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政府は今すぐ外国人技能実習生の実態を明らかにせよ!

2018年12月12日 16時24分48秒 | 職場人権レポートVol.3

安倍入り「入管法」有田芳生・小川敏夫(立憲)仁比聡平(共産)ほか12/6参院・法務委

私達の反対も空しく、遂に入管法改正案が国会で、ろくに議論もされないまま強行可決されてしまいました。「外国人労働者の就労範囲を広げる」という、外国人労働者にとって一見「朗報」とも取れる装いを取りながら、その実、外国人労働者に対する搾取・収奪の実態を国民の目に触れさせないようにして。マスコミも、法案の問題点についてサラッと触れるだけで、後は「与党も野党も、どっちもどっち」という、一見「中立」的立場を装いつつ、結局は「よく分からない」とお茶を濁す形で、強行採決に裏から加担しながら。以下、この問題に関するツイートを幾つか紹介しておきます。

●安倍首相肝いりの入管法改正案が議会で審議されるなか、米紙ワシントン・ポストが技能実習制度に着目。「使い捨て」にされた挙げ句、「犯罪者」扱いされる日本の外国人労働者の窮状を伝えている。https://buff.ly/2AKXAxy  (クーリエジャポン)

月給6万。米ワシントンポスト紙でも報じられた技能実習の実態。
「毎日、言葉の暴力を振るわれました。友達と話すのさえ許してもらえなかった。彼の言うことに従わないと、『ミャンマー人はダメだ。使い物にならない』と言われ、ミャンマーに送り返すと脅されました」https://courrier.jp/news/archives/144984/  (望月雄大)

日本政府が制度を見直そうとしない理由についてこう述べている!!
「外国人労働者を奴隷のように安く使いたい人々がいるからです。彼らは自分たちの利益のことしか考えていません。」
米紙が見た「外国人を使い捨てるニッポン」
https://courrier.jp/news/archives/144984/  (昭和おやじ【安倍政権を打倒せよ】)

米国務省の人身売買報告書では日本の はしばしば強制労働を引き起こしてると指摘。 人技能実習生「私は奴隷だった」段ボールに衣服詰める作業を週6日、朝7時〜夜10時まで。週100時間で月6万円、週7日勤務も。約束の額の半分。https://courrier.jp/news/archives/144984/ (16:05 - 2018年12月3日、望月衣塑子)

外国人技能実習生が、平成27年から平成29年までの3年間、法務省が把握しているだけで69名死亡しているという資料が明らかになった。しかも、死因が溺死、凍死、くも膜下出血、自殺、と俄には信じがたい死因。警察による検死が行われたのか、労災の申請はなされているのか。こんな状態で採決するのか。15:49 - 2018年12月6日、川内博史)

参院で安倍総理は、本件に「私は、今初めて聞きましたので」と答弁。
こんな重大情報を最高責任者が知らずして入管法改正はあり得ない。
技能実習生が、なぜ自殺、凍死、溺死等したのか。事件性はないのか。その闇を明らかにすることは法改正の前提。与党は採決すべきではない。闇が広がるだけだ。(23:47 - 2018年12月6日、同上)

こういう事例を突きつけられて、こう答える安倍首相。神経がわからん。
「亡くなられた例については、私は今ここで初めてお伺いをしたわけで。ですから、私は答えようがないわけでありまして」(安倍首相)
技能実習生3年間に69人死亡、首相「私は答えようがない」 http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3542670.htm 22:42 - 2018年12月6日、つしまようへい

政治家以前に人としてどうなのか。人の死なんてどうでもいいのか。外国人労働者の受け入れを拡大しようとしていながら、初めて聞いたというのも論外だが、せめてそれなら知ろうとすべきではないのか。この言葉は違う形で、私たちに向けられることになる言葉だ。 (23:25 - 2018年12月6日、諏訪原 健

この様に、ろくに議論もされなかった国会ですが、それでも少し調べれば、法案の問題点が結構浮かび上がって来ます。その中で、とりわけ注目されたのが、外国人労働者の中でも特に酷いとされる技能実習生の実態です。彼らは実際は「奴隷」並みに扱われながら、「実習生であって労働者ではない」 という建前の為に、「居住の自由」も「職業選択の自由」も公然と奪われてきたのです。

最低賃金にも及ばない時給400円程度の薄給で、1日十数時間も働かされ、言葉も通じず暴力を振るわれる職場から逃げ出した技能実習生が、2017年だけでも7千人以上に上ると言われています。その失踪原因を記録した聴取票のファイルが、立憲民主党のHPで公開されています。国会の要請に基づいて行われた調査なのに、政府がこの間ずっと、プライバシーを盾に国会議員にすら公開を拒んできた記録です。アンケート形式に基づく調査で、概要しか分からない内容ではありますが、20代や30代の若者でありながら、心不全や心筋梗塞、脳卒中など、過労死を思わせる様な死因の記述が目を引きます。

しかも、「溺死」や「凍死」等、まるで「殺された」としか思えないような死因も決して少なくありません。過労死による心不全や心筋梗塞、パワハラを苦にしての自殺なら、まだ承服できないまでも理解はできます。でも「溺死」や「凍死」ともなると、幾らブラック企業でも普通はあり得ないでしょう。技能実習の現場で、一体どんな事が行われていたのか?法務大臣が答弁したように、カキ養殖場で運悪く海に転落しただけなのか?除雪作業で運悪く雪に埋もれてしまっただけなのか?建設現場でたまたま事故に巻き込まれただけなのか?しかし、「たまたま」「運悪く」事故に巻き込まれてしまっただけなら、何故3年間で69名も亡くなるのか?何故、昨年一年間だけで7千人以上もの実習生が失踪するに至ったのか?何故それを3年間も放置した挙句に、今もなお情報公開を阻んでいるのか?総理大臣のくせに「私は何も知らない」と無責任な答弁に終始しながら、法改正ばかり急ぐのか?

政府が詳細を一切公開しないので、ここから先は想像力を働かせるしかありません。その中で真っ先に思い浮かんだのが、先日読み終えた「ルポ西成」の以下の記述です。

ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活
クリエーター情報なし
彩図社

―ついに振動で三階部分の窓が割れたのか「バリバリ」と音がした。思わず上を向くと無数のガラス片が降ってきている。とっさに下を向くとヘルメットの上で無数のガラス片が跳ねた。中には十五センチ角ほどの鋭利なものもあり、ヘルメットがなければ今頃私は脳みそを垂れ流しているだろう。肩や腕に当たっていても切り傷では済まない。高見さん(中:同僚の解体工)はバーナーで鉄筋を切るのに夢中で気付いていない。その体勢だと背中にガラス片が思い切り刺さってしまう。

「高見さん!ガラス!ガラスが上から降ってきています!」と私は叫んだ。「気い付けや」高見さんはそういうと再び鉄筋を切り始めた。背中に刺さったらどうするの?ヘルメットをしているとはいえ、首筋の頸動脈を切られたら本当に死んでしまう。私はホースを投げ出し安全な場所へ逃げ出した。「高見さん、さっきガラスがヘルメットにバンバン当たりましたよ」「ガラスが落ちてくるなんて日常やぞ。そのためにヘルメット被っとるんやろ。解体の現場はこの業界でも一番ケガが多いんや。ある程度は覚悟持ってやらんと仕事にならんで?」

運が悪ければ死んでもおかしくないということか。たしかにガラス片を気にしていたのは現場で私だけ。三階で重機を動かしている人間も、窓が割れたことにすら気付いていないだろう。「違う現場で安全帯付けんと作業していた奴がいてな。そいつは目の前で穴に落ちて死によってん。とんだ迷惑や。兄ちゃんも気い付けや。重機に背中向けるのは殺してくれと言っているようなもんやで」―(以上、同書71~72ページより抜粋)

建設現場などのガテン系の職場では、今も少なくない現場で、「タコ部屋」同様の搾取がまかり通っています。その中に、ろくに言葉も通じない素人の外国人技能実習生が、急場しのぎの人手不足の穴埋めとして、ろくに日本語教育も安全教育もされないまま放り込まれたら一体どうなるか?技能実習生に仕事を教える側も、おそよマネジメントやコンプライアンスとは縁遠い環境で育ってきた人達ばかりです。もう暴力で抑えつけるしかないじゃないですか。そうとでも解釈しなければ、理解できません。

もし、この私の推論に対して、「憶測に基づく決めつけである」と反論されるのでしたら、その責任は私にではなく、情報公開を阻んできた政府にこそあります。これは決して外国人技能実習生だけの問題に留まりません。外国人労働者への人権侵害を黙認していたら、やがて日本人労働者に対しても同様の人権侵害が行われる事になります。政府の答弁内容は目先の利益確保、企業利益の確保だけです。人権保障の観点が全く見られません。我々は単なるモノではありません。生身の人間です。

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