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大阪市議会にカジノ誘致反対の陳情書を出そう!

2022年01月23日 20時56分44秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 
⒈月21日に天満橋のエルおおさか(府立労働会館)で開かれた「カジノ・万博を考える討論集会」と言うのに飛び入り参加して来ました。
大阪では2025年に夢洲で万博が開催され、IR(統合リゾート施設)も誘致されようとしています。IRと言っても実態はカジノです。併設されるホテルや国際会議場もカジノの客を当て込んだ施設に過ぎません。
 
その万博やカジノ建設費用が当初の1240億円から更に800億円も上乗せされようとしています。府民の負担は一体どうなるのか?
会場の夢洲は海岸べりの埋立地。津波や液状化の心配は無いのか?
この夢洲の開発で貴重な野鳥の飛来地が失われようとしているが、万博の掲げるSDGs(持続性ある開発)の理念に反するのではないか?
そもそもカジノはギャンブル産業ではないか。ギャンブル依存症や治安悪化の元凶となり得る物に大阪の未来を託しても良いのか?
そんな諸々の疑問を少しでも解消すべく参加して来ました。
 
討論集会は18時半に始まりました。会場の大会議室には既に100人余りの聴衆が詰めかけていました。
まず集会主催者の「どないする大阪の未来ネット」の方からの挨拶の後、討論に向けての問題提起として、お二方から発言がありました。
 
 
1人目は「夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会」事務局長の武田かおりさんから、カジノ反対の住民投票に勝つ為に出来る事をしようと提起がありました。今、大阪市議会の自民党市議団から、カジノ誘致の是非を問う住民投票条例案の上程が提案されています。カジノ誘致については、住民の間でも賛否が分かれています。それを知事や市長の独断で話を進めるのではなく、まずは住民投票で是非を判断しようという提案です。
 
大阪の自民党については、府議会では都構想に賛成したり等フラフラしている点は否めないが、大阪市議会では今も維新のやり方に反対を貫いている。自民党支持者の中にもカジノ反対の人は大勢いる。それに対し、大阪市民や府民の我々が知らん顔していて良いのか?街頭宣伝や署名等、やれる事は色々あるが、ここでは特に陳情書の提出という形で、住民投票条例案の上程をサポートしたい。
 
陳情書提出を訴える集会配布資料と、大阪市ホームページに載っていた陳情書の書き方。
 
府議会では議員の紹介が必要な請願しか受け付けないが、大阪市議会ではそれが不要な陳情も受け付けている。陳情書は個人でも出せる。陳情書の書き方・出し方は大阪市のホームページに載っている。2月7日の締切までに陳情書を議会事務局に郵送か持参すれば(メール・ファックスは不可)、2月25日の市会本会議で住民投票条例案が審議される。
 
条例案が採択されれば4月上旬に住民投票が行われる。陳情書の数の多さで採択されるか否かが決まる。もし条例案が採択されなくても、陳情書は文面さえ変えれば再提出出来る。次の3月29日の本会議で採択され、4月の住民投票でカジノ否決に持ち込めれば、カジノ誘致は阻止出来る。
 
それ以外にも出来る事は山ほどある。例えば、この記事の冒頭にも示したカジノ誘致反対のチラシを自宅周辺に配布する、カジノ反対の署名を集める、街頭や役所・議会の前でアピールする等。特に今は、大阪市と府がIR誘致の住民説明会を府内各地で行っている。2月の説明会ならまだ参加申込が間に合うので、そこに参加して疑問をどんどんぶつけよう…と話されました。(説明会日程表
 
大阪府IR推進局ホームページの資料より(赤線は私が加筆・強調)
 
そして陳情書に書けば良いとされるポイントを幾つか列挙されていました。その中でも特に強調されていたのが、一旦IR誘致が決まったら、もう後戻りは出来ないという点です。IR誘致を国に申請して、IR事業者と事業契約を締結してしまったら、最低でも35年間はどんなに赤字でも事業を続けなければならない。しかも業者が望めば契約期間を更に30年間延長出来る上、それを過ぎても契約を見直す事が出来るかどうか分からない。見直しに関する規定がないから。
 
その間に、世論の風向きが変わり、カジノを中止しようとしても、業者から莫大な違約金を請求され、私達はそれを負担しなければならなくなる。業者は儲からなくなれば自由に撤退出来るのに。都構想の時も、一旦可決されたらもう後戻り出来ない仕組みになっていたが、それと全く同じ。まさに「勝てば官軍」そのものだが、こんな一方的なやり方で、本当に民主主義と言えるのか?
 
同上(赤字は私が集会レジュメから引用・加筆)
 
カジノの収支予測も大甘。夢洲カジノ1ヵ所にUSJの1.4倍もの集客、年間7.5兆円もの売上を見込んでいる。JRA(中央競馬)全体でも2兆円、セブンイレブン全体でも5兆円の売上しかないのに。
それに対し住民負担は青天井。カジノの賃料は年間25億円、最初の契約満了の35年後でも累計875億円にしかならないのに、夢洲の土壌改良費だけで790億円。埋立地の夢洲は元々ゴミの最終処分場だった。どんな有害物質が埋まっているか分からない。埋立地なので津波や液状化の心配もある。そんな所に地下鉄を通して高層建築作ってどうするのか?負担額は更にどんどん増え続ける。松井大阪市長は「税金投入しない」と言っているが、港営特別会計で賄わなければ一般会計から繰り入れるそうじゃないか。これも元は庶民の税金だ。
 
住民負担はこれだけではない。ギャンブル依存症の蔓延による治療費の増大、犯罪激増、治安悪化。その尻拭いに警察官340人増員。ただでさえコロナ禍による人手不足で保健所や公立病院が回らなくなっているのに。夢洲の自然破壊で絶滅危惧種の野鳥が住処を追われようとしている。自然を破壊して、ギャンブル患者を生み出して、震災対策も後回しにして、何が「命輝くSDGs万博」か?…そういう話をされていました。
 
 
2人目は大阪府議会議員(民主ネット所属)の野々村愛さん。大阪府議会では、相次ぐ定数削減で、総定数88のうち31が定数1の1人区になってしまっている。それを更に総定数79に減らそうとしている。削減対象になっているのは定数3~4の複数区だ。今でさえ、府政与党の「維新の会」が過半数を牛耳っているのに、これ以上1人区を増やしてしまったら、「長い物に巻かれろ」で、議会は「維新の大政翼賛会」に成り下がってしまう。
 
その為に、公明だけでなく自民も府議会では維新にすり寄り、今や野党と言えるのは民主ネットと共産党の4人の議員だけになってしまった。大阪で、知事が専決処分を乱発できるのも、この独裁状況の影響が大きい。それをくい止めるためにも、是非、大阪市議会で住民投票条例を可決してほしい…そういう話をされていました。
 
 
その後、討論に移り、参加者から多くの発言が出ました。その中で特に私の印象に残ったのが、次に述べるお二方の発言です。1人目はお坊さん姿の方の「自民党におんぶにだっこで良いのか?住民投票も本来なら我々市民が先導すべきだったのではないか?」という発言。これに対して、主催者側は「たとえ住民投票が無くても維新の知事や市長はIR誘致に動く。一旦、誘致となりカジノ業者と契約を結んでしまえば、もう後戻りは出来ない。今度の住民投票が、民意を示すラストチャンスとなる」と答えていました。
 
2人目は「単にカジノ誘致反対だけでなく、維新の独裁とどう戦っていくかという視点が必要。息の長い戦いとなる」という方からの意見。それに対して、別の参加者からは「維新支持者にもカジノ誘致反対の人は少なくない。先の住民投票で都構想を葬る事が出来たのも、維新への好き嫌いで対象者を色分けしなかったからだ」という意見も出ていました。
 
その中で会場に華を添えたのが、大石あきこ氏です。先の衆院選で比例区の近畿ブロックから初当選した「れいわ新選組」の女性議員です。国会議員の文書通信滞在費の無駄遣い問題で、言い出しっぺの維新・吉村知事も、議員時代に同費をネコババしていた事を暴いた方です。何て言ったかはもう忘れてしまいましたが、非常にハキハキと発言されていたので、妙に印象に残っています。
 
そうして、20時半にようやく討論集会が終わり、自宅には22時前に着きました。翌日も早朝6時から仕事だったので、もう大変でした。それでも、この討論集会に参加して良かったと思います。陳情書の件一つ取っても然りで。私事になりますが、以前トコジラミの被害に遭い、害虫駆除や老朽住宅の規制強化を大阪市にメールで要請した時も、あいにく大阪市からは完全に無視されました。しかし、この時も陳情書で出していたら、また違った展開になっていたかも知れません。戦い方は一つではない、色んな戦い方があるという事を、この集会で学びました。

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