「インターナショナル」
・クローズアップ2012:中国、反日デモ激化 対日強硬、保守派の影(毎日新聞)
(前略)
「毛主席、万歳」。北京の日本大使館前で16日に起きたデモでは、多くの集団が新中国建国の父、毛沢東の肖像画を掲げ、声をそろえて毛沢東をたたえる集団もあった。
上海でも16日、大小の毛沢東の肖像画がデモ参加者によって掲げられた。上海市郊外から参加したという20代の男性は胸に毛沢東の肖像が描かれたシャツを着ていた。「国民の多くが平等だった毛沢東時代の方が良かった。今の政府のやり方はおかしいことばかりだ」と語った。だが、尖閣諸島の問題とは直接関係ないのではと問うと、口をつぐんだ。
中国では貧富の格差や官僚の腐敗が深刻化するなか、保守派や若者の間に毛沢東を崇拝する動きが広がっているが、これまでの反日デモで毛沢東の肖像画を掲げるケースはなかった。今回の反日デモの広がりには保守派の支持拡大を反映したものとの見方もある。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120917ddm003030101000c.html
・<反日デモ>「反政府」訴える横断幕も出現、矛先はついに中国政府に?-香港紙(Record China)
(前略)
ところが、デモ参加者の中には明らかに「反政府」と分かる横断幕を掲げる一群も少なくなかった。広州では「自由、民主、人権、憲政」と大きく書かれた横に小さく「保釣(尖閣防衛)」、「政治改革を求める」といったスローガンが書かれた横断幕を掲げる参加者も。
(中略)
深センでは「汚職役人を養い、ローン地獄に陥っている。釣魚島(尖閣諸島)は絶対に放棄しない」と手書きしたTシャツを着ている参加者もいた。「保釣(尖閣防衛)」関連の言葉が「お守り」代わりに添えられただけで、現状に対する不満を訴えたものであることが分かる。
また、湖南省長沙では「裏切り者を根こそぎ取り除け、裸官(注:汚職高官の意)を引きずり下ろせ」、貴州省貴陽では「城管(都市管理局職員)と汚職役人が釣魚島(尖閣諸島)を取り戻しに行け」、「日本を滅ぼすことが出来ない者は、毛沢東に代わって棺に入れ」などの横断幕もみられた。
毛沢東回帰路線をとってきた左派(保守派)の代表格である薄熙来(ボー・シーライ)氏がトップを務めていた重慶市では、「小日本(日本に対する蔑称)は出て行け!薄書記は早く戻って来い!」と書かれた横断幕もみられた。薄氏は改革開放路線により生じた貧富の差の是正や暴力団一掃に力を入れるなど、今でも市民の間で根強い人気を誇っている。
(後略)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64736&type=
日本では「反日デモ」の一語で片づけられる中国のデモですが、実際は反格差や汚職糾弾、民主化を要求するスローガンも掲げられていたのですね。道理で、最初はガス抜きも兼ねてデモを容認していた中国当局も、ここに来て一転、デモを抑えにかかる訳です。天安門事件の時と同じだ。
ところが日本では、相変わらず「反日デモ」としてしか捉えられず、多くの国民もそんな政府やマスコミの言う事を鵜呑みにするばかりで。やれ「日系企業が襲われた」「日本も中国に対抗して軍備増強を」と、もう政府・財界の思う壺。実際にそうなれば、消費税増税も8%や10%では済まなくなるのに。
確かに中国のデモの主張はあくまで「反日」です。折角「格差是正や民主化」などの要求を掲げても、それが結局は「反日・親政府・軍備増強」に絡め取られてしまったり、人権弾圧にも手を染めた「保守派の毛沢東」に「民主化」を要求するなどの混乱や限界があります。「格差是正」を要求しながら、その鬱憤を政府や政商ではなく、日系企業で働く中国人民工にぶつけてしまっているのは、その極みです。国内に広がったとされる今回のデモも、伝えられる限りでは漢民族居住地域に限られ、最も野蛮な弾圧が行われている筈のチベット・ウイグルなどの少数民族居住地域では、完全に抑えつけられてしまっている様です。
しかし、言論やデモの自由がないとされる中国の人民ですら、ここまで闘えるのに、我々の今の体たらくは何ですか。社内で自由にビラも撒けず、「商品仕分けレーンのスピードや流し方を改善せよ」という程度の要求も出来ないなら、幾ら憲法や法律で「言論の自由」や「組合活動の自由」が謳われていても、そんなモノは絵に描いた餅でしかないじゃないですか。
「保守派に民主化を期待」「日帝打倒を言うが自国のチベット侵略には沈黙」「略奪も多数発生」の中国デモが矛盾しているのはその通りですが、そんな事を言い出せば、「保守派の橋下・石原・安倍や在特会などの極右に現状変革を期待」「自分に降りかかってくる放射能やオスプレイ墜落だけを恐れ、現実にその被害に遭っている福島や沖縄は見殺し」「アキバやマツダの殺傷事件も所詮他人事」の多くの日本人も五十歩百歩じゃないですか。
そんな事だから、今でも国民の多くは、政府や企業のやる事には何も言えず、ただ陰で愚痴を言うか、生活保護者叩きなどの弱者虐めや妬み差別で鬱憤を晴らすしかないのです。
以下は今回の中国のデモに関して私がmixiボイスでつぶやいた内容です。
中国の反日デモに乗じて日本でも橋下や石原・安倍が勢いづいているが、第三国から見れば目くそ鼻くそにしかならない。だから米国も従軍慰安婦等の問題では中国の方に肩入れするのだ。中国・北朝鮮の独裁や軍拡なんて戦前日本の劣化コピーでしかないのだから、寧ろ橋下とは逆にそれを乗り越える立場から彼の国を批判すべし。(09月17日)
中国の反日デモにも反格差スローガンが。それが独裁批判に向かわず排外主義に利用されているのは日本のネトウヨデモと同じだが。あれを反日と忌み嫌うだけではいつまで裁っても資本家の奴隷のままだ。我々も反格差を掲げる位の発想が何故出来ない。勿論その場合には領土問題ではなく労働者の国際連帯がデモの旗印になるが。(09月19日)
尚、中国のデモについては、他にも色々な視点から見る必要があるようです。例えば次の視点なども参考にしながら見ていかなければならないように感じます。そして何よりも、そもそも何故「反日」なのかという点についても。
・尖閣騒動、デマに注意【泥のりかずさん】(広島瀬戸内新聞ニュース)
http://hiroseto.exblog.jp/18889409/
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・クローズアップ2012:中国、反日デモ激化 対日強硬、保守派の影(毎日新聞)
(前略)
「毛主席、万歳」。北京の日本大使館前で16日に起きたデモでは、多くの集団が新中国建国の父、毛沢東の肖像画を掲げ、声をそろえて毛沢東をたたえる集団もあった。
上海でも16日、大小の毛沢東の肖像画がデモ参加者によって掲げられた。上海市郊外から参加したという20代の男性は胸に毛沢東の肖像が描かれたシャツを着ていた。「国民の多くが平等だった毛沢東時代の方が良かった。今の政府のやり方はおかしいことばかりだ」と語った。だが、尖閣諸島の問題とは直接関係ないのではと問うと、口をつぐんだ。
中国では貧富の格差や官僚の腐敗が深刻化するなか、保守派や若者の間に毛沢東を崇拝する動きが広がっているが、これまでの反日デモで毛沢東の肖像画を掲げるケースはなかった。今回の反日デモの広がりには保守派の支持拡大を反映したものとの見方もある。
http://mainichi.jp/opinion/news/20120917ddm003030101000c.html
・<反日デモ>「反政府」訴える横断幕も出現、矛先はついに中国政府に?-香港紙(Record China)
(前略)
ところが、デモ参加者の中には明らかに「反政府」と分かる横断幕を掲げる一群も少なくなかった。広州では「自由、民主、人権、憲政」と大きく書かれた横に小さく「保釣(尖閣防衛)」、「政治改革を求める」といったスローガンが書かれた横断幕を掲げる参加者も。
(中略)
深センでは「汚職役人を養い、ローン地獄に陥っている。釣魚島(尖閣諸島)は絶対に放棄しない」と手書きしたTシャツを着ている参加者もいた。「保釣(尖閣防衛)」関連の言葉が「お守り」代わりに添えられただけで、現状に対する不満を訴えたものであることが分かる。
また、湖南省長沙では「裏切り者を根こそぎ取り除け、裸官(注:汚職高官の意)を引きずり下ろせ」、貴州省貴陽では「城管(都市管理局職員)と汚職役人が釣魚島(尖閣諸島)を取り戻しに行け」、「日本を滅ぼすことが出来ない者は、毛沢東に代わって棺に入れ」などの横断幕もみられた。
毛沢東回帰路線をとってきた左派(保守派)の代表格である薄熙来(ボー・シーライ)氏がトップを務めていた重慶市では、「小日本(日本に対する蔑称)は出て行け!薄書記は早く戻って来い!」と書かれた横断幕もみられた。薄氏は改革開放路線により生じた貧富の差の是正や暴力団一掃に力を入れるなど、今でも市民の間で根強い人気を誇っている。
(後略)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64736&type=
日本では「反日デモ」の一語で片づけられる中国のデモですが、実際は反格差や汚職糾弾、民主化を要求するスローガンも掲げられていたのですね。道理で、最初はガス抜きも兼ねてデモを容認していた中国当局も、ここに来て一転、デモを抑えにかかる訳です。天安門事件の時と同じだ。
ところが日本では、相変わらず「反日デモ」としてしか捉えられず、多くの国民もそんな政府やマスコミの言う事を鵜呑みにするばかりで。やれ「日系企業が襲われた」「日本も中国に対抗して軍備増強を」と、もう政府・財界の思う壺。実際にそうなれば、消費税増税も8%や10%では済まなくなるのに。
確かに中国のデモの主張はあくまで「反日」です。折角「格差是正や民主化」などの要求を掲げても、それが結局は「反日・親政府・軍備増強」に絡め取られてしまったり、人権弾圧にも手を染めた「保守派の毛沢東」に「民主化」を要求するなどの混乱や限界があります。「格差是正」を要求しながら、その鬱憤を政府や政商ではなく、日系企業で働く中国人民工にぶつけてしまっているのは、その極みです。国内に広がったとされる今回のデモも、伝えられる限りでは漢民族居住地域に限られ、最も野蛮な弾圧が行われている筈のチベット・ウイグルなどの少数民族居住地域では、完全に抑えつけられてしまっている様です。
しかし、言論やデモの自由がないとされる中国の人民ですら、ここまで闘えるのに、我々の今の体たらくは何ですか。社内で自由にビラも撒けず、「商品仕分けレーンのスピードや流し方を改善せよ」という程度の要求も出来ないなら、幾ら憲法や法律で「言論の自由」や「組合活動の自由」が謳われていても、そんなモノは絵に描いた餅でしかないじゃないですか。
「保守派に民主化を期待」「日帝打倒を言うが自国のチベット侵略には沈黙」「略奪も多数発生」の中国デモが矛盾しているのはその通りですが、そんな事を言い出せば、「保守派の橋下・石原・安倍や在特会などの極右に現状変革を期待」「自分に降りかかってくる放射能やオスプレイ墜落だけを恐れ、現実にその被害に遭っている福島や沖縄は見殺し」「アキバやマツダの殺傷事件も所詮他人事」の多くの日本人も五十歩百歩じゃないですか。
そんな事だから、今でも国民の多くは、政府や企業のやる事には何も言えず、ただ陰で愚痴を言うか、生活保護者叩きなどの弱者虐めや妬み差別で鬱憤を晴らすしかないのです。
以下は今回の中国のデモに関して私がmixiボイスでつぶやいた内容です。
中国の反日デモに乗じて日本でも橋下や石原・安倍が勢いづいているが、第三国から見れば目くそ鼻くそにしかならない。だから米国も従軍慰安婦等の問題では中国の方に肩入れするのだ。中国・北朝鮮の独裁や軍拡なんて戦前日本の劣化コピーでしかないのだから、寧ろ橋下とは逆にそれを乗り越える立場から彼の国を批判すべし。(09月17日)
中国の反日デモにも反格差スローガンが。それが独裁批判に向かわず排外主義に利用されているのは日本のネトウヨデモと同じだが。あれを反日と忌み嫌うだけではいつまで裁っても資本家の奴隷のままだ。我々も反格差を掲げる位の発想が何故出来ない。勿論その場合には領土問題ではなく労働者の国際連帯がデモの旗印になるが。(09月19日)
尚、中国のデモについては、他にも色々な視点から見る必要があるようです。例えば次の視点なども参考にしながら見ていかなければならないように感じます。そして何よりも、そもそも何故「反日」なのかという点についても。
・尖閣騒動、デマに注意【泥のりかずさん】(広島瀬戸内新聞ニュース)
http://hiroseto.exblog.jp/18889409/
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「私たちは戦争を、地震を、水害を乗り越えて来た。
ここはファシストの土地ではなく、私たちの土地。
暴力によって築き上げたのではない。
そう、ここはもう文革を行う場所ではない。
この土地で開かれた平和の祭典・オリンピックを全世界が見つめた、
その場所ではないか。
暴力を停止しよう。
私は知っている。私たちの祖国はかつて愛にあふれていたことを」
この写真に限らず、微博上には、暴力行動の停止や話し合いによる解決を促す意見・写真が多数掲載されています。広州の日本領事館が入るビルがガラスを割られるなどの被害を受けた跡を、自主的に掃除に来た中国人の学生たちもいました。
私たち日本人は、中国人の中に、短絡的に暴力に走る一群の人々がいることを認め、それについては自衛をして行くしかないでしょう。しっかりと負の面に目を向けない限り危機が予測出来ず、正しい自衛も出来ない。自衛出来ていないことで新たなトラブルに巻き込まれ、そのトラブルが更に日中関係を悪化させる。そのことを肝に銘じるべきだと思います。
しかし一方で、中国人全員が同じように粗暴だと思い込むことも、明らかな事実の誤認であると思います。暴動を扇動した人々のことを、「権力の手先になって暴力を煽り、中国の対外イメージを決定的に貶めた」と憎み、また、実際に破壊や略奪行為をした人々のことを「政治の道具に利用された脳の足りないバカ」と罵倒する多くの人がいることを、心に留めておいて頂きたいと思います。(以上、当該ブログから引用)
http://www.maya-fwe.com/Blog.html
リンク先の西端氏のブログにはそのスローガンを掲げた写真も掲載されているので是非ご覧下さい。
今回の中国のデモの主張はあくまで反日であり、中国支配層内部の権力闘争とも絡んで、権力の手先として扇動する者や、それに乗じて鬱憤を晴らそうとする者がいるのも事実でしょう。
しかし、その一方で、そんな「中国のネトウヨ」を苦々しく思っている一般市民や、単なる愛国デモの限界を乗り越え民主化の為に闘っている人たちも中国には大勢います。
その人たちと真に連帯する為にも、過去の侵略を免罪し対米追従に汲々とする日本政府にも、共産主義の理想を葬り資本主義・覇権主義の道を歩む中国政府のどちらにも組せず、日中労働者の解放を目指す潮流を広げなければならないと思います。
これは中国や韓国で反日デモを行っている人々にも言えることです。彼らもまた、日本人一般という抽象的、観念的なものに振り回され、日本に対する妄想を勝手に膨らませ、それに怯えているという、負の連鎖に陥っています。
今日求められているものは、抽象的な観念ではなく、手の触れることのできる具体的な現実です。たとえば、中国人の友人がいれば、反日デモを見て理性を失い、中国人を盲目的に侮蔑したりすることはないでしょう。それは在日韓国人についても同様です。
このような具体的なものの積み重ねが、排外主義に対する一定の歩留まりになるのではないかと思います。(YN)
http://ameblo.jp/gekkannippon/entry-11368460208.html
以上はどことは言いませんが月刊日本という右はミニコミのブログの引用です、参考までに