アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

橋下の沖縄レイプ発言を許さない

2016年05月25日 23時35分49秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな

沖縄では故人の魂が宿るとされる黒い蝶をプラカードに掲げて、日米両政府に対し抗議の意思を表した。

 今日、夕方6時から7時まで、大阪・淀屋橋の米国総領事館前で、沖縄の米兵による女性暴行殺人事件に対する緊急抗議集会が行われ、私も飛び入りで参加してきました。
 米国総領事館は、地下鉄淀屋橋駅から御堂筋を北に、大阪市役所前を通り川を渡って、新御堂筋と道が二股に分かれる所にあります。建物のもうすぐ前が御堂筋の歩道と植え込みです。その建物の前に警察官が一列に立ちはだかって、デモ隊と対峙していました。車道にも機動隊の車が駐車していました。デモ隊は、その歩道と車道の間のわずかなスペースに、横長に陣取り、警察とにらみ合いながら、抗議集会を約1時間に渡って行いました。
 この厳重な警備は、もちろん伊勢志摩サミット開催を間近に控えて、テロを警戒してのものですが、デモ隊への威圧効果も十分計算に入れての事でしょう。「転び公妨」(注)などの露骨な弾圧こそなかったものの、非常に緊迫した雰囲気の中で集会が行われました。

(注)転び公妨:警察の方からデモ隊に体当たりしてきたり、警官が自分で転んでおきながら「デモ隊に体当たりされた」と偽って、公務執行妨害罪をでっち上げる事。昔からデモ弾圧の常とう手段として使われてきた。

 私は、いつも見ている市民運動のメーリングリストで、今日のこの抗議集会の事を知りました。私は、いつもなら、翌朝も早朝から仕事なので、夜に食い込む行事にはあまり参加しないのですが、今回は橋下徹・前大阪市長による再度の「風俗活用」発言もあり、「同じ大阪の人間として沖縄の人々に申し訳ない」という気持ちもあって、急きょ、この集会に参加する事にしました。
 集会を主催したのは、「辺野古に基地を作らせない大阪行動」という市民団体です。今までも大阪駅前などで沖縄の基地問題を訴えるビラまきをして来て、私のブログでも今まで何度か取り上げた事のある団体です。でも、今日の集会では、その団体ののぼりは無くて、その他の合同労組や連帯労組、全港湾などの団体ののぼりが目立っていました。6時過ぎにはまだチラホラとしか見かけなかった参加人数も、時間が過ぎるに従い次第に増え、最後の方では百人近くに膨れ上がりました。

 集会は、まず犠牲者への黙とうで始まりました。その後、各団体から抗議声明の読み上げや沖縄現地からの報告、歌の合唱やシュプレヒコールなどが行われました。
 その中でも、とりわけ二人の婦人の発言が目を引きました。まず一人目の方からの発言要旨「総領事館を守っているあなた方警察官にも、二十歳の日があったでしょう。二十歳前後に、人々の命を守るのだと、希望に燃えて警察官になったのでしょう。米兵にレイプされて殺された女性も同じ二十歳でした。あなた方は一体何を守っているのでしょうか?あなた方が本当に守らなければならないのは、総領事館ではなく国民の命ではないか!」。二人目の方も、最初は同じような事を言っていましたが、途中から泣き崩れてしまいました。それでも声を振り絞って、「とにかく悔しい!」と仰っていました。
 他に、男性の方からも、「米国のオバマ大統領は、広島だけでなく沖縄にも謝罪しろ!」「安倍も、通り一遍の謝罪だけでなく、本気で米軍犯罪を根絶し、(米軍の治外法権を認めた不平等な)日米地位協定改定にも本気で取り組め!」「総領事館の人間も、警官に守られて中にすっこんでいずに、ちゃんと我々の前に出て来て謝ったらどうだ!」という趣旨の発言がありました。(但し、いちいちメモを取っていなかったので、ひょっとしたら発言内容が若干食い違っているかも知れません)
 そうして、最後に「辺野古移設反対、沖縄から全ての米軍基地を撤去せよ!」と、全員でシュプレヒコールを上げて解散しました。


参加者の方からいただいた5月20日付地元紙・沖縄タイムスの1面と2・3面。本土の新聞は決してここまで詳しくは書かない。

 前述したように、私がこの集会に飛び入り参加しようと決断したのは、下記の橋下「風俗活用」発言がきっかけです。

「(以前に)風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。まあこれは言い過ぎたとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかったかも。きれいごとばかり言わず本気で解決策を考えろ!」
「朝日・毎日新聞をはじめとする自称人権派が米軍基地の存在を問題視している。ちょっと待て。日本人の殺人事件の比率と比較をしたのか。外国人だけと殊更批判するのであれば、自称人権派がいつも叫ぶ移民差別の流れになるぞ」(以上、地元紙・琉球新報の記事から引用)

 橋下の事ですから、以前にも言った前段の「風俗活用」発言を公式には撤回した後も、本音では全然反省していないだろうなと思っていましたが、まさか事件発覚後にまた同じような事をツイッターでつぶやくとは思ってもみませんでした。しかも、それに留まらず、沖縄を軍事占領支配した米軍を少数派の移民にすり替え、加害者をまるで被害者であるかのように言い募る厚顔無恥まで、後段でさらけ出してしまっています。
 米軍基地のない大阪では想像も出来ないでしょうが、沖縄では毎年のように米兵によるレイプ事件が起こっています。それが米軍占領時代も、沖縄が日本に復帰してからも、ずっと続いて来ました。その中にはもみ消された事件も多い。犯人が米軍基地の中に逃げ込めば、治外法権で日本の警察は手も足も出ないのだから。だから、日本人の犯罪発生率と比較する事自体がそもそも無意味。
 このような米軍による事実上の植民地支配の下で、レイプや強盗殺人などの基地犯罪が、構造的・系統的に繰り返されてきたのです。差別されてきたのは一体どっちやねん?米兵ではなく沖縄県民でしょうが!それを、移民差別の問題にすり替え、加害者と被害者の関係を逆転させ、白を黒と言いくるめるような詭弁(きべん)がまず許せません。
 そして、「風俗活用」についても、一見高給に釣られて自分から風俗嬢になる事を志望しているように見える女性も、実際は食い詰めた末に、他にまともな就職口がなく、今やデリヘルが「最貧困女子の駆け込み寺、福祉施設」と化してしまっている中では、もはや風俗嬢を選択する他ない現状を、一体どう捉えているのか?
 本来なら、そんな事で苦しむ事がないように、貧困や格差問題に取り組むのが政治家の仕事ではないのか。それを、あろう事か、その植民地支配や貧困搾取の上にあぐらをかいて、「代わりに風俗嬢でも当てがって置けば良い」とは、一体何という言い草か。これでは、沖縄が丸ごと橋下にレイプされたようなものじゃないですか。こんな政治家を、演説がうまいとかイケメンだからという理由だけで、大阪の人間はよくも知事や市長にして来たものです。このままでは、大阪府民として沖縄の人々に顔向け出来ません。だから、せめてもの罪滅ぼしに、今日の集会に参加したのです。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 労働者階級が帝国主義サミッ... | トップ | 毒親からの独立宣言 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
橋下の印象操作 (プレカリアート)
2016-06-04 19:31:54
米軍犯罪 起訴率18.7% 全国38.5%の半分 背景に裁判権密約

 昨年、日本国内で発生した米軍関係者による一般刑法犯の起訴率が18・7%にとどまっていることが、日本平和委員会が情報公開請求で入手した法務省資料で明らかになりました。全国での一般刑法犯の起訴率(2014年)38・5%と比較して半分以下です。
 資料は「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」というもの。それによれば、起訴17件に対して不起訴は74件に達しています。強姦(ごうかん)や強姦致死傷5件、暴行10件はすべて不起訴になっています。
 こうした低い起訴率の背景には、米軍の特権的地位を定めた日米地位協定があります。協定17条では、「公務中」の場合、第1次裁判権は米側にあるため、日本側に身柄を引き渡されない限り、起訴できません。実際、法務省資料でも「第一次裁判権なし」のため不起訴となった事件が4件あります。
 一方、「公務外」の場合は日本側に第1次裁判権がありますが、1953年10月28日に日米合同委員会で結ばれた密約で、日本は米国に対し、特に重要と考えられる事件以外は裁判権を行使するつもりがないと約束しました。
 法務省資料にも「第一次裁判権不行使」が20件明記されています。仮にこれらを起訴した場合、起訴率は約40・7%に上昇。一般事件なみになります。
 沖縄県うるま市で発生した米軍属による女性遺体遺棄事件のような米軍関係者による凶悪犯罪の温床になっているのが、こうした特権的構造です。日米地位協定の抜本的改定に加え、密約の撤回が求められています。(以上、しんぶん赤旗)
http://linkis.com/www.jcp.or.jp/akahat/gxM8z

 橋下も元政治家で弁護士なら、米軍の治外法権の事も、レイプ被害者の泣き寝入りの多さも、当然知っていたはず。知っていて、「犯罪発生率は米軍兵士よりも日本人の方が高い」と、ワザと印象操作を図ったのではないか。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな」カテゴリの最新記事