎圓」は各地の伝説であり、実際事件ではないと断じた。 2007年にはネットを通じて「漂流記集」を知る。 これは日本人の漂流と外国人の漂流事例を記録した実話集だ。

その後も数年ごとに新資料の存在が明らかになり、そのたびに現地に駆け付けた。 そして14年。 ついに画期的な文献に出会う。 それは甲賀流忍術を伝える伴家の古文書で、各地の出来事を尾張藩に報告する風文禄と目されるもの。 

ここに記録された「常陸原舎り濱」は伊能図にある実在の地名だった。

挿絵はどの船も球形で、窓らしきものが3つ。 中央に縁があり下部は筋金で補強と、構造は同じだ。 何の証言もなく、この形状が発想され、共通するものか。

深まる謎の黒幕と私が考えているのが「兎圓」の馬琴だ。 茨城県には、インドから「うつろ舟」に乗ってやってきた金色姫が養蚕をもたらしたという伝説もある。 この養蚕信仰を伝える星福寺と馬琴の関係は深い。

 

また「兎圓」に記された宇宙文字は、謎の「蘭字枠」で縁取った風景画と近似しておりこの絵の作者・渓斎永泉は南総八犬伝の挿絵を描いている。 馬琴の足跡がうつろ舟奇談の周辺に見付かるのだ。 昨年調査をまとめた英語版の研究書を刊行した。

ウエブ情報から引用

一方、ウエブ情報ですが、次のようにありました。

最も著名な事例が後述の1803年常陸国のものであるが、それ以外にも1796年加賀国見屋のこし1681年尾張国熱田沖越後国今町、正徳年間伊予国日振島、1883年神戸沖などの記録がある。

虚舟の伝説の中でも最も広く知られているのは1803年に常陸国に漂着したとされる事例である。 この事例に言及した史料は現在までに7つが確認されており、内容には若干の異同がある。 その内容は概ね以下のようなものである。

  • 享和3年(1803年)、常陸国鹿島郡にある旗本(小笠原越中守、小笠原和泉守などとされる)の知行地の浜に、虚舟が現れた。
  • 虚舟は鉄でできており、窓があり(ガラスが張られている?)丸っこい形をしている。
  • 虚舟には文字のようなものがかかれている。
  • 中には異国の女性が乗っており、箱をもっている。

2014年5月26日付けの「茨城新聞は川上仁一の忍術を伝える伴家の古文書から「うつろ舟奇談」に関わる史料があり、漂着地の実在地名が「常陸原舎り濱」(現在の神栖市波崎舎利浜)と記され、具体性があると岐阜大学の田中嘉津夫名誉教授が発見したと報じた。 江戸時代のUFO飛来事件ではないかとも言われている。

更に、次のような情報もあり、これからの課題が残りました。

しかし、それよりも100年以上も前の1699年、尾張藩士・朝日文左衛門の日記『鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)』にも、熱田の海に「空穂船」が漂着したという、うつろ舟に非常によく似た話があるのです。

茨城県で見つかった絵に描かれている女性は、髪型や衣装を詳しく調べてみると、地元に伝わる「金色姫」の女神像とそっくりなのだそうです

ウエブ情報から引用

金色姫は、養蚕に関する伝説に登場し、繭(まゆ)の形をした舟で海に流されたという伝説まで残されています。

うつろ舟に描かれた文字は、宇宙文字ではない(「宇宙文字」4文字はカタカムナ文字がとてもよく似ている)

 ウエブ情報から引用

 「勢州桑名渡」の浮世絵(絵の枠に文字が描かれている部分は蘭字枠と呼ばれて、舶来っぽさを出すための演出と言われています。「宇宙文字」4文字のカタカムナ文字がとてもよく似ている)

うつろ舟も乗船していた女性と、その女性が持っていたハコも、うつろ舟の設計もデザインも、謎が深まり、疑問・課題が残った。

(記事投稿日:2020/11/07 #242)

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『すでに始まっている「デジタル革命」百科事典が家庭から消える』       ―スマホかタブレットで、大概のことは調べられる、将に、マイ図書室に!―

2021-09-24 07:50:18 | 科学・数学・物理

   『すでに始まっている「デジタル革命」百科事典が家庭から消える』      

  ―スマホかタブレットで、大概のことは調べられる、将に、マイ図書室に!―

 

1年ほど前になりますが、日経新聞文化欄に柴門ふみさんのエッセイ『デジタル革命』が載っていました。 この記事を読んでから、スマホを持ってなくても散歩がより楽しくなりました。 皆様もぜひ!

 

『すでに皆様、ご存じと思いますが、スマホか、タブレットで写真を撮るだけで、その名前と特徴とが表示される。

 

グリーンスナップは、花や観葉植物、ガーデニングの写真を共有できるSNSアプリです。 グリーンスナップは単なるSNSではなく、花や植物に関連するコンテンツも充実しています。

 

植物の育て方や特徴を調べることができる「植物図鑑」をはじめ、植物名を入れた「植物タグ」や「観葉植物」「鉢植え」「インテリア」など、関連するタグから写真や投稿を検索し、他のユーザーと情報交換ができる機能があります。 

さらに、花や植物の写真を撮ると、AIが自動判定して名前を教えてくれ、写真を投稿して人力検索で回答してもらえる「教えて!カメラ」や、植物の育て方や名前を質問できる「みんなの相談」など、植物好きにはたまらない機能が盛りだくさんです。

 

グリーンスナップ上で時折開催されるキャンペーンやコンテストもあって、アンケートに答え、コンテスト対象となる花の写真を投稿すると、ステキな景品が当たります。

 

調べるも良し、交流するも良し、アルバムを作るも良しで、グリーンスナップは植物好きならいろいろな楽しみ方ができるアプリです。

グリーンスナップのスマホアプリはこちらからどうぞ。

 

では、グリーンスナップの「教えて!カメラ」で花の名前を調べてみましょう。京都の中心部、御池通の歩道には花壇があって、四季折々の花を楽しむことができます。

 

5月の初めからあじさいがとてもきれいに咲いています。まずは「教えて!カメラ」であじさいを撮影して、ホントに花の名前がわかるのかをチェックしてみましょう。

 

グリーンスナップの「教えて!カメラ」は、下部メニューの「調べる」から「教えてカメラ」をタップして、「写真を撮る」を選択すると使用できます。

 

スマホのカメラであじさいを撮影します。花が枠内に収まるように撮って下さい。

 

撮影した写真の右上にある「調べる」をタップすると、AIが画像を自動判定して花の名前を調べてくれます。画像の下にある「みんなからの回答を受け付ける」をオンにすると、他のユーザーから回答がもらえる人力検索も併用できます。

人力検索を併用する場合は、下にコメントを入れておくと回答してもらいやすくなりますよ。

 

しばらくしてAIが自動判定した名前は・・・あじさいでした。ご名答!あじさいは他の花と違ってわかりやすい特徴があるので、一発で正しい名前が出てきましたね。

あとは「これだ!」をタップして花の名前を確定させると、マイアルバムに画像が登録されます。名前が違う場合は、他の候補から選ぶこともできます。

 

続いて、「名前を教えて!」タグを付けると花の名前を教えてもらえる人力検索を使ってみます。このピンクの花は何て名前かなぁ・・・

 

花の写真を撮って「みんなからの回答を受け付ける」をオンにすると、投稿に「名前を教えて!」タグが自動的に追加されます。数分後にさっそく回答がありました。

回答があると、メニューの「お知らせ」に表示されます。

 

「お知らせ」をタップすると回答してくれた方がわかるので、回答を見てみましょう。さっそく「いいね!」を付けてくれた方もいますねぇ。

 

いただいた回答によると、この花はゼラニウムのようですね。念のため「これだ!」を押す前に、他のゼラニウムの投稿と見比べてみます。 確かに合ってるようです。

ちなみに人口知能からの回答は「ニチニチソウ」でした。う~ん、ちょっと違うなぁ(^^)。

下から「ゼラニウムの図鑑」にも飛ぶことができます。回答してもらった名前に確信が持てるまで調べてから「これだ!」を押してください。

 

「これだ!」をタップすると、投稿のタグが「ゼラニウム」に変わります。あとは名前を教えてくれた方に、お礼のコメントを送っておきましょう。

 

「教えて!カメラ」のウリは、人工知能(AI)が花の名前を自動判定してくれるところにあります。でも、今のところはまだ学習途上のようで、正解したのは10枚中4枚でした。

この黄色い花は「キンシバイ」ですが、人工知能の判定は「ハイビスカス」でした。まあ、確かに似てますけどねぇ。他の候補も全てハズレでした。

 

同じく黄色の花、こちらはビヨウヤナギという名前です。人工知能の回答はヒマワリでした。

 

キンシバイもビヨウヤナギも他の方から名前を教えてもらいました。 人工知能の判定がハズレでも、「名前を教えて!」タグを付ければ大抵はその日のうちに回答してもらえます。

 

「名前を調べる」の説明文には「70%の人が回答をもらい、そのうち90%が一日以内に回答をもらっています。」とあります。 花や植物の名前を調べるときは「名前を教えて!」タグを付けて、人力検索を併用するようにしましょう。

回答してくれた方に返事すると、その花についていろいろ教えてもらえますよ。こんな感じで交流できるのはSNSならではですね。』

 

世の中、便利すぎて怖いほどです。 人間の脳は機械の進化と競争していますが、どうなることやら・・・。 いまだに、スマホならぬ、ガラケーの少し上の『ガラホ』を使っている傘寿です。

(20200831纏め、20210924追補、#396)

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『世界の終わりはいつやってくる 1(もうすでに終わっている…?)』

2021-09-19 21:34:42 | 科学・数学・物理

『世界の終わりはいつやってくる 1もうすでに終わっている…?)

ものを書くというのは、素人ながら『沢山売って、印税を稼ぐため』と『純粋に啓蒙のため』とあると思います。 『結果その両方』になる場合はあります。 次の記事はウエブ情報ですが、どちらでしょうか。 

後で勉強のために備忘録に

『世界の終わりはいつやってくる』、すでに終わっている…?

次々と起こる大災害から、核戦争の脅威にいたるまで、なんだか不穏なニュースが増えてきたように思えます。もしや世界の終わりが迫っていたりするのでしょうか?  専門家に素朴な疑問をぶつけてみる、今回の「Giz Asks」シリーズでは、環境科学から生物学の分野にいたるまで、さまざまなスペシャリストへ、こちらのテーマで意見を伺ってみました。

 

快適な完新世が20世紀で終わった意味

回答者:Jan A. Zalasiewicz(スター大学・純古生物学教授)

いったいどの世界について話しているかによって、答えは変わってくるでしょう。 巨大な岩石としての地球という惑星そのものは、太陽が最終的に大爆発する50億年先まで存在し続けることになります。とはいえ、ダンテの地獄篇のようなもので、1つの世界が終われば、また新たな世界がスタートするという定義だってあるのです。

 

人新世(Anthropocene)は、人類が地球上の多くのプロセスに支配的な影響をおよぼすようになったときにスタートしました。 同時に、それは人類の文明において先を読みやすかった、これまで長く続いてきた快適な完新世(Holocene)の終焉を意味するものとなっています。 この完新世の世界は20世紀まで続いてきました。そのときまでも、数々の地球を揺るがす戦争や大異変が生じてきましたが、必ず自然の摂理で、再び異変や破壊は元通りになり、また癒された地球環境で新生活をスタートすることができたものです。

 

ところが、完新世が終わりを迎えたことにより、これまで知られていた世界は変わりつつあります。明らかに気候は変動しており、大気中に何兆トンもの二酸化炭素が放出されて、地球温暖化が進み、地表面の氷は溶けていき、海水の増加に伴って、水没する土地が増えています。生物圏に与えている影響もあります。森林やサバンナなどの自然は、都市や農地に変わっていきます。人類は生物学的な構造を変化させてしまったのです。こうした変化は、現在も進行中であり、恒久的な影響をおよぼしています。再び元に戻るよりも前に、どんどん状況の変化は加速していくでしょう。こうして人新世が発展していくことで、1つの世界が終わって、別の世界の始まりがしるしづけられます。人類は、人類および他生物を、未知の世界へと追いやっていくでしょう。

 

かつては、こうしたことが自分の生きているうちにはやってこないと考えていました。子どもたちや孫たちの世代の問題であり、自分たちの世代は、慣れ親しんだ環境のままだと考えていたのです。しかしながら、北極圏の氷雪の融解、気温の急上昇などの気候変動を見るならば、どうでしょうか? 毎年200億トンもの温室効果ガスを、人類は大気圏にまき散らし続けているのです。地球温暖化は、完全に自分たちの世代に始まっており、今後数十年で、こうした変化は無視できないものとなっていくことでしょう。これに社会はどのように対応し、生物圏はどのように反応し、どんなふうに技術的に対処することが可能になっていくのかは未知数であり、まさに非常に変動の多い時代を生きています。もはや人新世は、予想外に早く形成されつつあり、10年、20年前に考えられていたことは当てになりません。

 

世界の終わりが迫っている?という質問は真の歴史の始まり

回答者:Timothy Morton(ライス大学・英語教授、『Being Ecological and Dark Ecology: For a Future of Coexistence』などの著者)

この質問こそが、すでに世界は終わっていることを示すものです。非現実性および不確実性の感覚は、トラウマの兆候でもあります。交通事故に遭ったとしましょう。いま事故に遭っているのだろうと感じますが、実際の痛みは後ほどやってきます。地球温暖化は、すでに始まったのか? そう尋ねることこそ、すでにそれが始まっていることを示しているでしょう。この薬は、いつになったら効くのだろうと思って、すでに薬を飲んでいるようなものです。

 

「世界」という言葉は、自分の触れているすべての物事を指しているにすぎません。世界のなかにいるのではなく、すでに触れている物事が、自分の世界なのです。なにか物事を進めるとき、その周囲にある信頼できる環境というのは、揺れ動くので知覚できます。必ずしも、自然界である必要もないのです。

環境学の観点からは、もはや生物圏は信頼できる環境ではありません。これは忘れることができない事実です。ハリケーンは異常なスケールにまで発達し、地球の気温は燃えあがっています。そして、逃げ去ることはできません。もしトイレの水を流せば、下水処理場であれ、海洋であれ、あるいはほかのどこかであれ、必ずどこかへ流れていきます。どこかへ消え去ってしまうことはありません。人類は、いまやこのことを承知の上ですが、それゆえにファシズムのような活動も存在します。米国内の過激な人権運動家などが、グローバル化の反ユダヤ主義を国際協調や生物の多様性と結びつけ、国連地球サミットの1991年のリオ宣言やアジェンダ21に反対を唱えてきました。

 

でも、世界には必ず希望もあります。人は、皆のためにではなく、だれかのために働くものです。もし自分の周囲が見事に回っているとしたら、その世界の裏では、だれかが難民キャンプに追いやられていることでしょう。

つまり、いまや世界は、すでに終わっているのです。もう皆さんは死んでいます。これは死後の世界であり、つまりは、人類が非人類とも同じ土壌で共存していくことを始める、真の歴史の始まりでもあるのでしょう。

皆さんの直観というのは、正しいものではありません。それは悪夢です。これは救済になりますか? そして、すばらしい挑戦ではないでしょうか?

 

問われているのは人間社会の未来

回答者:Katharine Hayhoe(テキサス工科大学・大気科学者、政治科学教授、気候科学センター長)

この質問こそが、なぜこの問題に向き合うのが難しいかを象徴するものです。人類文明の終わりなどといった巨大なものを理解することはできません。増え続けるディストピアン小説や映画でも、その描写が試みられたにすぎません。

これは地球という惑星の終わりではありません。この惑星は、かつてもっと大変な状況も乗り切ってきました。これは人間社会の未来を問うものであり、気候変動の分野では短期間の、ほんの1万年ほどの間の勃興をめぐる問いなのです。

カエルやイセエビは、沸騰する湯のなかで気づいていないように、人類は、きっと戻れない地点に達するまで気づかずに、知らないうちに手遅れの状況を迎えるのかもしれません。

だからこそ、私は自分の仕事に取り組んでおり、さまざまな将来のシナリオのインパクトを、幅広い観点から探求しています。たとえば、気温が数度上昇することで、干ばつの危険、エネルギー消費の需要、水の供給などに、どのような影響がおよぶかといったシナリオです。直面するリスクを理解して初めて、それを避けられる可能性が生まれるのです。

 

イースター島の人々は、最後の木が切られたときに世界の終わりを知った。

回答者:Michael Mann(ペンシルバニア州立大学・大気科学名誉教授、地球システム科学センター長)

きっと70億を超える人々の文明を収容する世界というのは、イースター島の人々が世界の終わりを知ったのと同じ仕方で、その終わりを知ることになるのでしょう。イースター島では、最後の1本の木が切られたとき、その世界の終わりが訪れました。 われわれにとっては、最後の山脈の氷河が消えるとき、最後の主要なサンゴ礁が消滅するとき、北極圏で最後に夏の氷が解けるとき、太平洋に浮かぶ最後の海抜の低い島国が水没するときなどでしょう。このまま化石燃料を燃やし続ければ、ドミノ式で、これらの事象は次々と起きていくでしょう。つまり、選択肢は人類の手にあるのです。もし化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を、すでに進んではいるものの、もっと加速させることができれば、こうした暗い未来を避けることは可能です。政策立案者たちの行動が必要であり、われわれすべてが、本当にわれわれのために政策が立案されるように圧力をかけていかねばなりません。

 

備えあるべし

回答者:Seth Baum(Global Catastrophic Risk Institute共同創設者、ケンブリッジ大学・Centre for the Study of Existential Risk助教授)

地球的な大惨事という最悪のシナリオから考えれば、本当の終わりを迎えるまでは、まだ終わっていません。まだ数人でも人類が生き残っている限りは、生き延びて文明の再興だって可能です。究極の核戦争、疫病の大流行、気候大変動、火山爆発、隕石の衝突などなどが生じたとしても、この法則は当てはまります。 しかしながら、いくつかのシナリオでは、生存者が1人も残らないでしょう。 AIの大暴走や異星人の侵略、彗星の大爆発などが、このシナリオに当てはまります。とはいえ、後者の場合、事前に知ることは、できなかったり、そもそも全人類の滅亡を知り得る生存者がいないでしょう。

 

つまり、より実際的な観点では、ほとんどのケースで地球的な大惨事を回避するために、積極的に策を講じていかねばなりません。なぜなら、警報は当てにならず、生じ得る地球的な大惨事を生き延びて、そこから立ち上がるために、常に備えをしておくべきだからです。

 

「クライマックス」を超えたときに世界が終わる

回答者:Steven Petsch(マサチューセッツ大学アムハースト校・地球科学部助教授)

この質問に対する地球学者としての私の見解は、今後も少なくとも数億年は地球が終わることはないでしょう。とはいえ、もしこの質問が、人類を念頭に置いたものであれば、つまり、人類の知る自然な世界、そしてその世界に頼る人類社会やそのシステムに影響をおよぼすほどの大変化を、いつ地球は遂げていくのかがわかるのかと問われるならば、より現実的かつ非学問的に答えねばなりません。

私にとっては、人類の知る世界の終わりの兆候というのは、気候のクライマックスとなるポイントを超えてしまうときです。そのうち最速で訪れるのは、北極海で夏に氷が消えてしまうことでしょう。人類の歴史を通じて、北極圏は常に氷で覆われた海でしたが、その氷の面積は驚くべきレベルで小さくなっています。過去数年ごとに、30年前の半分以下の氷しか夏に見られないという現象が繰り返されてきました。今後もこの現象が続くと、もはや北極海には、夏の間に浮かぶ氷はないでしょう。

別のクライマックスとなるポイントは、地球温暖化のためにサンゴ礁が失われ、熱帯の海水面からpHが減っていくことです。現在は観光客の訪れと生物多様性の宝庫、重要な魚棚であったサンゴ礁は過去のものとなり、次々とサンゴ礁は死骸だらけになっていきます。今世紀の半ばには、これが現実となるかもしれません。小さなサンゴ礁が部分的に残っても、いま熱帯の海で見られる巨大なサンゴ礁は、すべて消え失せてしまうのです。

 

残念なことに、こうしたことが生じてしまうのは、ほぼ避けられなくなってきており、地球規模で徹底した策を講じなければ、次から次へと悲劇が訪れます。二酸化炭素の放出により、地球環境に実際に影響がおよぶのに何十年もかかったように、歯止めをかけるのも、すぐには効果が出ません。地球環境への悪影響を遅らせたり、完全にストップさせるには、エネルギーおよび食料システムに大々的かつ徹底した対策を講じねばなりません。こうして考えるならば、気候のクライマックスとなるポイントを超えようが、それを和らげたり、気候変動に適合できようが、すでに人類の知っている世界というのは、過去のものとなっているのでしょう。

(記事投稿日:2021/09/19、#392)

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『フクシマに学んだドイツの原発廃止と韓国のサウジ向け空冷式)』 ―地震大国日本では原発について、フクシマ原発事故の総決算を―

2021-05-09 16:13:14 | 科学・数学・物理

    『フクシマに学んだドイツの原発廃止と韓国のサウジ向け空冷式)』

―地震大国日本では原発について、フクシマ原発事故の総決算を―

 

人類が生存できてきた薄いベール状の気体に覆われた地球が、脱炭素社会の実現なくしては存続ができません。 現行の『核分裂エネルギー』による原発の安全と使用済み燃料保管問題の解決から、さらに開発途上の『核融合エネルギー』の原発への転換が、必要となっています。

 

現在の原発は、制御と安全維持に、厄介な問題を抱えています。 これを解決できるのは核融合エネルギーによる原発ですが、これも実現には別の難しい課題があります。

 

ドイツにはいろいろな事情・背景があるとは思いますが、この看板『追悼 3.11 福島』、とありますが、『忘れるな! 3.11 福島』の、原発廃止のキーワードと読めます。

ウエブ情報から引用

ドイツでは、日本ほど地震・津波の心配がないが、東京電力福島第1原子力発電所の事故の影響で、エネルギー政策を大きく変えました。 事故から4カ月後の2011年7月8日に、すべての原発を廃止するための法律を、議会で可決させました。

 

ウエブ情報下記を抜粋引用

I A E A(国際原子力機関) 2050年までの世界のエネルギー・電力・ 原子力発電予測(2020年9月)関連データ ―意欲的な見通しのケースでは、 2050年に原子力発電規模が現在の約2倍に―

(自然災害対策と使用済み燃料保管と汚染冷却水の処分が、最大の課題)

主要国のデータ (2019年)

主要国       総発電量            原子力発電量        原子力発電シェア

米国    41,948億kWh      8,094億kWh (1)     19.3%(15)

フランス    5,463億kWh      3,824億kWh (2)        70.0% (1)  

中国    70,234億kWh     3,301億kWh (3)      4.7%(25) 

ロシア   10,511億kWh   1,955億kWh (4)         18.6%(17)

韓国        5,552億kWh    1,388億kWh (5)      25.0%(13)

カナダ     6,285億kWh       949億kWh (6)      15.1%(21)

ウクライナ   1,410億kWh       781億kWh (7)       55.4% (2)

ドイツ     5,828億kWh       711億kWh (8)       12.2%(19)

日本        9.806億kWh       657億kWh (9)         6.7%(20)

スウェーデン  1,533億kWh       644億kWh(10)      42.0% (6)

スペイン    3,637億kWh       559億kWh(12)      21.2%(14)

英国          3,091億kWh       510億kWh(13)      16.5%(18)

ベルギー           896億kWh       414億kWh(14)      46.2% (5)

インド          15,074億kWh      407億kWh(15)        2.7%(28)

チェコ               801億kWh      286億kWh(16)      35.7%(10)

スイス               667億kWh      254億kWh(17)      38.1% (8)

フィンランド      660億kWh      229億kWh(18)      34.7%(11)

ブルガリア       393億kWh      159億kWh(19)      40.5% (7)

ハンガリー       316億kWh       154億kWh(20)      48.8% (4)

ブラジル       6,080億kWh      152億kWh(21)         2.5%(29)

 

現在、原子力発電シェアの極端に低い、中国・インド・ブラジルの大国が凄いスピードで原発化が進みます。 進めないと、空中の二酸化炭素削減どころか急増は避けられず、地球環境は大変な事態になります

 

日本では、核分裂 発電に代わって核融合発電が開発されても、現有の事故原発廃棄、使用済み燃料処理・汚染水廃棄・再稼働・現有原発寿命後廃棄等、先送り問題・課題が山済みの中で、ドイツの街中にあるような看板が日本に全く見られないことが不思議です。

 

福島第1原発『沸騰水型・BWR』の事故から10年を経て、2021年3月時点での日本国内で稼働している原発は9基(定期検査中のものも含む)。 いずれも、事故を起こした福島第1とはタイプが異なる『加圧水型・PWR』で、西日本に集中している。 東京電力は新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を目指しているが、今年に入って同原発での不祥事が相次いで発覚、地元の不信感は強まり、再稼働への道のりは険しくなった。

 

ウエブ情報から引用

 

倉本聰氏が言っている「原発の再稼働には絶対反対だ、原発事故の補償も復興も不十分、放射性廃棄物の処理もできないまま、苦難と戦う人たち沢山いる中で原発事故は、風化しつつある」と。

 

原発運転に『40年壁』は昔からあったが、『根拠薄い』との説もある。 中性子を浴びてもろくなった炉内部の構造、格納容器の上部に放射線を遮る構造がない等。40年延長説はどこから来るのか。

 

日本の太陽光発電コストは世界平均の2倍、陸上風力発電コストは3倍、特に太陽光発電コストは、中近東地域の6倍と言われる。 水素社会で期待の高まる水素もエネファーム内部で生成される水素の燃料は都市ガス、LPガスである。

 

先日、経済産業省が2030年の電源構成に関し、原子力や石炭火力などの「ベースロード電源」を全体の6割以上とする考えを示した。 このベースロード電源は、原子力・石炭火力・水力・地熱の4つ。 天然ガスや太陽光、風力発電などはベースロードではないとされる。

 

洋上風力発電の課題、今年3月14日の日経に『送電もワイヤレス』と、 三菱重工が実験成功、5年後の実用化も、とありました。 さらに将来、宇宙太陽光発電へと夢が広がります。

 

昨年3月25日の日立社のプレスリーリスで「原子炉自然冷却システムの実用化に向けた空冷技術を開発・電源を用いることなく原子炉を長時間冷却し、放射性物質の放出を抑制」とありました。

 

一方韓国は、今年3月3日に原発輸出をサウジと調印、これがなんとスマート原発、空冷型原発2基、将来17基の計画でした。 日本の原発は水冷式、それに比較し原発大国フランスは空冷式。 ただ空冷式といっても緊急事態の時はセーヌ川等の大河から水を取り冷却するシステムだそうです。 空冷の冷却方式は日本のような高湿度の国には向きません。 湿度が高いと蒸発が少なく気化熱が奪えないそうです。

フクシマの大変な後始末がありますが、ぜひ『災い転じて・・・』とすべく関係者にはご健闘をお願いします。 これからも『原発のことから』目が離せません。

           (20210509纏め、#328)

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『異常気象対策には「木を植えよう・プラスチック製品を減らそう」』 ―日本海側を中心に大雪になったメカニズムも元をただせば人災―

2021-01-11 11:40:30 | 科学・数学・物理

        『異常気象対策には「木を植えよう・プラスチック製品を減らそう」

       ―日本海側を中心に大雪になったメカニズムも元をただせば人災―

 

日経新聞社会欄に載っていました『日本海側の豪雪』。 この度の、大雪のメカニズムですが、判りやすいです。 

日本海側の豪雪は、西高東低の強い冬型の気圧配置が続く中、大陸側から雪雲が次々と押し寄せて日本海側に密集し大雪を降らせるのでよく知られています。

これをバイアス・増幅しているのが;

『偏西風蛇行』

大陸から日本に強い寒気の流れ込みが相次いでいる背景には、偏西風が日本付近で南に蛇行(南下)しているのでシベリア高気圧が強まり、寒気が流れ込みやすくなっている。

ウェブ情報『偏西風の蛇行の画像』より引用

❷『海水温上昇』

大陸から寒気が噴き出す日本海には、対馬海流(暖流)が流れ込む。 海面水温が高いために上空で対流が活発化し、大量の水蒸気が雪雲に変わっていく。

国土交通省気象庁のホームページより引用

日本近海の海域平均海面水温(年平均)の上昇率(℃/100年)

日本近海における、2019年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、 +1.14℃/100年です。 この上昇率は、世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.55℃/100年)よりも大きく、日本の気温の上昇率(+1.24℃/100年)と同程度の値です。

世界中、特に日本では、この風潮が酷い『僕、俺、私関係ねー』ですが、とは思いたいですが、気温上昇・異常気象に密接な因果関係を持っているのが、海水温上昇です。 一番厄介なことは、通常では、コスパ(コストパフォーマンス)を考えると、地球は冷やすことはできん。

 

昔のブログから抜粋・追補です。

『気候危機』の主原因は『CO2などの温室効果ガス』と、表裏一帯の関係の『海水温の上昇』です。 

『水の惑星』とは言えないほどの、地球上の水の量、質量ベースでは0.02%と極小さいが、海の面積は地球表面積の71%と大きく、平均水深も約4kmと、やはり『水の惑星』です。 従って有効な『気候危機』対策は、温室効果ガスの削減と、海水温の上昇抑制です。

特に、どちらも長期対策は地道な、『一人一本、木を植えよう』と『一人一人の徹底した省エネ』です。 世界には約30億人が現在でも、薪で調理しているので益々、重要です

この比熱の大きい(アンモニアに次いで2番目)大量の海水を保持し、その海水は、地球の気温の調整のバッファーとして機能し温和な気候の『水の惑星』を維持してきました。

やっと、キャプションに戻ります。 比熱の大きい地球の大洋と大気を冷やすには、どうするか。 

     

ウェブ情報にありました。

『気候変え地球を冷やす ジオエンジニアリングに脚光』

ジオエンジニアリング(地球工学)という言葉をよく聞くようになった。地球の気温を下げるために、人工的に雲を増やしたり、空に微粒子をまいたり、宇宙に太陽光を反射する鏡を置いたりするといった各種の気候改変の技術を指す。二酸化炭素(CO2)の排出削減がなかなか進まない中で浮上した応急手段だが、副作用を心配する声が早くも出ている。

 

それでも、上記対策は、原発と同じで、製造・構築・維持・廃物処理で出す、『CO2などの温室効果ガス』を考えると、すぐに、始めたいのが地道な『ベランダの鉢植えでも結構、一人一本、木を植えよう』と、『マメに、電気を消す、一人一人の徹底した省エネ』『プラスチック製品を減らす、土に帰るプラスチック製品もありますが、造るときにCO2を出すので』『エコバックを持ち歩くことを習慣化』といろいろありますが、すぐに身近のことから始めましょう。 世界中の皆(77億人)で、やる以外に手が無いようにないように、最近は思っています。 

             (20210112纏め #273)

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