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2021.6.5 『菊面沢』(625m)  6kmの林道歩きから藪に入ったものの・・・

 この週末は8週間ぶりに晴れた。

土曜の朝Hiromiを迎えに行き、

栗沢町万字に向かった。

以前から地形図を用意していた、

「菊面沢」(二等三角点)を狙うことにした。

そして万字幸町から林道へ。

林道の入口にゲートはなかったが、

当初から車を乗り入れることは考えず、

入口から徒歩と決めていた。

ちょうどよいところに、

駐車地スペースを確保できた。

そこで準備を始めると、

突然Hiromiが、

「あっ、ザック忘れた!」

ザックも持たずに、

山登りをしようっちゅうやつだもなあ。

ザックを忘れたということは、

中に収納している水も、

炎天下だというのに、

サングラスも忘れたということになる。

「忘れ物落し物兄妹」の本領発揮だ。

全て私のものを貸し与えた。

私は車内に必ず全てを、

二セット用意している。

8時10分、駐車地をスタート。

歩き始めて500mも行くと、

突然倒木が道を塞いでいた。

思えばこの前日は、

ひどい風雨に見舞われた。

その強風で大木がなぎ倒されたようだ。

枝が張った大木を越えるのがゆるくない。

その後1kmほどで、

オレンジの取水ダムが現れた。

目立つ色のダムを過ぎて間もなく、

チェーンゲートが現れ、

車を取り入れたとしてもここまでだ。

ゲートを過ぎると「界川」を渡り、

それまで平坦だった林道が、

傾斜を増して高度を稼ぎだした。

それからは登り一辺倒で、

どんどん高度を上げていく。

やがてそれらしき山塊が見えてくる。

長い林道はCo.400で、

広々とした伐採地を迎えた。

ここまで6kmちょっとの歩行だった。

そして視界が一気に開けた。

予定の取り付き点は近い。

ところがこの先で、

林道を強靭な笹が覆い、

進行不能となってしまった。

それで一旦伐採地に逃げ、

その最上部から藪に入ることにした。

取り付き点からの藪は、

まあまあ薄い。

「この調子で登らせてくれ」、

と願わずにはいられない。

しかしそうあまくはない。

藪は笹が徐々に濃くなる。

そして笹は歩を進めるほどに、

固く太くなっていった。

それまでの過程で、

私はズボンを大きく引き裂いている。

これは無理だな・・・

11時05分、標高580m、

目指す三角点ピークの、

300mほど手前で断念することにした。

しかしそこに重い標石を背負って到達した、

先人の労苦を思うと、

このままで終わるのも悔しい。

次回は寒くなってから、

上下雨具着用で再挑戦しよう。

 ピンテを回収しながら、

広く見晴らしのよい伐採地に戻り、

12時ちょうど、昼食とした。

そして初登のピークには立てなかったものの、

余っても困るバウムクーヘン儀式。

この伐採地からは青空の下、

南の『三角山』(夕張)や『幌向岳』が、

色濃く美しく見えている。

 空腹を満たしたあとは、

またテクテク6kmの林道歩きだ。

暑い日だったので、

どこかでヘビを眼にすることになる、

とHiromiに話していた通り、

一匹のシマヘビが林道に寝そべって、

長い体を温めていた。

ヘビを見ると、

何かいいことがある、

との言い伝えがあるが、

実際にいいことなんか、

あったためしがない。

まあ、なにもないより話題にはなった。

暑さと長い林道歩きに疲れて、

13時55分、駐車地。

Hiromiはもう一往復できそうな、

よゆーだけどねえ。

それでもすぐに昼寝で、

どっぷりと寝込んでしまった。

まだ時間が早かったので、

ザックや登山靴を車の屋根で乾かし、

ゆっくり休んでから、

最寄りの「メープルロッジ」へ、

汗を流しに向かった。

「メープルロッジ」の風呂は、

入浴料金が800円と、

高い割に中が狭い。

そこにけっこう客がいたものだから、

「密」と言わざるを得なかった。

さっさと上がって、

また万字に戻って車中泊とした。

そして静かな環境の中で、

日が長く遅い夕暮れを楽しんだ。

 

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