礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

梨本祐平「社会大衆党解党秘史」(1959)

2016-10-16 04:52:01 | コラムと名言

◎梨本祐平「社会大衆党解党秘史」(1959)

 昨日の続きである。防共護国団の背後にあって、防共護国団を操っっていた強力な「政治グループ」について言及している文献は、いろいろあると思うが、私が読んだのは、梨本祐平の「社会大衆党解党秘史――近衛新体制の捨石となつた麻生久」という文章である。
 この文章は、『日本週報』第四八三号(一九五九年六月四日)に載っている。この文章は、三段組みで十五ページ分あり、以下の各節からなっている。
○真相は解明されていない
○麻生久の社会主義理論
○大山郁夫、アメリカへ亡命す
○軍、官僚とのむすびつき
○永田鉄山暗殺さる
○三多摩壮士を説得する
○「国民組織の党」を近衛に進言
○天皇の権威を革命に利用
○世紀の大芝居か、自己欺瞞は
○圧殺された勤労国民党
○「日本党部」の大構想
○甘かった「軍」の認識
○ジレンマに悩んだ近衛
○「何のための解党か」
○幻滅と死と
 このうち、「防共護国団」に言及しているのは、「三多摩壮士を説得する」の節だが、それを操った「強力な政治グループ」を知るためには、この文章全体、特に、「軍、官僚とのむすびつき」の節以降の数節を読む必要がある。
 筆者の梨本祐平については詳しくないが、『中国のなかの日本人』(平凡社、一九五八:同成社、一九六九)の著者として知られている。この本は、実はまだ読んでいないのだが、昨年の九月一一日のブログにおいて、「人間の記録双書」シリーズのチラシを引用する形でこの本について紹介したているので、それをそのまま再掲する。【この話、続く】

梨本祐平著 中国のなかの日本人(一・二部) 定価 二三○・二五〇円
 筆者は松岡洋右の懐刀。昭和三年渡満して以来二十年、
謀略の渦まく華北で、翼東政府顧問としてつぶさに強盗的
侵略の実態を目撃した。本渓湖の暴動、通州虐殺事件等々
の秘史を通して明らかにした日本侵略史の驚くべき内幕。

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