令和の時代が始まりました。三つの時代を生きていこうとしてる私。
千葉での仕事に便乗してかねてから行きたかった国立歴史民俗博物館へ行くことにしました。開館したニュースを目にしたときから行きたかったのですが、検索してみてびっくりしました。一般公開は1983年だったのです。36年も前!36年間も行きたい気持ちを維持しているということも、我ながらなかなかにすごい。
原始時代を先史時代に改めるというメッセージから、展示が始まっていました。次のコーナーは日本が成立していく過程で、夫が興味がある時代なのでたくさん写真を撮ってお土産に。
歴史を体感させるような工夫が随所にみられ、結構時間がたっていってしまいます。
ふと思い出して笑ってしまいました。高校時代日本史を学んだときです。明治まで来たら息切れしたように「あとは自習」。
ですから、後ろ髪惹かれながらどんどん進みました。第5展示室(近代)からは明治日本の産業革命遺産(世界遺産)の官営八幡製鐵所の門標ひとつを。ふるさと北九州を代表するものですから。
次の第6展示室(現代)1.戦争の時代(1931~敗戦)2.占領の時代(1945から7年間)3.高度経済成長の時代(1955~1970年代まで)に分かれていましたので3を選択。私が小学生だった時代からのスタートです。
「だっこちゃん!」と声が出てしまいました。いつの間にか、父が買って来てくれていました。そうそう、ちょっと向きを変えるとウインクするのも珍しかった…左腕にくっつけたのですがその感触やにおいが立ち上ってきました。
子どもの頃の我が家の台所とそっくり。かまどの前にしゃがんだ母の姿!ちょっと煙のにおいがして。ふたを開けたときのご飯の炊けたおいしいにおいも。
我が家の台所は、かまど(おくどさんといっていました)の右横から廊下が続いていてそこの雑巾がけをしてはよく褒められたものです。七輪も使っていましたっけ。
高校2年生の時、東京オリンピック開催。
どんどん高齢化が進んだということと、この時代にそれが起きたことは歴史に残る出来事だと納得させられました。
1970年代までの展示とありましたが、このようなものを発見しました!
歴博は佐倉城址に建てられています。その公園を横切ってくらしの植物苑へ。途中の姥が池には菖蒲が花開いていました。
生活文化を支えた植物を系統的に展示してある「くらしの植物苑」は武家屋敷の門から入るというアプローチでした。
伝統の桜草展
今回はもう一つ懸案の美術館を訪問しました。現代美術の収集で有名なDIC河村美術館。歴博と最寄り駅は同じ佐倉駅です。そしてそこから送迎バスがあります。
おしゃれな美術館が建っていました。お天気もあって幻想的です。
現代美術だけでなく、印象派から、ピカソ、シャガール、レンブラント。20世紀のシュルレアリズム、そして現代にいたるアメリカ美術まで。写真は不可。
ここでも不思議な体験をしました。昔、マグリット展を見たことがあります。場所も時期もはっきりしないほど昔です。
ここでマグリットの作品に出会ったとき、昔訪れた会場の様子や、いくつもの作品が鮮やかに思い出されるとともに、「顔がない」とか「ありえない構図」とか「なぜこの題名?」などと考え込んだその心理状態が強烈に湧き上がってきました。
美術館前玄関横のフランクシュテラ作「リュネヴィル」
清水久兵衛「朱甲面」
噴水池。敷地は北総台地の緑豊かな自然を生かした30ヘクタールという広大さです。
実は鑑賞前にランチをいただきました。とってもおいしかったので、ついレジでそのように言いました。そうしたら「シェフに伝えます」と嬉しそうな笑顔で返してくれました。こういうちょっとしたやり取りも、きっと後でふわっと思い出されるものでしょうね。
ほとんどの美術展では音声ガイド500円というところが多いのですが、時々スマホにダウンロードして番号のところで解説を聞くというシステム(もちろん無料)を導入するところがあります。DIC川村美術館はさすがに導入されていました。
思いがけず郷愁に浸るミニトリップでした。
令和になっても、楽しい時間を追求しようと思います!