アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

当ブログへようこそ

 アフガン・イラク戦争も金正日もNO!!搾取・抑圧のない世界を目指して、万国のプレカリアート団結せよ!

 これが、当ブログの主張です。
 詳しくは→こちらを参照の事。
 「プレカリアート」という言葉の意味は→こちらを参照。
 コメント・TB(トラックバック)については→こちらを参照。
 読んだ記事の中で気に入ったものがあれば→こちらをクリック。

シモーヌ・ヴェイユの呪い

2013年07月16日 20時41分48秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
映画『奇跡のリンゴ』予告編


 今回の記事は何と私メのお見合いの報告ですw。それが表題の「呪いw」や冒頭の動画とどう関係があるのかも、読んで貰えれば分かります。
 お見合いなんてするのはもう何十年ぶりでしょうか。少なくとも10年以上は経っているでしょう。
 今回のお見合いの相手は、同じ大阪府下在住で、歳は私より2つ下、身長は私より少し高い独身の女性です。現在、介護士資格を取る為の講習に通っています。その講習のクラスメイトに親父の会社で経理事務のパートをしておられる方がいて、その人の紹介でお見合いする事になりました。具体的な年齢については余り詮索しないで下さいw。

 私、はっきり言って、お見合いとか余り好きではないです。色々気を使うのは苦手ですし、この暑い夏のさなかに、普段着慣れない余所行きの格好で出掛けなければならないのも億劫だし、幾ら親の紹介でも付き合うのはあくまで当人同士なのに、本籍まで釣書(お見合いのプロフィール)に書かなければならない封建的で形式ばった所が大嫌いだし、もう何十年と独身で来てそれに慣れてしまったし、今更、結婚して子供産んで家買ってローン組んで頑張って残業代稼いで・・・なんて、はっきり言ってしんどいだけだし。
 だから、それでも一応はお見合いなので、こちらは釣書や写真も用意したのに、相手の方は何も用意せず、名前も当日になって初めて聞くような状況でも、却ってそこに、家族制度に縛られた旧来のお見合いにはない新鮮さを感じました。服装も普段着で良いという事で、それでも幾ら何でもGパンにTシャツは拙いので、まあ、それなりの格好で出掛けましたが。

 それで、昨日7月14日の日曜日に、高島屋7階のレストランでお見合いをしました。参加したのは私、親父、相手の女性、クラスメイトのパートさんの4人です。
 お互いの自己紹介の後、それぞれの近況について披露し合いました。彼女は、今まで3年間米国に滞在してヒーリングの仕事をされていたとの事。米国には余り良い印象は持っていない様子でした。曰く「人間関係が希薄で相手への配慮に欠ける、飲食店のメニューも少なく接客サービスもイマイチ、マクドのハンバーガーもパンや肉はパサパサで、それをまた旨そうに3つも4つも平らげる客がいるのが信じられない」、云々。
 私は、「そりゃあ、”人種のるつぼ”と言われるように、元々は故国で食い詰めた移民が寄せ集まって出来た国で、同郷の士以外は信じないし、料理がまずいのも、BBQやサンドイッチやアメリカンコーヒーを見ても分かる通り、移民のジャンクフードが元になった物ばかりだから」と相槌を打ち、堤未果の「貧困大国アメリカ」(岩波新書)やマイケル・ムーア監督の映画「シッコ」の内容も紹介し、「日本で憲法が改正されて徴兵制になったら、こんな政治家の弾除けにされるのは嫌だから海外に逃げようかと思っているが、流石に米国は避ける」と応じて笑いを誘いました。

 その後も、「確かに米国には良い面もある、例えば市民運動が活発で、みんなハキハキ物を言って日本人みたいにウジウジしていない」(その通り!)、「英語が殆ど喋れなくても目的地への移動位なら身振り手振りでも伝わるし、現地には安い授業料(当初は年間2ドル、やがて60ドルになったそうだがそれでも安い!)で学べる外国人向けの語学教室もある」(フムフムなるほど!)、「でもやっぱり、米国のそういうドライな所に幻滅し、3年で日本に戻ってきた、やっぱり日本が一番」(そんな物かなあ…)、「飲食業の接客サービスも日本が最高!」(過労死に残業代未払いから食中毒の横行まで、飲食業界ってブラック企業だらけなのに…)、「なのに原発の放射能が怖いからと言って、福島から逃げ出す人には反発を感じる」(そんな事を言ってるから太平洋戦争でも大勢の兵士が特攻隊で無理心中させられたのだろうに…)と、まあそこまでは、意見の違いは色々あれど、会話そのものは結構盛り上がりました。(ちなみに括弧内の言葉が心の中での私の呟きです)

 でも、その後のテレビや映画の話や、家の近所に映画館があって帰りに好きな時に観に行けるとか、テレビ番組のどのドラマのどの俳優が素敵だとか、遊園地が好きでUFJには毎月必ず遊びに行くとか、スポーツジムにも通っているとかいう話になるに従って、やっぱり彼女と私とでは格が違うなと。
 はっきり言って、私の方は毎日帰宅が早くても夜8時かそこらで、そこから夕飯と入浴を済ませばもう夜9時になる訳でしょう。うちのバイトでも気の早い奴は床につく、そんな時間から数時間、こちらはブログ更新やインターネットをやっているので、テレビドラマなんて観る暇がない。休日も、週休2日だが土日休みの連休ではない交替制の休みなので、自分の用事や何やかやで、下手すればそれだけで半日、1日潰れてしまう日も少なくない、映画もたまには観るけど、そんな毎月観に行く程の気力もない。仕事だけでも大概しんどいのに、その上スポーツジムにまで通う気力はない…。
 それに、観る映画や読む本も、微妙にジャンルが違うしね。相手は何だかんだ言ってもやはり女の子、観る映画も上記の「奇跡のリンゴ」とか、そういうメロドラマチックな物が多い。方や私の方は、「シッコ」とか「スーパーサイズ・ミー」「華氏911」、土屋トカチ監督の「フツーの仕事がしたい」の様な、「どちらかというと地味でコアな、政治的にも左に偏ったw」物ばかり。選挙ともなればビラ撒きもしなければならない。趣味も今は競馬ぐらいなもので。それでなくても仕事がエライのに、毎月遊園地や映画ばかり行っていたらお金も身体も持たない。

 そこで、やっぱり話には付いていけないなあ、彼女のざっくばらんで世間体に拘らない所等は非常に魅力なので、二人で付き合いだしたらまた違うかも知れないが、お見合い初日にいきなりブログや競馬の話なんて出来ないしなあ、と思いながら、その日は別れました。次のデートの約束もなしで。だから完全に振られた訳ではありませんが、余り期待はしていません。
 私も「我が道を行く」タイプである事にかけては、彼女にも決して引けを取らないつもりです。寧ろ似た者同士なのかも知れません。しかし、それでもやっぱり彼女の方が知識も経験もキップも数枚上手で、私としてはどうしても気後れしてしまうのです。
 それに、これは別に彼女のせいではないのですが、今回のお見合いでも、まるで自分が人間的に劣っている、家庭の団欒とは無縁なアダルトチルドレンで半ニートのワーキングプアであるかのように、世間から後ろ指差されているような気がして。そりゃあ今の私は確かに余り褒められたものではないかも知れないが、それでも決して現状には満足せず、自分から労働組合に入って、選挙では知人に頼まれてビラ撒きも手伝う等して、寧ろ社会にも積極的にコミットしているのに、それも含めて今の自分を全否定された様な気がして。私の思い過ごしかも知れませんが。

シモーヌ・ヴェイユ
クリエーター情報なし
岩波書店


 最後にタイトルの由来ですが、シモーヌ・ヴェイユというのは第二次大戦前のフランスの女性哲学者です(1909~1943年)。インテリの家庭に生まれたにも関わらず、当時の労働者の悲惨な境遇にいたく同情して、反失業のデモに参加したり、労働者に決起を促す為に自ら望んで工場労働者、そう今の私の様な仕事に就いたものの、そこの労働者がすっかり奴隷根性に染まり、酒や女やギャンブルに明け暮れ現状に満足してしまっている様子に幻滅し、精神を患う中で反ナチ闘争に参加するも、最後には身体を壊して悲劇的な死に至る、そういう数奇な運命をたどった女性です。せっかく親の紹介で久しぶりにお見合いをしたものの、却って「貧富の差」というか「格の違い」を見せつけられ、私も「シモーヌ・ヴェイユの呪いw」(奴隷の安住)に取り込まれてしまったのかなと。以上、私のお粗末なお見合いの報告でした。今の私にはやっぱり阿部サダヲ(「奇跡のリンゴ」主演男優)よりもSHINGO★西成の方が性に合っているw。

SHINGO★西成 頑張ってれば... 釜ヶ崎越冬闘争LIVE 2011
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする