風吹く豆腐屋

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幻惑の道 ~帰路編~

2009-08-12 02:14:53 | Weblog
【けいt(ry】


目が覚めたのは14時頃でした。
取った睡眠時間は3時間少々。
体はもっと休みを欲していましたが、今回ばかりはそうもいきません。
無事岡山に帰り着き、翌日のバイトをこなさなければミッションコンプリートにならないからです。


最初は2年前と同じく、親に頼んで、しまなみの途中まで自転車ごと車で運んでもらうつもりでした。

それでなんとかなるだろ、と安易に考えていました。


ところが、

・昨日は海に行った
・そのあとに、楽器のアンサンブルの練習に行き、しごかれた
・おかげで後回しにしていた書類がたまった

疲れている&忙しいという理由で、そのプランは却下されました(笑
親子揃って似たような生活しやがって・・



というわけで、愛媛岡山間も自転車で走破しなければならなくなりました。

となると、家でたらたらしてはいられない。
一刻も早く出発しなくては、と昼ご飯を食べて家を飛び出しました。


【14:40 家】

自分を奮い立たせようと、アドレナリンが湧いてきたーと言って家を飛び出したんですが、
それを聞いていた一番下の弟は、「大腸菌が湧いてきた」と聞き違えたらしいです。
どこをどう聞けばその二つを間違えるんだ。


【18:35 来島海峡大橋】

今治までがやはり遠かったです。
楽しい道じゃないのもあって、しょっぱなから精神力、大幅減。

肉体的な疲労もそろそろ無視できなくなってきました。
何がつらいって尻が痛い・・・んですが、
それを軽減させようとして体重を腕に乗せ、手もかなり痛くなってきました。

これを軽減するために腕にサポーターを付けるらしいですが、僕はそんな贅沢品、持ってない(笑

ただ一つ救いだったのは、夕方の空がとてもきれだったこと。
あれは色っぽかった・・


【20:20 多々良大橋】

この橋はしまなみのちょうど中間地点にかかっている橋です。
ここまで2時間弱で来ているので、かなりいいペースでした。


【21:25 因島】

実は因島の前の生口島で少し迷いました。

だってもらった0円地図には曲がるポイントについて詳しく書かれてないんだもん・・

工場の守衛さんが親切そうだったので、道を尋ねました。
岡山まで帰るんですと言ったら呆れられました。

うん、自分でも狂気の沙汰だと思う。まぁこれ、帰り道なんだけどね。


【22:05 向島】

そう、しまなみ最後の島。向島。
10時過ぎにこの島に上陸したので、かなり調子に乗っていました。
これだとしなまみ70kmを抜けるのに4時間かからないくらいのペースじゃないか、
岡山までこのペースが維持できれば、そう遅くはならないな、と。

これが甘すぎる目算でした。




▲味龍ラーメン(税抜480円)

前日と同じ店でラーメン食べました。
尾道に入った時には空腹で倒れそうだったのに、ラーメン一口食べたら急に満腹になった気がしました。
意外と体がばてていることにこのとき初めて気づきましたが、
勢いで注文してしまった餃子セットを必死に食べました。
残すのは罪だと思っているので、どうにか完食しました。

店の人は僕のことを覚えていたのかなぁ・・。
いかついヘルメット持った坊主頭が2日連続してやってきたら、印象には残りそうなものだけど・・。


その後は来た道をひたすら戻ります。
2号線バイパスの側道をひたすら東に進みました。
すぐそばに車が走っているとはいえ、人っ子ひとりいない道を進むというのもさびしいものでした。

本当にこの道であっているんだろうか。
幾度となく不安に駆られました。


【00:40 福山駅前】

最初に、闘志を失ったのはここでした(笑

腕、尻、足、すべての疲労が一度に閾値に達したのか、どっと疲れが出ました。
それに伴って精神疲労もかなり来ました。

あと何十キロあるんだ…?
12時間後にはバイト先にいなきゃいけないんだよ、間に合うの?

さらに悪いことに雨も降り始めました。

まさに進退きわまるといった状況。道端に座り込んでしまいました。


・・・。


しばらくそうしていましたが、何とか持ち直し、再びこぎ始めました。


【01:30 笠岡】

相変わらず雨が降り続けている上に、この辺は路側帯すら十分にスペースのない悪路。
ペースは落とさざるを得ません。
まぁ、体力的にも限界だったんですけどね。


ここから時間の記録がなくなります。
かなり精神的にやられ、記録を取る余裕がなくなったからです。


その後、動けなくなった個所がいくつかあります。

そのたびに、雨あしが強くなっていないだけましだ、とか
今ここで時間を無駄にするよりも、少しでも早く帰って寝た方がいい、とか
どうにか自分を奮い立たせてきました。


ところが、その後、予想していなかった継続的絶望にさらされることになります。



倉敷に入ってからの2号線バイパスは車線数が増えます。
その両脇の歩道を通行しました。
ところが、夜のこの道、自転車にとっては最悪の道だったんです。

1)歩道は広いが、車両の進入を禁止するためのポールが乱立。極めて危険。

2)その上、対向車のライトが眩しすぎて、何も見えない


幻惑、どころの騒ぎじゃありません。最初から何も見えないんです。
この辺の歩道は微妙なアップダウンがたくさんあります。
山になっているところは対向車のライトのおかげで見えますが、
谷となり、少しへこんでいるところなど、完全な闇です。

自転車につけていたライトはあまりに無力でした。何も照らしてくれません。

これがどんなに怖いことか・・。



フェンスに近いところに障害物はないだろうと踏み、かろうじて見えるフェンス沿いを進みました。
それ以外には眩しくて何も見えなかったんですよね・・


一刻も早く帰りたいのに速度が出せないこの歯がゆさ。
そして、まだ何十キロも残っているという状況。
想定されるは、予定よりもさらに遅い帰宅時刻。


あ゛ーぁあ゛ぁあッ!


とでも叫びたかったその時の気持ち、分かってもらえるでしょうか(笑


これなら明かりが何もなかったしまなみ海道のほうがどれだけ走りやすかったことか。



心を無にしてひたすら進みました。

何も考えずにただひたすら足を動かしました。


空が白み始めました。

焦る気持ちを抑えてひたすら進みました。


草むらに隠れていた縁石に激突しました。

それでもひたすら進みました。
(のちにペダルについていた反射鏡が2枚とも落ちていたことがわかる 笑)


岡山市内に入るころにはだいぶ明るくなってきており、
バイパスを離れると同時に対向車のライトにおびえることもなくなりました。


そして、【05:00 岡山の下宿に帰宅】


6時間ほど眠りました。
起きるとすぐに家を飛び出し、バイト先で8時間働いてきました。


バイトから帰って、一人で祝杯を上げました。
そう、ミッションコンプリートを祝って。

発泡酒にするかビールにするか、また、350にするか500にするかで迷いました。
結局、選んだのは、プレミアムモルツの500。

ささやかなぜいたくってすばらしい(笑



(愛媛→岡山までの走行距離はやはり 約205km 経過時間:なんと行きと同じく14時間20分
トータルで走行距離 約410km 経過時間 34時間40分 そのうち途中休憩は7時間でした)


無事岡山についたらメールするように親に言われていたので、こう送っときました。


[今回ばかりは後悔したよ・・。]

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (charo)
2009-08-12 16:28:55
お疲れ様。ジョニーて今坊主なん!?
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Unknown (ソロモニアン)
2009-08-12 21:21:25
無茶しちゃって…って坊主!?

遂に悟られましたか!!!
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Unknown (ライネ)
2009-08-13 10:50:50
お疲れ様です(笑)
自分もこの夏何かしたいなーと思って結局何にもしないまま終わりそうですが。暑中見舞いも出さずに何してんの自分、みたいな。
小学校の頃何度か自転車で隣の県まで行って日帰りしてきた人がいたがあの人はどうしてるだろうか…。
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Unknown (ごる)
2009-08-15 02:00:58
若いですね~・・・
お疲れさまです。
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Unknown (ジョニー)
2009-08-18 00:44:19
>charoさん

だいぶ伸びましたが、まだ坊主です。
この頭で数々の人を笑わせてきました(笑


>ソロモン

面白いことにね、高校生以下には[野球部?]と聞かれ、それより上には[アジアの仏教徒っぽい・・]と言われるんだ。
僕自身、アジアの仏教徒に見える(笑
ただし、悟りは開いてないなー。色んな意味ですっきりはしたけど。


>ライネ

迷ったら、飛び出せばいい。
後悔なんて、飛び出した後でいくらでもすればいい。

まぁ、何か大きなことをなそうと思わないで、何かちっちゃなことをしてみるっていうのもありじゃないかなー。
考えてみれば、残暑見舞い出すのも夏しかできないことだよね(笑


>ごる

若いかどうかっていうのは大半が気持ちの問題だと思うんだ。
だからなんだって話ではあるけど(笑
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