アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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参考資料:2008ヒロシマ平和宣言

2008年08月08日 07時37分01秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
平 和 宣 言

平均年齢75歳を超えた被爆者の脳裡(のうり)に、63年前がそのまま蘇(よみがえ)る8月6日が巡って来ました。「水を下さい」「助けて下さい」「お母ちゃん」―――被爆者が永遠に忘れることのできない地獄に消えた声、顔、姿を私たちも胸に刻み、「こんな思いを他の誰(だれ)にもさせない」ための決意を新たにする日です。

しかし、被爆者の心身を今なお苛(さいな)む原爆の影響は永年にわたり過少評価され、未だに被害の全貌(ぜんぼう)は解明されていません。中でも、心の傷は深刻です。こうした状況を踏まえ、広島市では2か年掛けて、原爆体験の精神的影響などについて、科学的な調査を行います。

そして、この調査は、悲劇と苦悩の中から生れた「核兵器は廃絶されることにだけ意味がある」という真理の重みをも私たちに教えてくれるはずです。

昨年11月、科学者や核問題の専門家などの議論を経て広島市がまとめた核攻撃被害想定もこの真理を裏付けています。核攻撃から市民を守る唯一の手段は核兵器の廃絶です。だからこそ、核不拡散条約や国際司法裁判所の勧告的意見は、核軍縮に向けて誠実に交渉する義務を全(すべ)ての国家が負うことを明言しているのです。さらに、米国の核政策の中枢を担ってきた指導者たちさえ、核兵器のない世界の実現を繰り返し求めるまでになったのです。

核兵器の廃絶を求める私たちが多数派であることは、様々な事実が示しています。地球人口の過半数を擁する自治体組織、「都市・自治体連合」が平和市長会議の活動を支持しているだけでなく、核不拡散条約は190か国が批准、非核兵器地帯条約は113か国・地域が署名、昨年我が国が国連に提出した核廃絶決議は170か国が支持し、反対は米国を含む3か国だけです。今年11月には、人類の生存を最優先する多数派の声に耳を傾ける米国新大統領が誕生することを期待します。

多数派の意思である核兵器の廃絶を2020年までに実現するため、世界の2368都市が加盟する平和市長会議では、本年4月、核不拡散条約を補完する「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を発表しました。核保有国による核兵器取得・配備の即時停止、核兵器の取得・使用につながる行為を禁止する条約の2015年までの締結など、議定書は核兵器廃絶に至る道筋を具体的に提示しています。目指すべき方向と道筋が明らかになった今、必要なのは子どもたちの未来を守るという強い意志と行動力です。

対人地雷やクラスター弾の禁止条約は、世界の市民並びに志を同じくする国々の力で実現しました。また、地球温暖化への最も有効な対応が都市を中心に生れています。市民が都市単位で協力し人類的な課題を解決できるのは、都市が世界人口の過半数を占めており、軍隊を持たず、世界中の都市同士が相互理解と信頼に基づく「パートナー」の関係を築いて来たからです。

日本国憲法は、こうした都市間関係をモデルとして世界を考える「パラダイム転換」の出発点とも言えます。我が国政府には、その憲法を遵守し、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択のために各国政府へ働き掛けるなど核兵器廃絶に向けて主導的な役割を果すことを求めます。さらに「黒い雨降雨地域」や海外の被爆者も含め、また原爆症の認定に当たっても、高齢化した被爆者の実態に即した温かい援護策の充実を要請します。

また来月、我が国で初めて、G8下院議長会議が開かれます。開催地広島から、「被爆者の哲学」が世界に広まることを期待しています。

被爆63周年の平和記念式典に当たり、私たちは原爆犠牲者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げ、長崎市と共に、また世界の市民と共に、核兵器廃絶のためあらん限りの力を尽し行動することをここに誓います。

2008年(平成20年)8月6日  広島市長 秋葉忠利

http://www.city.hiroshima.jp/www/contents/0000000000000/1110537278566/index.html

※関連記事:何故、最近のマスコミは8月6日に原爆を取り上げなくなったのか?

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何故、最近のマスコミは8月6日に原爆を取り上げなくなったのか?

2008年08月08日 07時36分33秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
●朝日新聞:21時40分更新
 グーグル地図新機能、削除要請次々 職質中の男性写真も(21:26)
 中国外務省、ギョーザ中毒認める 天洋食品かは回答せず(19:40)
 赤塚不二夫さん通夜に1200人 タモリさんも参列(21:08)
 全日空、国内6路線を減便へ 国際2路線も廃止(19:17)
 広島の被爆電車、2ちゃんに破壊予告 運行を中止(19:30)
 「倉敷チボリ」大みそかで閉園 三セク解散を可決(20:06)
 http://www.asahi.com/news/list.html

●毎日新聞:21時19分更新
 ギョーザ中毒:政府、早期決着目指す 首脳会談でも議題に(20時45分)
 民主:代表選にジレンマ 「論争」の声も有力者沈黙 (21時14分)
 赤塚不二夫さん:東京で通夜 ファン1200人別れ (20時48分)
 高速バス乗っ取り:14歳家裁送致 「保護処分相当」意見 (20時08分)
 五輪競泳:二百平で五輪逃したハンセン会見「楽しみたい」 (20時19分)
 中越沖地震:震源断層、2キロ長い可能性…原子力保院 (20時18分)
 http://mainichi.jp/

●読売新聞:21時53分更新
 開会式での政治的アピールは「五輪憲章違反」…組織委(21:09)
 五輪競技スタート…なでしこ、初戦はNZと引き分け(19:52)
 ガソリン価格高騰で帰省費用上昇、昨年比3430円↑(21:13)
 富山県、職員に車通勤の自粛を要請…10月から(21:16)
 JR資材置き場の廃レール83本盗まれる…埼玉・川口(21:43)
 赤塚不二夫さんの通夜、1200人が別れを惜しむ(21:25)
 http://www.yomiuri.co.jp/index.htm

●産経新聞:
 五輪成功目標の中国に配慮 ギョーザ問題解決、先送りに同意の日本(21:58)
 児童に「うそつき」張り紙 北海道教委、小学教諭を処分(21:27)
 偶発的犯行との見方強まる 京都・舞鶴少女殺害事件から3カ月(20:27)
 日朝実務者協議、11、12両日に中国・瀋陽で(20:01)
 動画投稿サイト運営業者を提訴 JASRAC(19:12)
 バカボンのパパに見送られ 赤塚不二夫さん通夜(19:16)
 亀田興が今月30日に試合 メキシコでノンタイトル戦(18:46)
 http://sankei.jp.msn.com/points/points.htm

●中国新聞:
 「2008ヒロシマ」特集記事(8月6日当日付分のみ、更新時刻不詳)
 祈りのヒロシマ・原爆の日 式典に最多55ヵ国
 被爆刻んだ亡母の手紙 広島の大場さん、資料館寄贈へ
 被爆証言をDVDに 長崎の高校生国内外15人収録
 ヒバクシャの苦難、本や写真で知ろう 広島で企画展
 8・5のパリジェンヌ 原爆供養塔清掃13年
 犠牲者へ哀悼の調べ 広響、「平和の夕べ」コンサート
 同胞悼み平和誓う 韓国人慰霊祭に250人
 日韓学生が惨状に衝撃 原爆資料館見学
 被爆の惨劇に目を留めて 東広島市役所で原爆展
 ヒバクシャ連携誓う アルジェリア研究者、仏核実験を報告
 http://www.chugoku-np.co.jp/abom/2008/News/index.html

 上記は、4大全国紙(朝日・毎日・読売・産経)と地方紙(中国新聞)の、8月6日ヒロシマ原爆忌当日夜の時点での、それぞれの新聞社のHPにアップされていた最新記事の主なものです。アップされた順にそのままの形で転載しました。地元紙がこの問題を精力的に取り上げているのに引き換え、4大全国紙の方はと言うと、8月6日の当日であるにも関わらず、広島・原爆慰霊祭や原水禁世界大会に関する記事が全く見当たりません。原爆に関するものは、僅かに「2ちゃんねる」への被爆電車爆破の脅迫投稿事件を取り上げたものがあるのみです。

 確かに、普段は核廃絶や被爆者援護の問題を殆ど取り上げないくせに、8月6日や8月9日にだけ、広島・長崎の原爆慰霊祭の様子を朝のニュースやワイドショーなどでアリバイ的に報道し、それで以って「我が社はこの問題もきちんと取り上げてますよ」とお茶を濁してきた従来のマスコミの姿勢も、それはそれで問題はありました。しかし、それでも、たとえアリバイ的にでも、取り上げるだけまだマシでした。それと比べても、今年のマスコミは、「もうそれすらもしない」というのでは、どう考えても異常です。テレビ番組の中には、今年もこの問題を取り上げた良心的なものも、確かに少なくはないですが、それらはあくまで、マスコミの中では傍流にしか過ぎません。この様な有様では、被爆国・日本のマスコミの状況として、まことにお寒い限りです。

 斯く言う私も、今年に入って核廃絶や被爆者援護の問題をブログで取り上げたのは、おそらくこのエントリー記事が初めてです。ついつい忙しさにかまけて、他の話題を取り上げるのに精一杯で、この問題については余り言及してきませんでした。しかし、それでは幾ら何でもアンマリだと思ったので、せめて原爆忌で読み上げられた広島市の平和宣言の紹介(転載)だけでもしようかと思って、6日当日に仕事が終わって帰宅してから、パソコンを開いて目の当たりにしたのが、上記の状況でした。

 実は、私は、これは自分だけが抱いていた感想だと思い、単に「俺はこう思った」と言うだけに留めた最初の記事を、6日当日に書きました。そして翌7日に、日中のバイトを終えて夜の短時間掛け持ちバイトに行く途中に、いつも夕飯を食べに立ち寄るなじみの喫茶店があるのですが、そこのママに、上記の「最近のマスコミは何故、夏になっても原爆の事を取り上げないのだろう?」という事を雑談の中で言ってみたら、何と其処のママからも、「ウチの旦那も同じ事を言っていたわ」という返事が返ってきたのです。

 そういう事を感じている人は、私の他にも意外と居るのではないでしょうか。北京オリンピックや高校野球や赤塚不二夫氏逝去や中国産ギョーザ中毒のニュースも、確かに大事なニュースですが、こと8月6日の朝刊に関しては、「記事に取り上げる順序が逆なのではないか?」と。少なくとも、前者の雑多なニュース群の方が、原爆忌や原水禁大会や核廃絶や被爆者援護のニュースよりも重要で、それを後景に退けてでもイノ一番に報道しなければならない程のニュースだとは、私には到底思えないのですが。

 原爆忌や原水禁大会や核廃絶や被爆者援護の問題は、果たしてどうでも良いニュースなのでしょうか。そうではない事は、これまでもこの問題を系統的に取り上げてきた地元紙・中国新聞の当日の記事群を見れば、自ずと明らかです。
 「平和」と言えば一時、「奴隷の平和」だとか「負け組が虐げられ続ける平和よりも下克上のチャンスが与えられる戦争を望む」とか言う様に、とかく底の浅い変なマイナスイメージで以って語られる事もありましたが、本当の「平和」とは、決してそんな柔なモノではありません。それは人権や民主主義と切り離せないものです。

 イラク・アフガニスタン・パレスチナでは今も戦争が続いています。一見すれば平和に見える日本や中国でも、秋葉原通り魔連続殺人事件や、ネットカフェ難民の悲劇、後期高齢者への医療差別や、農民工・少数民族による暴動が起こっています。同じく一見平和で民主主義大国と呼ばれる米国においても、貧困が国内に蔓延し、社会的弱者がどこにも就職出来ずに軍隊に「就職」するしかない「貧困徴兵制」とも言うべき惨状が広がっています。これらはすべからく基本的人権、なかんずく社会的生存権の侵害であって、「広義の戦争状態」とも言えるものです。
 
 「ヒロシマ・ナガサキの心」は、それらの現状の対極にあるものです。「平和」とは、単に「戦争でない平穏状態」を指すのではなく、全ての人に人権や民主主義や社会的公正が保障された状態を言います。だから日本の原水禁運動も、当初の頃に内部で見られた「自分たちだけが救済されれば良い」という傾向はとっくの昔に払拭されて、在日外国人被爆者の救済や、第三世界の貧困問題や、ネバダ・マーシャル諸島・ロシアの核被爆者との連帯を毎年表明するに至っているのです。そして原水禁大会も、今や反核団体NGOだけではなく、各国政府や国連機関の代表も続々と参加するに至っているのです。

 そして、そこでは日本政府までもが、総理自らが手代として参加し、改憲・核武装の本音はおくびにも出さずに、「非核三原則を堅持」とか「平和協力国家として国際社会において責任ある役割(実はイラク・アフガン戦争への協力)を果たす」とかいう恥知らずな表明を平気で行い、世界に恥を晒し続けているのです。こういう重大なニュースを、普段はこれ見よがしに「売らんかな」のセンセーショナリズムや商業主義に走る「民主国家」日本のマスコミは、何故取り上げずに、取り上げてもせいぜい片隅の三面記事だけに留めるのでしょうか?
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