『三年前の備忘録「量子コンピューターの実用化と2045年問題」、あれから三年、本日の日経の「米中、量子革命を主導、 日本、脱落の懸念も』
本日(20200919付け)日経の一面・トップの見出しにありました。
❶『米中、量子革命を主導 日本脱落の懸念も』、
❷『研究論文1位中国、 暗号関連で米の倍』、
❸『特許出願 米、超高速計算に巨額投資』とありました。
三年前には、新鮮な衝撃を感じました。 いよいよ、来たか、今の常識を超えたこの技術で、先手を取った国に、政治・経済を牛耳られる『量子コンピューター時代』が!。 先ずは、その時、纏めた備忘録です。
三年前(20170812付け)の日経の一面・トップの記事抜粋です。
『量子コンピューター』は微粒子の世界の物理現象を利用したコンピューター。従来型は『0』か『1』で処理したが、『0であると同時に1』の性質を持つ。
学術の世界にとどまっていた『量子コンピューター』が、本格的な商用化の扉を開こうとしている。 グローバル企業による導入や実験が活発になって おり、特徴は最大で従来型コンピューターの一億倍以上の演算速度だ。 3年かかる計算が1秒で解ける。
人工頭脳(AI)や自動運転でも、膨大で複雑なデータの解説が出来なければ、絵に描いた餅。 従来型コンピューターは、技術革新に限界が見えつつあり、『量子』に寄せられる期待は大きい。
「量子コンピューター」には、「量子ビット」と呼ばれ演算回路が一枚埋め込まれ、中央演算処理装置(CPU)はない。 従来型のコンピューターの革新は、処理能力を、一年半ごとに倍増させてきた半導体がけん引してきたが、微細化・高速化・省電力化は限界に近いとされ、『開発投資の回収ができるだけの性能向上は期待しにくい。
弱点もある。 絶対零度(‐273.15℃)で稼働する演算チップは、温度や磁力の変化や振動があるとうまく作動しない。』
次ぎは当時の、ウェブ情報です。
GoogleとNASAは「QuAIL(量子人工知能研究所)」を設立し、「世界初の市販量子コンピューター」と呼ばれるD-Wave開発の「D-Wave 2」の運用・テストを行ってきたのですが、新たにD-Wave製の最新量子コンピューター「D-Wave 2X」が「組み合わせ最適化問題」を既存のコンピューターに比べて最大1億倍高速に解くことを発表し、世間を驚かせています。
従来型のコンピューターでは、ものすごく時間がかかる問題を短時間で解けるのですが、量子コンピューターは簡単に言えば、超高速の関数電卓みたいなものかも知れないし、現代のコンピューターはプログラムに従って稼働するものですから、全く性質が違いますので何も心配ないと楽観視する方々、または、理解・関心持たず、ただ傍観する(自分もですが)だけの方々です。
人工知能と量子コンピューターを組み合わせると、考えるだけで、怖いと思うのは、人類の想像を超えた、とても賢すぎる人工知能が延々と自己増殖、自己進化を短期間でできてしまうからです。
最近のベストセラーにこんな本『量子コンピューターは人工頭脳を加速する』、が出ています。 これで『2045年問題 コンピューターが人類を超える日』は、やはり加速・前倒しされそうです。
表題の『三年前の「量子コンピューターの実用化と2045年問題」、あれから三年、本日の日経の「米中、量子革命を主導、 日本、脱落の懸念も』に戻ります。
次世代コンピューターの量子コンピューターをはじめとする量子技術を巡り、世界の覇権争いが激しくなっています。
量子技術とは、相対性理論と量子力学に基づいた次世代のテクノロジーと言われています。次世代計算機の量子コンピューターをはじめとする量子技術(総合2面きょうのことば)を巡り、世界の覇権争いが激しくなってきた。国の基礎研究力を示す論文数では中国が米国を抜き首位に立つ。半導体技術が支えたデジタル社会に次ぎ、量子技術が21世紀の革新をけん引する可能性が強まる。新たな時代の勢力図は産業競争力や安全保障にも影響する。日本は対応が遅れ脱落の懸念がある。
日経新聞より引用
主な量子技術は
❶量子コンピューター: 最先端のスパコンの15億倍の速さ
❷量子計測・センシング: GPSなしで自己位置を推定・超高精度時間測定
❸量子暗号通信: 不正な読み取りが原理的に不可能
国の基礎研究力を示す論文数では中国が米国を抜いてトップに立つ。 半導体技術が支えたデジタル社会に次ぎ、量子技術が21世紀の革新をけん引する可能性が強まっている。 新たな時代の勢力図は産業競争力や安全保障にも影響を与える。日本は対応が遅れ、脱落の懸念がある。
日経新聞より引用
これが、2-30年前なら、『デジタル後進国』などとは言われず、日本は米国とトップ争いをしていたと思います。
これは、根の深い複合要因・原因、
- どこに問題があるのかわからないほどの行政と官僚の大組織、
- 縦割り問題の中でドンドン増える省庁と大臣、横糸通し困難、
- 世界でもまれな、表意文字と表音文字(ひらがな・カタカナ)混合、英語からくる新造語が多く、新聞読むのに辞典が離せない。
- テレビの「視聴率至上主義」が、怒鳴り合いと大笑いの番組を
良き江戸・明治時代を偲びながら、嘆き、つぶやくばかりのこの頃です。
(20200920纏め #222)