アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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ミナミの赤い夜 共産党deナイトVol.2

2014年10月05日 21時11分10秒 | 二大政党制よりも多党制


 大阪・ミナミの宗右衛門町(そうえもんちょう、そえもんちょう)にロフトプラスワン・ウエストというトークライブハウスがあります。東京にあるロフトプラスワンの姉妹店で、大阪にもこの4月にオープンしました。トークライブハウスなので音楽だけでなく映画の上映や各種のイベントなども開催されます。そのロフトプラスワン・ウエストで、標記タイトルのイベントがある事をバイト仲間の一人から聞き及び、私自身も元共産党員だった事もあり、昨夜ロフト見学も兼ねて行って来ました。



 会場には18時過ぎに着きました。まだ開演まで少し時間がありましたが、もう室内はこの通り、若者たちで大盛況。最近は、こういう共産党がらみのイベントは、この前の地元の母親大会でもそうでしたが、中高年が大半で若者は数えるほどしかいなかったので、この若者の多さにはビックリ。聞けば今回は第二弾(Vol2)で、第一弾が予想外に好評だったので、またやる事になったのだと。
 幕開けは清水ただし氏(党大阪府委員会副委員長)と宮島正氏(同府政対策委員長)のWタダシの掛け合い漫才から。清水さんの方は元松竹芸能のコメディアンで地元のラジオ番組にも出演された事があるので私も名前だけは知っていましたが、宮島さんの方は初めて聞く名前で、この記事もネットで経歴など検索しながら書いている状態です。でもまあ、漫才はなかなか面白かったです。



 この後に大阪の若手議員・候補予定者として、4名の方が紹介されました。そのうちの3名の方については、もうメモも取らなかったので名前は覚えていません。
 しかし、右端の赤いコスプレの女性だけはやけに目立っていたので、名前もはっきり覚えています。大阪12区衆院予定候補の吉井芳子さんです。服装こそ派手ですが、もう大学生の息子が2人いて、その息子が1食40円の鶏うどんの自炊で下宿生活をしのいでいるの見て、若者の貧困状態に怒って選挙に出たのだとか。その「若さ」や思い切りの良さに再度ビックリ。同年齢の私が、いつも疲れた疲れたと言っているのとは対照的。
 その後もレンとかいう女の人や男性のライブが続きます。




 次にドン・イノコシとかいうオッサン(党の教育係?)が登場して、「共産党に対する疑問に応える」コーナー。
 (1)旧ソ連や中国の共産党とどう違うの?
 (2)今は護憲とか言ってるけど最初は今の憲法にも反対だったのでは?
 (3)民主集中制で入党したら強制的に活動させられるのと違うの? 
 という3つの質問の他に、参加者からの質問にも答える形で話が進められました。

 このうちの(1)(3)については、
 (1)昔はソ連や中国から干渉され党内にそれに迎合する動きもあったりして困ったが、今はそれらの干渉もはねのけ自主独立でやって行っている、
 (3)議論は民主的に行うが決まった方針はみんなで実践する事で、その方針の正否をみんなで確かめる(これを民主集中制という)、

 という、私が党員だった頃ともそう違わない答えが用意されていましたが、(2)については、
 (2)憲法制定当時は個別的自衛権も認めず天皇の戦争責任もあいまいにされたので反対したが、憲法で天皇の政治的権利が制限され天皇もそれを守ると言っているので護憲に転じた、という答えでした。
 私はそれを聞いて、「本当にそれで大丈夫なのかな?」と疑問に思いました。

 何故なら、たとえ天皇個人には権力欲がなくとも、今の安倍首相の様に、天皇をダシにして独裁者の様に振る舞おうとする政治家が今でも大勢いるのに、復古主義の温床となる様な制度をいつまでもそのままにしておくのは拙いのではないか。天皇制そのものが一種の身分制度で、今の民主主義の考え方とは相いれないし、今でもそれをダシにして、隙あらば大日本帝国の頃の様な日本に戻そうとする勢力がうごめいているのに、いつまでもそんな制度によりかかっていてはダメではないでしょうか。
 「今の日本は君主制ではない」という答えも、確かに制度面では今の天皇には政治的権限はほとんどないのは事実ですが、さりとて、普通の共和国でもないのに、「民主的」と手放しで称賛するのは、余りにも甘すぎる評価ではないかと思います。

 その他にも、参加者からの質問にも答えるという事だったので、元いずみ生協職員だった私も、「生協内で横行していた長時間労働・サービス残業やパワハラ・セクハラについて党としてどう総括しているのか?」と質問用紙に書いて、アンケート回収箱に入れました。



 その後も「9条落語」や演歌のコーナーが続きます。落語では、食い詰めて自衛隊に入隊した「熊さん八っつぁん」が、隊内研修で「イラクやアフガンへの派遣も政治家が決める事で我々はそれに従うのみ。それがシビリアンコントロール(文民統制)だ」との教官の欺瞞(ぎまん)的な説明に対し、「実際にコントロールしているのは日本の文官ではなく米国じゃないか」と突っ込むオチが面白かった。
 会社でもそうでしょう。確かに業務命令や法律には従わなければなりませんが、それはあくまで人道や人権に反しない限りにおいてです。「公害垂れ流し」「食品偽装」や「パワハラ、セクハラ」を容認するような業務命令や法律には、むしろ人間として断固抵抗しなければならないという事も、今の日本国憲法の前文、12条、97条などに書かれている通りです。



 そうこうするうちに、宴もいよいよたけなわに。ブラック企業撲滅を公約に掲げ、今年の参院選挙で大阪選挙区から当選した辰巳コータロー議員が会場にかけつけてくれました(左上写真の右側の人)。この人、何と入党してまだ半年しか経っていないのに、いきなり選挙に出馬要請されて通ってしまったのだとか。これを「党の若返り」と素直に評価して良いのか、それとも、ちまたのブラック企業の様に「即戦力」として使われているだけなのか、私としてはまだ判断しかねますが。

 最近は共産党への入党者が激増しているそうです。そう言えば、少し前の「蟹工船」ブームの時も、そんな事が言われましたね。その時に激増した党員は今どこにいるのだろう?
 まあ、そうは言っても、今の日本の政党の中で選ぶとすれば、もう共産党しかないのも事実ですが。自民党や「維新の会」、次世代ナンチャラなんて、憲法や道徳を自分の都合の良い様に変える事しか考えていない。米国や大企業には何も言えず、弱い者虐めやセクハラ野次飛ばすしか能のない、これらの政治家が、とても今の労働者や若者の事を考えているとは思えない。民主党や「みんなの党」も、自民党と似たり寄ったりで、言ってる事もテンでバラバラで、しょっちゅう内輪もめ起こしているし。

 でも、共産党も決して万能ではない事は、党のリーダーシップで作られた「民主的な生協」の中にも、先に上げた事例が蔓延していた事からも明らかです。私はそれに愛想を尽かして生協も党も辞めたのです。さっきの私の出した質問にも回答はありませんでしたし。
 だからと言って、「どこも一緒だから何も行動しない」では、ただの負け犬にしかならないので、今でも選挙では共産党に投票するし、近所の党員から頼まれれば全戸配布のビラ撒きも一緒にやっていますが、党に入るのだけは今でも躊躇(ちゅうちょ)しています。



 会場では赤旗や「共産党ノート」も売っていました。「共産党ノート」と言っても、表紙に党本部の写真が写っているだけで、中身は何の変哲もない普通の大学ノートでした。Tシャツも売っていたが、3千円と高めで、もう10月で季節外れだし、単に「Anti War」のロゴだけでは。これがもしチェ・ゲバラやネルソン・マンデラ、トーマス・サンカラのTシャツだったら、ひょっとしたら私も無理して買っていたかも知れませんが。
 帰りに入口の所で、またあのコスプレのお姉さんがいて、何と私に握手までして見送ってくれました。
コメント (2)
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