アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

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 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

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壱花花さんの作品紹介

2008年12月16日 22時25分09秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
 前号エントリーの中でも紹介した壱花花さんの公募ビデオ作品「サンタの民営化」ですが、今調べている限りでは、どこの動画サイトにもアップされていない様です。その代わりに、「手遅れ」という同氏製作の別の作品を、こちらでも紹介しておきます。こちらも、「サンタの民営化」に負けず劣らず、なかなか面白い作品です。

 見る前に予め補足しておきますと、当該ビデオ作品の中に登場する「御手洗」と言うのは、日本経団連会長の御手洗富士夫の事です。また、同じく「八代」言うのは、政府の経済財政諮問会議の一員として、今まで散々政府と一緒になって、労働市場の規制緩和などを推進してきた、御用経済学者の八代尚宏の事です。

 では、壱花花さん独特の世相風刺を、しばしご堪能下さい。

3分ビデオ・手遅れ(You Tube)


3分間ビデオ・手遅れ(以下、適宜改行を施しました)

マルチン・ニーメラー牧師の告白
丸山真男著「現代政治の思想と行動」より 絵:壱花花

 ナチスが共産主義者を襲ったとき、
 自分はやや不安になった。
 けれども結局自分は共産主義者ではなかったので
 何もしなかった。

 それからナチは社会主義者を攻撃した。
 自分の不安はやや増大した。
 けれども依然として自分は社会主義者ではなかった。
 そこでやはり何もしなかった。

 それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、というふうに、
 次々と攻撃の手が加わり、
 そのたびに自分の不安は増大したが、
 なおも何事も行わなかった。

 さてそれからナチは教会を攻撃した。
 そうして自分はまさに教会の人間であった。
 そこで自分は何事かをした。
 しかしそのときにはすでに手遅れであった。

正社員の告白
作者不詳(インターネット掲示板より) 絵:壱花花

 はじめに御手洗と八代はニートに襲いかかったが、
 ニートは社会不適応の役立たずのクズだから、
 私は声を上げなかった。

 次に御手洗と八代はフリーターに襲いかかったが、
 フリーターは勝手気ままな人生を好むバカだから、
 声を上げなかった。

 次に御手洗と八代は、
 派遣社員と非正規社員に襲いかかったが、
 私はそのどちらでもないので、声を上げなかった。

 その次に御手洗と八代は、
 郵便局員と地方公務員に襲いかかったが、
 彼らは血税で美味しい汁を吸う寄生虫だから、声を上げなかった。

 そして御手洗と八代が正社員に襲いかかったとき、
 正社員のために声を上げてくれる人は、もう誰もいなかった。
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レイバーフェスタ 2008 OSAKA

2008年12月16日 00時03分01秒 | 一人も自殺者の出ない世の中を
   

 昨日14日の日曜日に、標記のイベントに行ってきました。その前日までは、そういうイベントがある事すら知らなかったのですが、たまたまネットで見つけて面白そうだったので、急遽参加する事にしました。但し当日の午前中は既に鍼灸治療の予約を入れていたので、午後からの参加となりましたが。上記写真がそのイベントの案内チラシです。

 どういう催しかというと、レイバーフェスタと言って、「『労働』や『労働運動』あるいは『生活』を、映像やパフォーマンスなどで見つめ直すイベント」(前記チラシより)なのだそうです。「アメリカ西海岸ではじまり、韓国や南米などにも広がり、大阪では2005年からスタートした」(同上)ものだともあります。何か、分かったような分からないような解説ですが、要するに、「ワーキングプアの日常や被搾取の実態を、自分たちでインディーズ・ビデオに収め、映像編集したもの」といった所でしょうか。

 会場は大阪・天満橋のエル・おおさか(府立労働センター)南館。プログラムによると、午前中は11時からの映画「蟹工船」の上映で始まり、午後からは一般公募による3分間毎のインディーズ・ビデオを、前半と後半に分けて計26本上映。その合間にダイアン吉日さんの創作落語があり、16時半に終了という内容でした。但し私は、先述した様に、午後からの参加ですが。当初は「映画も見れないのに当日券1200円払うのもどうかなあ」と思いましたが、映画は以前別の所で既に見たし、今の仕事は休みが必ずしも土・日・祝日とは限らず、こういうイベントにも思うようには参加出来ないので、「せめて行ける時位は行かなければ」と思い直し、飛び入りで参加しました。会場には、午後からの開演時間ギリギリの13時20分過ぎに、ようやく到着しました。

 午後からは、インディーズ・ビデオの上映に先立って、米国シアトルでのILWU(国際港湾倉庫労組)によるイラク反戦港湾ストのドキュメンタリー・ビデオが上映されました。今年のメーデー当日に行われた当該ストによって、米国西海岸29ヶ所の港で8時間に渡って荷役が完全にストップした、との事。「No Peace!No Work!」(平和無くして労働無し)と唱和しアカペラで反戦歌を歌うスト労働者の姿が、とても印象に残りました。(とりあえず、別ビデオで放映された当該デモの様子を、こちらから見れるようにしておきます)

 次いで、まず東京の仲間による下記インディーズ・ビデオ計12本が3分間づつ上映されました。その中で私が一番面白かったのは、壱花花さんの作品「サンタ民営化」。サンタクロースの世界にも新自由主義化の波が押し寄せ、ノルマに追われたサンタが、子供への贈り物をトナカイの橇で配達中に、電柱に激突して死亡。仲間のサンタが補償を要求するも、資本家サンタに一蹴され、最後には個人請負制まで導入される・・・というアニメ。謂わば「蟹工船」のサンタ版といった内容ですが、サンタクロースの格好をした資本家サンタが、葉巻をくわえて椅子に仰け反っている姿が、妙にリアリティーが在り、思わず笑ってしまった。
 韓国民主労総大会前夜祭のロック・コンサート(?)にも、度肝を抜かれた。労組活動でも、今や韓国の方が、日本よりもよっぽど先を行っているのではないか。パシフィックビーチホテル労働者の境遇は、日本の京品ホテルのそれとも酷似している。ホテル利用客の約7割は日本人観光客との事。今日のパシフィックは明日の京品、明後日の日本。

・麻生邸ツアー弾圧事件(古田新治)
・そこにある、ベルク(土屋トカチ)
・死ねと言うのか!―国労組合員・辻井さんの闘い(湯本雅典)
・なぜ?なくならない!過労死(東京東部労組・松岡正憲)
・UBIN WATCH VIDEO(郵政民営化を監視する市民ネットワーク)
・サンタ民営化(壱花花)
・ピースウォーク~札幌2008.7.5(岩本太郎)
・韓国民主労総労働者大会前夜祭(川村剛史)
・パシフィックビーチホテルで労使紛争が発生!(青野恵美子、高須裕彦)
・ヨコスカ・ストーリー(松原明)
・イラク帰還兵の証言―冬の兵士/予告編(田保寿一)
・フツーの仕事がしたい/予告編(土屋トカチ)

 その後に休憩を挟んで、14時半からダイアン吉日さんの創作落語。「ワンダフル・ジャパン」という演目で、英国リバプール出身の女性バックパッカーが世界流浪の末に日本に落ち着き茶道・華道の師範に。やがて落語に魅せられ、着物姿でチャキチャキの大阪弁で流暢にまくし立てる。私なぞ足元にも及ばないスーパー外国人です。でも話の内容は、「電車の中で居眠りしていても目的地の駅に着くと必ず目を覚ます生真面目な日本人」とか、「そんなに携帯ばかり睨んでいてよく人にぶつからないなあ」といった感じの、ごく平均的な「外国人から見た日本人感」というもので、こちらは正直言って余り新鮮味は感じられませんでした。

 そして再び休憩後に、15時10分から後半の大阪の仲間の手による下記インディーズ・ビデオが、前半と同様に3分間づつ計14本。ここでは何と言っても圧巻だったのは、松下プラズマディスプレイの偽装請負を告発して解雇され、大阪高裁で逆転勝訴の判決を勝ち取った吉岡さんの闘いを描いた山上・木村両氏の2作品。団体交渉の席上での松下側の不誠実な対応には、こちらも見ていて腹が立った。しかも撮影協力したのが、自治労滋賀県本部を懲戒解雇された清水さんという女性だったと言うに至っては、もう「労組がそんな事でどうする!」という他ない。
 あと、井澤絵梨子さん(この人実は私の横に座っていた人だった)の小学校教員分限免職撤回の闘いも、教育現場の「蟹工船」ぶりを今更ながら思い知らされました。その他にも、フランスで非正規移民(サンパピエ)の生徒が学校から追い出されようとして、それに対して反対運動が起きている事や、在日外国人の子供が二重の言葉の壁(日本語習得の困難と母語喪失の危機)によって高校進学が阻まれている現状を取り上げた小山・武田両氏の2作品なども、自分がこういう問題について如何に無頓着だったかを、今更ながら思い知らされました。特掃事業と空き缶拾いや露天商で辛うじて食い繋いでいる「あいりん地区」の高齢者、92歳の独居老婆が身体に鞭打って家事をこなす様子には、そう遠くない自分の将来を見せ付けられたようで、とても他人事とは思えませんでした。

・私が教室に戻るまで(井澤絵梨子)
・障がい者が就職できることがあたり前の社会にしたい(川島美穂、佐藤和利)
・偽装請負許さない!吉岡争議を国会へ!(山上浩昭)
・逃げるな松下(木村修)
・爽やかな平和の風に乗って(松谷卓人)
・武力で平和はつくれない!(瀬戸正明)
・92歳ひとり生きる(村上幸子)
・ここで大きくさせて!(非正規移民のための映画人集団・フランス/日本語版・小山帥人)
・次世代の将来を考える―ニューカマーの高校進学(武田由紀子)
・自立に向かう子どもたち―カンボジア・プノンペン(村田孝子)
・基地ではなく、ジュゴンの保護区を(山根美緒)
・家族の肖像2008(福西美穂)
・特掃は命綱だ―高齢者特別清掃事業(渡邉充春)
・悪いのは天満や―添乗員に社会保険を(遠藤礼子)

 他にも素晴らしい作品が幾つもあったのですが、ここだけではとても書ききれないので、とりあえず今回はこれだけに止めておきます。最後に、インディーズ・ビデオ公募作品の一つとして前半でその一部が紹介された映画「フツーの仕事がしたい」の予告編がユーチューブにもアップされていたので、こちらからも視聴出来る様にしておきます。月552時間も働かされていた「フツーのトラック運転手」が、「フツーでない働かされ方」から抜け出す闘いの中で、人間性を取り戻していく物語です。この映画は来年1月にも大阪の第七芸術劇場(映画「靖国」も今年上映された)で公開されるそうです。

「フツーの仕事がしたい」予告編
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